アスクルやアサヒグループホールディングスなど、2025年では多くのサイバー攻撃被害が報道されています。さらに、報道の裏では多くの中小企業が標的になっているのも事実です。
企業のITは業務の効率化からシステムの管理・保守・運用まで求められているうえに、最新のセキュリティ対策導入が求められています。
その一方で、「社内にIT担当者がいない」「トラブル対応に追われて本業に集中できない」「万が一のウイルス・サイバー攻撃が怖いが、十分なセキュリティ対策を取れているか不安」と頭を悩ませる方も少なくありません。
そのようなIT・情シスで課題を抱える企業の解決策として注目されているのが「情シスBPO」です。
本記事では、情シスBPOの基礎から、アウトソーシング・代行との違い、メリット・デメリット、費用相場、成功事例までを解説します。「情シス BPO」と「アウトソーシング」のどちらを選ぶべきか迷っている方はもちろん、導入を本格検討中の方もぜひ参考にしてください。
目次
1. 情シスBPOとアウトソーシングの違い

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業の業務プロセスを外部の専門業者に委託し、より効率的かつ高品質に遂行する仕組みのことです。具体的には、「IT資産管理・セキュリティ運用・システム導入支援・情報システムの運用保守・ヘルプデスク」など、情報システム部門の業務全般を専門的に代行・運用するサービスを指します。
「情シス BPO」と検索する方の多くが疑問に感じるのが「アウトソーシングとどう違うのか」という点です。結論から言うと、情シスBPOとアウトソーシングは「目的」と「範囲」が大きく異なります。ここでは5つの観点で違いを整理した上で、混同されやすい「代行」も含めた使い分けを解説します。
1-1. 5つの比較軸で違いを整理
情シスBPOと情シスアウトソーシングを見比べるときは、以下の5つの軸でチェックすると違いが鮮明になります。
| 比較軸 | 情シスBPO | 情シスアウトソーシング |
|---|---|---|
| 導入の狙い | 経営課題の解決と業務プロセスそのものの再設計 | 不足する人手や専門スキルの即時補填 |
| カバーする範囲 | 関連業務を一括して巻き取るパッケージ型 | 切り出した単一業務を担う部分代行型 |
| 想定する期間 | 数年単位の継続的パートナーシップ | 数ヶ月〜中期の柔軟契約が中心 |
| 業務改善の有無 | 業務フロー自体の見直し・標準化まで踏み込む | 既存のルール・手順をそのまま引き継ぐ |
| 料金の目安 | 月額数十万円〜(成功報酬・ハイブリッド型あり) | 月額数万〜数十万円(時間単価制もあり) |
ざっくり捉えると、情シスBPOは「腰を据えて任せる長期パートナー」、情シスアウトソーシングは「必要なときに必要な分だけ補う柔軟な手数」という関係です。「業務のやり方そのものから預けて改善まで踏み込んでほしい」のか、「現場の手が足りない部分だけ穴埋めしてほしい」のかで、選ぶ方向が分かれます。
1-2.「情シスBPO」「アウトソーシング」「代行」の使い分け
情シス業務の外部委託を検討する際、もう一つよく出てくる言葉が「代行」です。「情シスBPO」「アウトソーシング」「代行」の3つは似ているようで、実際には性質が異なります。
- 情シスBPO:業務プロセス全体を継続的に委託する形態。業務改善・標準化を含む長期パートナーシップ
- 情シスアウトソーシング:業務単位で委託する形態。リソース補填や特定スキルの獲得が目的
- 情シス代行:より短期・スポット的に実務を代行する形態。「やってほしいことが具体的に決まっている」業務を即戦力でカバー
それぞれの違いを踏まえて、どのケースでどれを選ぶべきかを見ていきましょう。
BPOが適しているケース
情シスBPOが適しているのは、次のようなケースです。
- IT担当者が不在、または兼任体制で稼働している
- 全社的なDX推進を行いたいが、内部リソースが不足している
- ITガバナンスやセキュリティ体制の強化を求められている
人員不足により、日常的なトラブルやアカウント改廃に手が回らない場合、情シスBPOによって業務プロセスから委託することで安定したシステム運用・業務の遂行が可能です。また、運用代行のみでなく改善提案も含むため、社内のIT基盤整理の強化・安定化を実現できます。情シスのプロ集団により適切なDX化のステップを把握できるため、導入前後のフォローアップも期待する場合は情シスBPOがおすすめです。
