新型コロナウイルス感染症の流行に伴う働き方改革、DX化の加速、さらにはレガシーシステムのブラックボックス化など、情シスを取り巻く課題は大きな変化期を迎えています。
ひとり情シスやゼロ情シスも増えている中、「どこから解決の糸口を模索すればよいのか」と頭を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、情シスを取り巻く各課題を整理するとともに、課題解決のための対策を詳しく解説します。
1.情シスへの負担増大の背景について
主な背景として下記の3点が考えられます。
1-1.テレワークやリモートワークの普及
2017年より実施されている「テレワーク・デイズ」(東京オリンピック・パラリンピック大会時の混雑緩和を目標としたテレワークの推進期間)の実施や、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴った政府からの要請(企業への出社7割減、テレワークの要請等)により、2020年3月以降から急速にテレワーク移行が進んでいます。
これにより、情シス担当にはテレワーク環境の整備が求められるようになりました。在宅で使用するための端末の用意、セットアップ、自宅で業務を行うための各種設定、操作の案内など、PC1台をリモートワークに対応させるだけで多くの作業が発生します。
普段の業務に加えてこれらの業務が増えるため、情シス担当への負担は決して小さくありません。
ココがポイント
テレワークの普及により、情シス担当への負担が増えている
1-2.フリーアドレス制の導入
フリーアドレス制とは、オフィス内で特定の席を決めずに、業務内容や状況に応じて従業員が自由に席を選んで働くことです。部署を超えたコミュニケーションの活性化を期待して、導入する企業が増えてきています。
その導入やレイアウトについては経営層が決めるケースがほとんどですが、PCやモニターなどの手配やキッティング、ネット環境の整備等は情シスに一任されることが多くあります。これでは時間や手間がかかり、情シスにとっては大きな負担となるはずです。
環境整備だけでなく、今までの運用をフリーアドレス制でも使用できるように、各種設定も変更しなければなりません。また、端末が従業員個人での管理になる場合はセキュリティ対策も行う必要があります。
1-3.2025年の崖
経済省の発表しているデジタルトランスフォーメーションレポート(DXレポート)の中では、日本の経済停滞レガシーシステム(=自時代遅れのシステム)の存在も指摘されています。
2025年には、21年以上稼働しているレガシーシステムが全体の6割を占めると予測されています。
これが、「2025年の崖」です。レガシーシステムに多くのコストや人的リソースが費やされることで、新しいデジタル技術などにIT予算などの資源を投資できなくなり、企業のグローバル競争力を低下させていると危惧されています。
今後これらのシステムを刷新する必要があり波に乗り遅れると多くの事業機会を失う恐れがあります。具体的には2025年~2030年にかけて最大12兆円の経済損失が生じるとDXレポートでは公表しています。
これに対応するべく情シスの業務は増えていき、ひとり情シスや兼任情シスでは手が回らなくなってしまうかもしれません。
ココがポイント
レガシーシステムの刷新により、2025年~2030年にかけて最大12兆円の経済損失が生じる
2.背景から生じる情シスを取り巻く課題
ここで、現場の視点と経営層の視点それぞれにおける課題を説明いたします。
2-1.【現場の課題】担当者の業務過多
情シス担当の業務は、社内システムの開発・運用・管理、ヘルプデスク、機器メンテナンス、セキュリティ対策など多岐に渡ります。もともとの業務量が多いこともあって、緊急のシステムトラブル発生時、新システムの導入時などは普段業務までこなす必要があり、オーバーワークになりがちです。
そこにリモートワーク用のPC設定の業務も増えると、さらに業務過多へと陥ってしまいます。いざリモートワークが開始しても、ユーザーからの問い合わせがあれば対応しなければなりません。
相手の症状を直接確認できず、解決までに時間がかかってしまうなど、初期設定のみではなくリモートワークの運用時にも情シスに大きな負担がかかります。
ココに注意
リモートワーク導入・運用により、情シス担当の負担が増加
2-2.【現場の課題】セキュリティが脆弱に
前述してきたように、突発でトラブルが発生するケースは多くあります。そして障害が発生した際は、通常業務と並行して対応しなければなりません。
日々の業務に手一杯な状況では、「機器のアップデートを行う時間がない」「業務で使用するアカウントの管理が従業員個人になってしまう」「リモートワーク時に使用者が個人のPCへデータを保存してしまう」などの事例が起きやすくなります。
従業員のITリテラシーの向上やセキュリティ対策に十分に手が付けられず、情報漏洩などのリスクも高まっていくのです。
2-3.【現場の課題】情シス担当の相談相手がいない
企業の規模が小さい場合、ひとり情シスや専門知識の少ない情シスに任せてしまうケースがあります。
「情報システム部門」がない企業では、情シス担当者の相談窓口がない点も問題です。
