一口に情シスといっても、企業の規模や業種、その会社の方針によって業務内容が大きく異なります。開発系の業務が中心の場合もあれば、インフラ系の業務が中心のことも。
非常に業務範囲が広い情シスだけに、求められるスキルも多様になっています。
今後のスキルアップやこれから情シスを目指す方のなかには、保有スキルについて不安な方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、情シスに求められるスキルを一覧でご紹介。さらに、情シス担当者として働く方のスキルアップの方法についても詳しく解説します。
目次
1. 情シスの業務範囲は非常に広い
情シスとは、社内組織の情報インフラを最適化する業務を指し、主に企業の情報システム部に所属し業務を行います。組織全体が円満な業務が行えるようにサポートする仕事です。
具体的には、目的通りにシステムが機能するように社内システムを構築し、安定稼働のために日々の管理を行っていきます。また、何かしらの障害が起こった場合に、早急に原因を突き止め復旧することも情シスの仕事です。
情シスのメインとなる業務はシステムの構築・保守・運用ですが、実際にはさらに多くの業務を行っています。
情シスの手がける業務は幅広いのですが、ここでは大きく4つに分けて説明していきます。
1-1. IT戦略とシステム企画
経営にかかわるIT部門の戦略の企画やそれにともなう従来のシステムの改革や改善を行います。
作業環境とシステム利用状況を踏まえ、営業戦略に基づいてシステム全体の企画、構築をすることが情シスにとって最重要といえる業務になるでしょう。
安定的に運用しつつ、使いやすいシステムにするなど、ブラッシュアップを重ねていく必要があるため、各顧客へのヒアリング能力も重要視されます。
1-2. 情報システムの構築・運用・保守
ユーザーの要望に携わるシステムの業務で使う基幹システムやグループウェア、在庫管理や見積書など企業のニーズに合わせてシステムの再構築・改善を行います。
基幹システムは企業において企業が業務を行ううえで欠かすことのできないシステムです。このシステムの運用や保守業務まで情シスが携わります。
運用、保守によってシステムを安定稼働させ、企業の業務活動を下支えする役割を担っています。
1-3. インフラの構築・運用・保守
自社サーバーやネットワークの構築・運用・保守を行いつつ、セキュリティー対策やデータ保全を実施することで万が一の事態に備えます。また新技術、製品の導入検討や評価を行って、常に社内環境のサービス向上に努める役割です。
1-4. ITサポートヘルプデスク(サービスデスク)
ヘルプデスク・サービスデスク業務とは、日常的におこるPC関連のトラブルのサポート業務です。
ハードやソフトの不具合、操作性の改善要望などITに関するあらゆる問い合わせ、新規ソフトのツール導入時のセットアップ業務を手広く対応します。場合によってはマニュアルを作り、業務の効率化を図ることもあります。
2. 情シスに求められるスキルとは
業務内容が広く、幅広い業務をこなす情シスですが、PCやIT関連基礎知識や経験の他に必要なスキルをご紹介します。
社内システムを運用していくうえで欠かせない存在である情シスには、どのようなスキルが必要とされるのでしょうか。
大きく4つに分けてお伝えしていこうと思います。
【情シスに求められるスキル】
- マネジメント力
- コミュニケーション力
- ヒアリング力
- プレゼンテーション力
2-1. マネジメント力
基本的にはアウトソースでシステムを開発するため必要なのは、ベンダーをマネジメントする力です。
提案依頼書を出し、案件定義をし、工程管理を行い、企業の目的に沿った開発が行われているかを逐次確認し、利用現場と開発現場の両サイドを行き来しながらプロジェクトをマネジメントする力が必要です。
さらなる上を目指し、よりいい結果を出し続けること事るように、ありとあらゆることを実施すること、その結果に責任を持つことが重要です。
2-2. コミュニケーション力
情シスはPC知識だけでなくコミュニケーション力も重要です。
顧客が求めていることを汲み取り最適なサービスを提示したりトラブルを解決に導いたりするためには、顧客との関係性を計りながら、常にヒアリングなどを通して情報収集を行うことが必要です。
顧客がすべてPC・IT専門用語に長けているわけではありません。IT用語だと伝わらない可能性もあるので、専門用語をかみ砕いて分かりやすく説明する力も必要となります。
顧客との意志疎通ができなければシステムをよりよくしていくことは不可能です。そのため、情シスとして活躍していくためにはコミュニケーション力は必要不可欠といえるでしょう。