さらに情シスBPOでは、企業のセキュリティ対策を請け負う専門家として、最新のセキュリティ情報をもとに継続的な改善・運用に取り組みます。監査等にも対応できるため、BPOによって社内リソースを安定させつつ、万が一のトラブルもスムーズに対応が可能です。「人材不足・コストカットの実現・専門家の高いスキルを即座に活用したい」というニーズが強いとき、情シスBPOが最適解になります。
アウトソーシングが適しているケース
情シスアウトソーシングが適しているのは、次のようなケースです。
- 社内に一定数の情シス担当者がすでに在籍している
- BPOほどの長期コミットは避けて、必要に応じて切り出したい
- 任せたい作業の中身と範囲があらかじめ切り分けられている
社内の担当者はコア業務に注力し、ヘルプデスクやサーバー管理など定常的な業務を外部に任せることで、戦略的な業務に自社リソースを集中できます。「既存の運用体制を維持しつつ、特定の業務の負担だけを軽減したい」という場合は、アウトソーシングが向いています。
代行が適しているケース
情シス代行が適しているのは、次のようなケースです。
- 単発/期間限定の業務委託(PCキッティング、システム入れ替え設定、特定プロジェクト支援など)
- 担当者の病欠・退職などで一時的に手が回らない
- 具体的に「これをやってほしい」というタスクが明確
代行は3つの中でもっとも短期・スポット的な性格を持ち、派遣に近い形で即戦力を確保できます。「特定の作業をピンポイントで請け負ってほしい」という明確なニーズがある場合に向いています。一方で、業務改善や戦略立案まで踏み込んだ支援を期待するなら、情シスBPOやアウトソーシングを選ぶのが現実的です。
なお、情シスBPOとアウトソーシング・代行は競合関係ではなく、補完関係にあります。企業の成長に応じて、アウトソーシング・代行から段階的に情シスBPOへ移行するケースも増えています。
2. 情シスBPOの対象となる業務例

情シスBPOでは、企業の規模や業種に応じてさまざまな業務を代行・サポートを行います。日常業務から戦略支援までを束ねて任せられるのが特徴で、代表的なメニューは以下のとおりです。
- ITプロジェクトのマネジメント支援
- システム運用・インフラ監視
- セキュリティ運用(脆弱性管理・インシデント対応)
- IT資産管理・キッティング
- ヘルプデスク・社内問い合わせ対応
このように、情シスBPOは「ITインフラの管理」から「IT戦略の支援」まで幅広い範囲をカバーできます。近年では、社内の情報システム部門を丸ごと強化する仕組みとして、情シスBPOの需要が高まっています。
2-1. ITプロジェクトのマネジメント支援
システム刷新やインフラ移行といったITプロジェクトでは、要件定義から本番稼働まで多くの工程が並行して走ります。情シスBPOを活用すれば、こうしたプロジェクトの旗振り役として要件整理・スケジュール策定・ベンダー調整・進捗報告までを引き受けてもらえます。
社内に専任のプロジェクトマネージャーがいない場合でも、外部の知見を持つ担当者が舵取りを担うことで、スコープ拡大による工数膨張や納期遅延を未然に防ぎやすくなります。情シス担当者は通常業務を維持したまま、戦略的なIT施策を着実に前進させられるのが大きな利点です。
2-2. システム運用・インフラ監視
ネットワークの安定稼働を維持するため、トラフィック・サーバーの稼働状況・リソース使用状況などをモニタリングします。サーバーのバックアップチェックや定期的なソフトウェアのアップデート・パッチ適用まで、情シスBPOによって一括で実施可能です。
情シス BPOを活用すれば、24時間365日体制の監視や、トラブル発生時の迅速な復旧も実現できます。これらの業務は、システムの正常な動作を確保し、機会損失を最小限に抑えるうえで欠かせません。
2-3. セキュリティ運用(脆弱性管理・インシデント対応)
アンチウィルス、EDR、VPN、クラウドアクセス制御などのセキュリティ運用全般を、情シスBPOで代行できます。メーカーによるサポート期限の情報収集やパッチ対応も行い、理想的なセキュリティ環境の維持を実現します。
サイバー攻撃や情報漏えいといったセキュリティ事故を防止・対応するために、24時間体制のシステム監視や多面的なセキュリティ対策が可能です。経験豊富なプロフェッショナルに業務を任せることで、安全なセキュリティ環境が実現します。
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2-4. IT資産管理・キッティング