「ヘルプデスク対応に時間を要してしまう」「システムトラブルを抱え込んでしまい解決できない」「新システムを導入する際にも相談ができずにシステム導入後にギャップが起こりうまく活用できない」などのリスクが伴います。
情シスの相談窓口は、リスクの低下や社内作業の効率化に繋がる存在です。これがない企業では、情シスへの負担が大きな問題となりえます。
ココに注意
情シス相談窓口がない企業では、情シス担当の負担が大きい
2-4.【経営層の課題】経営層や社内の意識改革
レガシーシステム刷新の必要性を経営層が感じておらず、必要としていない状態では、システムの刷新自体が「誰のためでもない」ものと化してしまいます。
情シスの業務を「守り」から「攻め」にするためには、レガシーシステムから脱却することが必要です。
どんな影響があり組織がどう変わっていくのかを経営層が描き、従業員に未来を示せないことには、「負担だけ増える」と思われてDX推進は失敗してしまいます。
2-5.【経営層の課題】最新技術導入の遅れ
システム刷新には、非常に大きなコストと長期的な改修機期間が必要です。かといって導入を先延ばしにしてしまうと、周りの会社からは完全に出遅れてしまいます。
さらにシステムがブラックボックス化していると担当者の異動・退職で改修ができなくなり、ビジネス自体が立ち行かなくなるリスクもあるため早めの決断が必要です。
3.情シスの課題解決について
情シスの課題を解決するため、以下4点について説明いたします。
3-1.従業員のITリテラシーの向上
社内の機密情報を取り扱う際は、「使いやすいから」「すぐに見られるように」といった概念を失くすことが大切です。例えば個人の端末に保存をしてしまうと、外出先でフリーwifiに接続した際などに情報漏洩のリスクが高まります。
そのような事態を防ぐには、徹底した情報の管理と従業員の意識変化が必要です。従業員のITリテラシーが向上することで、情シス担当の負担や情報漏洩のリスクを減らせます。
3-2.業務フローの見直し
情シスの業務内容は幅が広く、時間がかかる作業が多く存在します。
業務内容を明確化し大まかな作業時間などを把握することで、業務内容の見直しや担当者の増員で情シスの負担軽減へと繋がります。
3-3.アウトソーシングサービスの活用
ヘルプデスクの業務委託や情シス業務の代行を活用すれば、情シス担当の相談窓口にも使えます。
トラブルの解決のみならず、情シス担当・兼任情シスが本業へ注力できる点もメリットです。また、社内の情シス担当を増員するより、採用・雇用コストも減らせます。
アウトソーシングサービスは、広い意味で万能の情シス課題の解決策になりえるのです。
ココがポイント
アウトソーシングサービスの活用により、情シス担当は本業に注力できる
3-4.経営層の意識改革
情シスの役割は、ヘルプデスクやインフラ対策など、「守り」の業務がメインとなっています。しかし、ここで満足しては先に進めません。これからのIT時代では、IT技術を駆使した新規事業や企業全体を活性化させる「攻め」の姿勢が必要です。
攻めの役割を実現できる人材・機材のリソースの確保するためには、経営層の意識改革も重要になります。
4.情シスの課題を総合的に解決!トータルITヘルパーの情シス代行サービス
トータルITヘルパーの情報代行サービスでは、情報システム部の業務をサポート、もしくは丸ごと引継ぎするサポートです。
IT機器のトラブル解決や操作方法などの社内ヘルプデスク対応からシステム構築など技術を要する作業まで対応しています。
4-1.情シス業務を丸ごと引継ぎ
情シスが行っている業務を委託で丸ごと引継ぎできるため、ひとり情シスやゼロ情シス運用をしている場合は業務効率が上がります。
これまでの負担を大幅に軽減できるだけでなく、本来の業務に注力できます。
4-2.IT機器のトラブル解決
PCや無線ルーターでフリーズや機器アップデートにより、昨日までできていたことがいきなりできなくなってしまうような緊急トラブルも起こる場合があります。
そんな時に電話やリモートでの対応により即時トラブルの解決サポートを行い、もしもの場合も訪問にて解決が可能です。
4-3.167人の専門スタッフによるサポート
専門的な教育を受けた167人のスタッフが随時待機、問題解決に尽力します。
100万件以上のお問い合わせで培ったノウハウと高い技術力で迅速にトラブル解決努めます。
4-4.システム構築もお任せ
情報システムを構成するソフトウェアや機器、資材などを組み合わせてお客様にあったシステムの導入や構成を行います。
4-5.PC1台3,000円と安心の料金設定
「アウトソーシングの予算が少ない」「ひとり情シスで業務に追われている」などの問題にもしっかり対応。情シス担当を増員するより安価で、低リスクで導入できるため、安心してサービスを継続利用いただけます。
私たちの会社ではネットワーク、サーバー、複合機、ビジネスフォンなどグループ全体で様々な機器を扱っているおり、幅広い基盤でお問い合わせ内容に対しての柔軟な対応が可能です。グループ1,500名を超えるIT総合商社の基盤があるからこその驚異的なコストパフォーマンスを実現しております。
情報システム部門のアウトソーシング先として、これまで30,000社以上との取引実績がございます。
もし、お困りごとやご不明な点がありましたら、お気軽に問い合わせください。