2-3. ヒアリング力
顧客の抱えている問題点や課題を明確にし、顧客のニーズに合ったITシステムを実現するためには、顧客へのヒアリングはとても重要です。
ヒアリングで十充分な情報が得られなかったり、表面化していない真意に近づけなかったりすると、求められているITシステムの実現化やトラブル解決は難しいでしょう。
的確なヒアリングができると、顧客の隠されていた課題やニーズを見つけることができるほか、開発工程や導入後の運用、現状の状況も踏まえたうえで計画ができるため、より良いシステムが完成します。
ヒアリング力が高まれば、顧客の信頼感をも醸成していくことも可能です。
2-4.プレゼンテーション力
情シスは、システムを利用する社員・顧客一人ひとりの知識レベルや状況、要望によって対応を考えなければなりません。
そのため、情シスはコミュニケーション力、ヒアリング力を駆使しながら対応していきますが、それを理解して受け入れてもらうためにはプレゼンテーション力も求められます。特に顧客対応では、曖昧さを残さない、理論上で納得感を得られる説明ができるかがプレゼンテーションのカギとなります。
顧客の問題点などが見つかり、解決策を提案したとしても、顧客に改善点をうまく伝えられなければ導入は難しいでしょう。
提案の優位性をいかに顧客に理解、納得、共感してもらうかが重要になってきます。
3. 情シスに求められるPCおよびIT関連知識とは
情シスの業務内容は非常に多く、明確なスキルセットを提言することは難しいといえます。
基幹システムを自社開発しているのであれば、プログラム開発やデータベース、サーバーの知識が必要になります。 またIT機器やソフトウェアに関する問い合わせは情シスに寄せられるため、こうした質問に答えるためにはシステムに限らず、ソフトウェアやツールなどITに関するすべてを知っておく必要があります。
このような状況を踏まえると、情シス担当者に必要とされる知識には主に以下の5つがあげられます。
【情シスに必要とされるPCおよびIT関連知識】
- PCハードウェアについての知識
- OSやネットワーク関連の知識
- アプリケーションの知識
- コマンドの知識
- システム構築プログラミング言語の知識
3-1. PCハードウェアについての知識
PCを確認する以上必須となるのがPCの知識になります。
CPU、HDDやSSDといったストレージ、グラフィックスボード、メモリー等々、PCを構成するパーツがどのような役割を持っているのか、それぞれにどのような規格があるのかなど基本的なPCの知識は必要です。
PCを構成するハードウェアが故障をしてしまうと、PCが起動しなくなったり、データの保存がうまくできなかったり、再起動が急にかかったりと予期せぬ動きがでてしまう場合があります。
起動時の不具合はマザーボードの故障によって引き起こされるケースなどもあります。ハードウェアに起因するトラブルに遭遇したときに、原因追及ができるように、ある程度の知識は身につけておきましょう。
3-2. OSやネットワーク関連の知識
ハードウェアと並んで必要となるのがOSやネットワークの知識になります。
OSとはコンピュータが動くための基盤となるシステムで、OSの上でアプリケーションは動作します。OSの仕組みを知ることはコンピュータの仕組みを知ること事でもあり、とても重要なものになります。
OSにはさまざまな種類が存在し、使うOSによってプログラムも変わってきます。さまざまなOSについて理解し習得することで、より広い開発を行えるようになるのは大きなメリットです。
他のコンピュータとやり取りをするネットワーク通信にもOSが使われています。
ネットワーク通信にはプロトコルが決められており、最も一般的なのは「TCP/IP」と呼ばれる通信です。TCP/IP通信のコンピュータ間でのやりとりは、相手のソケットに向けてデータを送りあうことで行われます。このようなソケットの管理やデータの送受信を行うのもOSの役割です。
またWEBサイトを閲覧する際にもネットワーク通信が行われています。この際には、「HTTPS」と呼ばれる通信プロトコルが一般的です。HTTPS通信を利用したWEBサーバーとのやりとりもOSが行っています。
OSの知識は幅広くITの分野で活かせるため、知識はつけておいた方がいいでしょう。
さらに、インターネットにつながらない、共有フォルダが突然見られなくなってしまった、メールが急に送れないなどのトラブルに遭遇することも多いと思います。そんなとき、原因を突き止めて解決するために、ネットワークの知識は必須となります。