PC・スマートフォン・ソフトウェアライセンス・クラウドアカウントの発行・削除など、IT資産の管理を情シスBPOで一括代行できます。人員不足で管理や更新漏れが発生しがちな領域もBPO化でカバー可能です。
新入社員や部署異動で必要になる新しいPCのキッティング・初期設定、退職時の初期化や回収、Microsoft 365やGoogle Workspaceなど複数サービスのID統合・権限管理まで、情シス BPOでまとめて対応できます。
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2-5. ヘルプデスク・社内問い合わせ対応
社内ユーザーからの問い合わせ(PCトラブル・システムやアプリの操作案内・メール設定など)の受付、対応を行います。情シスBPOによる代行化により、作業代行のみの契約よりも応対品質や対応スピードが向上します。
情シス BPOを活用すれば、24時間365日体制の対応や、月間数百件規模の問い合わせにも対応可能です。社内担当者は本来注力すべきDX推進や戦略業務に時間を割けるようになります。
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3. 情シスBPOのメリット・デメリット

情シスBPOを導入すれば、多岐にわたる恩恵を受けられます。一方で、メリットだけでなくデメリットも正しく理解した上で、自社にとって本当に有効な選択肢かを判断する必要があります。ここでは、5つのメリットと3つのデメリット(およびその回避策)を整理します。
5つのメリット
情シスBPOにより得られるメリットは以下の5つです。
- コスト削減
- コア業務への集中
- 業務品質の向上・標準化
- 人材不足の解消
- 最新のIT技術・ノウハウの活用
コスト削減
情シスBPOを導入すれば、さまざまなコストを「変動費化」できます。情シス業務をすべて社内で対応する場合、専門人材の採用費や教育費、そして継続的な人件費といった「固定費」が発生し続けるのも事実です。
情シスBPOでは、必要な業務量や業務範囲に応じてサービスを利用するため、無駄なコストを抑えられます。また、専門業者が持つ効率的な業務運用ノウハウにより、ミスやトラブル対応コストの削減、業務のブラックボックス化といったトラブルを防止しやすいのも魅力です。
コア業務への集中
情シスBPOによって定常業務を外部委託すれば、社内の貴重なリソースを解放し、コア業務に注力できます。
多くの企業で、情報システム部門のIT担当者は煩雑なヘルプデスク対応やPCのキッティング、アカウント管理といった日々のノンコア業務に時間を取られがちです。そのせいで、本来注力すべきIT戦略や改善業務に手が回っていません。
情シスBPOを導入すれば、担当者は「DXの推進」「全社的なIT戦略の策定」といった、企業の競争力を高めるための「コア業務」に集中できるようになります。
業務品質の向上・標準化
優れたノウハウを持つプロがプロセス・運用ドキュメントに基づいて業務に対応するため、標準化されたサポートを実現できるのが魅力です。BPOベンダーには、情シス業務に関する専門知識と豊富な経験を持つプロフェッショナルが在籍しています。
また、個人スキルに依存しない体制を構築でき、特定の担当者しか業務内容を把握していないといった「属人化」の問題も解消できます。さらに、業務品質の安定・向上を図れるだけでなく、監査対応や内部統制にも強くなり、ガバナンスの向上にも寄与します。
人材不足の解消
日本は2030年までに最大で約79万人ものIT人材不足に達すると見込まれています。「専門性の高い人材を確保できない」と頭を悩ませているケースでも、情シスBPOによって人材不足を即時解消できるのが大きなメリットです。
IT人材の採用難が続く中、情シスBPOは「即戦力を外部に確保できる手段」として役立ちます。
加えて、退職リスクを考慮せずに済むのもメリットのひとつ。担当者の退職に伴う業務停止や、引き継ぐ人材の選定も不要になります。専門知識を要する業務を安定的に委託できるため、慢性的なリソース不足を解消できます。
最新のIT技術・ノウハウの活用
BPOベンダーは、複数企業の情シス運用を通じて最新技術や知識を蓄積しています。常に変化するIT環境やセキュリティ脅威に対応しながら、自社単独では獲得できないノウハウも、BPOベンダーを通して自社に取り入れられるのがメリットです。
それにより、今までは対応が後手に回っている利用システム・アプリの更新やパッチの適応、不具合の有無をすぐに確認できるようになります。IT環境を継続的に改善していくうえで、情シスBPOは心強いパートナーだと言えるでしょう。
3つのデメリットと回避策
情シスBPOにはメリットが多い一方で、いくつかリスクや注意点も存在します。導入前にデメリットを把握し、回避策をあわせて講じておくことが重要です。
- 情報漏洩リスク
- 社内ノウハウのブラックボックス化
- コミュニケーションコスト・ベンダー依存
情報漏洩リスク
外部業者に業務を委託する以上、一定の情報共有は避けられません。情報漏洩やセキュリティリスクがゼロではないため、信頼のおける企業か、実績やセキュリティ対策をよくチェックしたうえで情シスBPO先を選定するのがベストです。
契約締結時には、「秘密保持契約(NDA)を結ぶ」「不必要なアクセスを防ぐためにアクセス権限を最小権限で設定する」「アクセスログを監視・保存する」など徹底する必要があります。
また、PマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO27001認証の取得状況など、セキュリティ対策体制を厳格にチェックし、信頼できるパートナーを選ぶことが不可欠です。定期的なセキュリティ監査の実施で、組織的な防壁を築くことが求められます。
社内ノウハウのブラックボックス化
情シスBPOは業務プロセスを外部へ完全委託するため、ベンダーに任せきりになると社内担当者がスキルを習得できず、ノウハウが残らない「ブラックボックス化」のリスクがあります。BPOは有効な手段ですが、すべてを丸投げするのではなく、委託先と連携しながら知見を共有する仕組みを整えることが大切です。
ブラックボックス化を防ぐためには、次のような回避策が有効です。
- 定期的な報告会の実施:月次または四半期で運用状況・検知事例・対応内容を共有する
- 運用マニュアル・構成図の常時更新:BPOベンダーとの契約で「ドキュメント整備と更新」を義務付ける
- 社内担当者の意思決定プロセスへの参加:進捗会議やレビューに必ず参加し、重要事項のコントロール権を維持する
- 将来の内製化を見据えた知識の定義:社内に残すべき知識・スキルを事前に決めておく
コミュニケーションコスト・ベンダー依存
社内の担当者同士であれば迅速に解決できた問題も、外部委託先との連携では、意図が正確に伝わらなかったり、意思決定に時間がかかったりする場合があります。特に、委託範囲が広いと、情報共有や意思決定のスピード遅れが懸念されます。
また、特定のベンダーに業務を深く依存しすぎると、将来的なリプレイスや内製化への切り替えが困難になる「ベンダーロックイン」も発生し得ます。サービスの質が低下したり、コストが増大したりしても、容易に契約を解除できない状況に陥りかねません。
これらのリスクを防ぐには、次のような対策が有効です。
- SLA(サービス品質保証)の明確化:客観的な評価指標でパフォーマンスを定期的に監視する
- 定例ミーティング・チャットツールの活用:日常的な連携ルールや業務範囲を明確化する
- データの所有権・引継条件を契約書に明記:将来の契約終了を見据えた設計にする
- 汎用的なプラットフォーム・標準技術を活用:特定の独自技術への依存を抑える
4. 情シスBPOの費用相場と課金方式

情シスBPOの導入を検討する際に必ず気になるのが「いくらかかるのか」という費用面です。情シスBPOの月額費用は、委託する業務範囲や課金方式、業務量によって大きく変動します。ここでは、業務区分別の費用相場、3つの課金方式、コストを左右する要素を整理します。
4-1. 業務区分別の費用相場
情シスBPOの費用は、依頼する業務範囲によって大きく変わります。一般的な費用相場をカテゴリ別にまとめると、次のようになります。
| 業務区分 | 主な業務内容 | 月額費用の目安 |
|---|---|---|
| スポット支援 | PCキッティング、単発トラブル対応、マニュアル作成 | 3万〜15万円 |
| 運用代行 | ヘルプデスク、アカウント管理、資産管理 | 20万〜50万円 |
| 運用+管理 | ネットワーク・サーバー運用、セキュリティ監視、ベンダー管理 | 50万〜80万円 |
| 戦略支援 | IT戦略策定、DX推進、CIO代行、ITガバナンス構築 | 80万〜150万円 |
スポット支援や運用代行レベルなら月数万円〜数十万円で導入できますが、戦略支援まで含めると月100万円を超えるケースもあります。「何を、どこまで、どんな品質で任せたいか」によって妥当な費用感は大きく変わるため、自社の課題を整理したうえでベンダーに見積もりを取るのが基本です。