3-3. アプリケーションの知識
PCを使用する際、多くの顧客でMicrosoft Officeが使用されているでしょう。特にExcel、Word、Outlookは使用頻度の高いアプリケーションになるかと思います。そのため、ヘルプデスク業務を担当する情シスにもMicrosoft officeに関わる多くの質問が寄せられています。
Officeが開かなくなった、共有フォルダのExcelファイルがを開いたらうまく開かなかった、ダウンロードしたファイルが編集できない、Outlookに赤い罰点がついているなど、顧客や社員からはさまざまな問い合わせがくることが想定されます。
問い合わせをいただいた限り対応することも、情シスの大事な役目になります。
スムーズな問い合わせ対応をするために、業務で使う一般的なアプリケーションの知識は必要となるでしょう。
3-4. コマンドの知識
上記のネットワーク知識とも絡んできますが、情シスを担当するうえで、pingやipconfig、Tracertといったよく使用されるコマンドは覚えておいたほうがよいです。
1台のみサーバーに接続できない、カメラが1台だけ映らない、1台だけインターネットに接続できないなどのお問い合わせの際、どこまで通信がとれているのかなど簡単に確認が取れるのがコマンドになります。
こちらは問い合わせ対応だけでなく、サーバー管理やPC設定、パッチ処理などにも役立ちます。
3-5. システム構築プログラミング言語の知識
システム構築とは、通信機器などの電子機器を制御するためのさまざまなシステム開発を行ったり、各種企業の業務の仕組みをシステム化したりすることを指します。
企業の要望を受けてプログラムの企画・設計をおこなう行う作業は、プログラミングの知識がないとできません。プログラマーほど使いこなせずとも、プログラミング言語の基礎的な知識は必要となってきます。
ソフトウェア開発で使用されているJavaScriptは、Webページやゲーム開発などの用途に向いているプログラミング言語になります。ほとんどのOSで動作し、Webシステムやアプリ開発、組み込み系システムなど幅広い領域で活用されているのがJavaです。
このようなプログラム言語は抑えておいたほうがよいでしょう。
またSQLはデータベースを操作するための言語です。データベースにデータを挿入したり、検索したりする際に利用します。
データベースのなかには、数万・数百万件ものデータが保存されていますが、SQLを使うことで効率的に操作をすることが可能です。
こちらも使用されることが多いため、抑えておいたほうがいいかと思います。
4. 情シスのスキルアップの方法について
情シスは社員や顧客、企業の上層部とのやりとりを通じ、業務の円滑化を図っていかなければなりません。そのため、情シス担当者が社交性をもっていれば、仕事はより円満に進みます。しかし、スキルアップを目指すのであれば、ただ業務をこなしていくだけでは足りないといえます。
情シスは自社内で仕事が完結してしまうため、考え方や行動が窮屈になりがちです。そのため、外部のコミュニティに参加をしたり、SNSなどを活用し、他社の情シスとつながったりと人脈を広げるのもひとつの手段です。
積極的に外部の人と接して交流を広げましょう。情シスとして働きながらスキルアップするためには、今まで以上にコミュニケーションと人脈を広げることに重点を置くことです。
また、情シスで扱う技術は日々進化が進んでおり、次から次へと新しい技術や製品、サービスが登場しています。そのため、展示会や外部のセミナーに参加するなどし、情報収集にも力を入れていく必要があります。
5. 情シスに向いている人の特徴とは
情シスというのは社内のITに関する業務を一挙に担う部署です。そのため、多くの場合、「ITに対しての深い専門知識を持っている人」が向いているといえるでしょう。
また日々新しい技術や製品、サービスが登場したり新しい機能が発表されたりするため、「常に最新の情報を取得しアンテナを張り学び続ける力がある人」も向いています。
さらに、情シスとして仕事をすることで幅広い技術やスキルを身につけていくことができるため、「スキルアップを目指す向上心のある人」も向いています。
それ以外にも、業務を効率化することが好きな人や、新たな発想で社内のシステムをよりよくしていきたいと思っている人も向いています。
プログラミングなどの技術業務だけでなく、社内ユーザーから要望や改善点などを聞きだし、それらを実現するためにさまざまな部署や人間関係の調整を図りながら仕事を進めることが求められるため、コミュニケーション力がある人も向いているでしょう。
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ITに対しての深い専門知識を持っている人
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常に最新の情報を取得しアンテナを張り学び続ける力がある人
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スキルアップを目指す向上心のある人
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業務を効率化することが好きな人
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新たな発想で社内のシステムをよりよくしていきたいと思っている人
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コミュニケーション力がある人
6. 情シスの人材不足解消に「トータルITヘルパーの情シス代行サービス」
社内に幅広いスキルを保有した情シス社員が在籍していればよいですが、必ずしもそういった状況ではありません。また、ひとり情シスやゼロ情シスが叫ばれるいま、限られた人材へ多くの業務負担を強いるのは、かえって業務効率が悪化します。
このような背景から、例えばインフラの運用のみアウトソーシングに委託するなど、スポット的に情シス代行サービスを利用することで、情シス部の負担を軽減できます。
情シス代行サービスとは、企業の情報システム部の業務をサポートもしくは、丸ごと引継ぎするアウトソーシングサービスです(情シス業務の外注・外部委託)。
弊社トータルITヘルパーの情シス代行サービスでは、高度な専門知識を有した専任スタッフが、貴社の情報システム部のさまざまな業務を代行・サポートいたします。
以下に、トータルITヘルパーの情シス代行サービスでできることをご紹介します。
6-1. 情シス業務を丸ごと引継ぎ
トータルITヘルパーでは、企業の情報システム部の業務の丸ごと引継ぎが可能です。
貴社情報システム部へのアドバイスやサポートから、ネットワーク構築・サーバー運用・キッティング等さざまなお困りごとにお応えします。
ITスキルの充実したスタッフが、お客さまの課題解決に尽力し情報システム部業務のアウトソーシングを強力にバックアップします。
6-2. システム構築もお任せ
テレワーク時代に適合した貴社サーバー環境の構築・保守を実施します。
担当者の退社、保守ベンダーと連絡がつ付かない場合も、貴社システムの保守・運営の相談も可能です。
6-3. IT機器のトラブル解決
過去100万件の事例解決による、幅広い分野における圧倒的なノウハウを持ち合わせています。
ネットワーク・サーバー・複合機・ビジネスフォンなど、グループ全体でさまざまな機器を取り扱っており、新情報やノウハウの共有をグループ企業間で密に行い、幅広い対応可能範囲を実現しています。
6-4. 167人の専門人材がサポート
高度な専門知識を得るため、研修を受けテストに合格した167人のプロフェッショナルチームが、お客さまの課題を迅速に解決します。
各部門に分かれており、部門ごとに特化した担当から折り返し問題解決します。
場合によってはリモートをつながせていただき、画面を確認しながら対応いたします。すべての問い合わせに対し30分以内の解決を心掛けております。
日本各地の支店やグループ企業との連携をとり、お電話だけでは解決できない事例の訪問対応、保守などでの定期訪問対応も可能です。
6-5. PC1台3,000円と安心の料金設定
情シス代行サービスを利用した企業の94%が業務効率化とコストダウンに成功しました。
情報システム部に専任スタッフを雇用する場合、給与・教育コスト・販管費及び一般管理費など高額な費用が発生しますが、私たちにお任せいただければ、低価格かつ高品質なサービスを提供いたします。
さまざまな業務に追われ、多くの必要スキルが求められる情シスでは、人材不足が大きな問題となっています。情シス管理に問題を抱える企業は、人材不足の解決策として情シス業務のアウトソーシング(外注・外部委託)をぜひ検討すべきです。
現在、ひとり情シス・ゼロ情シスの体制でお困りの方、期待する能力を持つ情シス人材が見つからない状況の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度「トータルITヘルパー」までご相談ください。