4-2. 課金方式の3パターン
情シスBPOの課金方式は、主に以下の3つのパターンに分けられます。
- 月額固定制:毎月一定の費用を支払う方式。コストが読みやすく予算管理しやすい
- 従量課金制:実働工数や対応件数に応じて費用が決まる方式。閑散期はコストを抑えられる反面、繁忙期は想定外のコスト増のリスクあり
- ハイブリッド型:基本料金を固定とし、超過分を従量課金とする方式。安定性と柔軟性のバランスがとれる
自社の業務量の波や予算管理スタイルに合わせて、最適な課金方式を選択することが重要です。一般的には、業務量が比較的安定している場合は月額固定制、波が大きい場合はハイブリッド型が向いています。
4-3. コストを左右する5つの要素
同じ業務区分でも、以下の要素によって実際の見積もり額は変動します。
- 対象となる従業員数・デバイス台数:規模が大きいほどコストは上がる
- 対応を求める時間帯:24時間365日対応か、平日日中のみかでコストが変わる
- サービスの品質保証(SLA)の基準値:応答時間・解決時間の保証レベルが高いほどコストは上がる
- 訪問対応の頻度と移動距離:オンサイト訪問が多いほどコストは上がる
- 既存システムの複雑性・セキュリティ水準:レガシー環境や高セキュリティ要件はコストを押し上げる
現状の管理対象数や課題が明確でないケースは珍しくありません。課題が見えていない場合は、「何から着手すべきか」をBPOベンダーへ相談し、自社に最適なプランを設計していくのが確実です。
5. 情シスBPOの導入成功事例
ここでは、お客様の94%がコストダウンに成功した、解決率97%の知識・ノウハウで多くのお客様にご利用いただいている「トータルITヘルパー」より、情シスBPOの導入成功事例をご紹介します。
5-1. 導入事例1:従業員2000名規模のお客様
〈困りごと〉
- ヘルプデスク対応に担当者が追われている
- 社員が多く全体の業務サポートが難しい
- 全社的なシステム変更があるとパンクしてしまう
- 旧システムを利用し続ける社員の認識とフォローが遅れる
トータルITヘルパーのBPOサービスで実現できたこと
- 契約後は社内のヘルプデスク業務すべてをアウトソーシング化
- PCのポリシー変更や導入サポートもすべてトータルでカバー
- システム変更の問い合わせ殺到も漏らさずスムーズに対応
- 取りこぼしを防いで業務の円滑な進行をサポート
5-2. 導入事例2:従業員150名規模のお客様
〈困りごと〉
- 社内の使用アプリが多く管理漏れがある
- IT担当者が関与していないシステムもあり管理過多状態
- 社内セキュリティが気になるものの手が回らない
トータルITヘルパーのBPOサービスで実現できたこと
- すべての導入アプリ/有料サービスをピックアップしてほぼ管理し、セキュリティのチェックを実現
- ヘルプデスクのアウトソーシングで管理負担を大幅に削減
- 勤怠管理や稟議経路等の専門的なシステム設定も、お客様の支援と共に希望の反映を実現
5-3. 導入事例3:従業員70名規模のお客様
〈困りごと〉
- 情シス担当者が不在/兼任で人手が足りていない
- 社員の入退社に伴うキッティングや初期化作業の時間が足らない
- アクセス権限やデバイス管理の徹底が実現できていない
トータルITヘルパーのBPOサービスで実現できたこと
- アカウント改廃/キッティング作業/退職者PCの初期化等をすべてアウトソーシング
- 入退社に伴う作業負担の大幅な削減を実現
- デバイス管理用ソフトの導入/手配でセキュリティ環境の整備
- 訪問&リモートサービスにて、円滑な業務進行を支援
6. 情シスBPOを成功させる選び方・ポイント

情シスBPOの導入効果を最大化するには、次の4つのポイントを意識することが重要です。
- 委託範囲と目標を明確にする
- セキュリティ対策・実績を確認する
- ベンダーとの連携を密にする
- 効果測定の指標を事前に決めておく
6-1. 委託範囲と目標を明確にする
情シスBPOの導入前に、「導入によって何を達成したいのか」という目的を明確にすることが大切です。単に「人手が足りないから」という理由だけで導入を進めると、期待した効果が得られないばかりか、かえってコストが増大する恐れもあります。
「コストを現状から15%削減する」「ノンコア業務の工数を月間80時間削減し、その時間をIT戦略策定に充てる」といった具体的な目標を設定しましょう。
また、「何を外部に任せ、何を社内に残すのか」という業務の切り分けも行います。BPOの委託範囲が曖昧だと、運用開始後に「この業務はどちらが担当するのか」といった認識のズレが生じ、責任の所在が不明確になるリスクを招く場合も。
ノンコア業務を適切に外部委託してコスト効率を高めつつ、社内リソースをコア業務に集中させて品質向上を図る理想的な活用方法のためには、事前の緻密な切り分けと目標設定が求められます。
6-2. セキュリティ対策・実績を確認する
情シスBPOでは機密性の高いシステム権限や情報資産を外部に共有することになるため、ベンダーのセキュリティ対策・認証取得状況・実績を慎重に確認する必要があります。
具体的には、以下のポイントをチェックしましょう。
- セキュリティ認証の取得状況:プライバシーマーク、ISMS(ISO 27001)など
- データ保護方針・運用体制:アクセス制御、暗号化、ログ監視の実施状況
- 過去の導入実績・事例:同業種や同規模の企業の事例があるか
- サポート体制:24時間365日対応の有無、緊急時の対応フロー
自社と近い業種や企業規模での実績が豊富であれば、自社特有の課題を理解したスムーズな対応が期待できます。公式サイトや資料に掲載された事例を参考に、信頼できるパートナーを選定しましょう。
6-3. ベンダーとの連携を密にする
情シスBPOは単なる業務の外注委託ではなく、自社のIT戦略を共に推進する「パートナー」です。そのため、信頼できるベンダーかどうかをしっかりと選定したうえで、連携力を高める必要があります。
SLA(サービス品質保証)の合意はもちろん、平常時の対応時間・長期休暇期間中のサポート体制・各業務の受付窓口・依頼時の連絡手段(メール、電話、チャットツールなど)といった実務的なルールを詳細にわたって明確化しておきましょう。
そうすれば、社内共有時に社員も迷わずに情シスBPOへ問い合わせを行えるようになります。
さらに重要なのは、契約後の継続的なコミュニケーションです。定期的なミーティングを通じて、運用状況の報告を受けるだけでなく、発生した課題やその解決策を積極的に共有・相談する仕組みを構築しましょう。両者が同じ目的意識を持って改善に取り組める環境を整えることが、情シスBPOの効果を最大化させます。
6-4. 効果測定の指標を事前に決めておく
情シスBPOの導入が「成功した」と判断するためには、客観的な基準が必要です。そのため、「何を達成したら成功とみなすか」という効果測定の指標(KPI)を、必ず導入前に設定しておきましょう。
効果測定の定量的な指標として挙げられやすい目安は以下のとおりです。
- ヘルプデスクの一次対応完了率
- インシデント(障害)の発生件数と解決時間
- サーバー稼働率
- 削減できたコスト
また、上記に加えて「社員の満足度アンケート」など、定性的な指標も情シスBPOでは大切です。
数値化できる指標を設定し、定期的に成果を確認することで契約の有効性を判断しやすくなるだけでなく、改善点も明確になります。BPOの品質を維持・改善し続けるためにも、明確な指標とPDCAサイクルを回していく取り組みが重要です。
7. まとめ:情シスBPOで未来のIT戦略を支えるパートナーを見つけよう
情シスBPOは、単なる業務代行サービスではなく自社リソースを最大に生かし、DXを加速させるための戦略的な選択肢です。人材不足・コストの最適化・DX推進というような課題を同時に解決できるため、導入を進める企業は現在も増加しています。
そして、今後もますます情シスBPOを導入する企業数は加速すると予想されます。しかし、自社に最適な情シス BPO先を選ぶには、業務範囲・課題・目的を明確にし、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。
もし、「情シスの人手が足りない」「セキュリティ対策が不安」「BPOによりプロフェッショナルの人材でリソースを埋めたい」とお考えの場合は、この機会にトータルITヘルパーの導入をご検討ください。
当社では、ITの運用の標準化からセキュリティ対策、ヘルプデスク代行など、企業規模や課題、コストに応じたBPOサービスを提供しています。
グループ1200名を超える、IT総合商社の基盤がもたらす幅広い対応可能範囲や、100万件以上の対応で培った解決力に特化したノウハウがトータルITヘルパーの特長です。
お電話やチャットにて解決が難しい問い合わせ内容にも、訪問・有人による対応で確かなサポートを実現いたします。
情シスBPOサービスをご検討の際に、まずは「トータルITヘルパー」までお気軽にご相談ください。貴社の“もう一つの情シス部門”として、最適な解決方法をご提案いたします。

