昨今の社会において、パソコンやサーバーをはじめとしたIT資産は、企業にとって欠かせない存在となっています。しかし、事業の基盤としてさまざまなツール・システム・デバイスが増えたからこそ、IT資産管理が複雑になっているのも事実です。
その結果、「IT資産管理が大変だ」「IT資産の管理を効率化するツールはないの?」と頭を悩ませる担当者も多くなっています。
そこで今回は、「IT資産管理とは一体なに?」と気になっている方へ向けて、IT資産管理とはなにか、必要性から資産管理ツールの選び方まで解説します。
目次
1.IT資産管理とは
IT資産管理とは、企業や組織が所有するIT関連資産(ハードウェア・ソフトウェア・ライセンスなど)の所有状況を把握して、適切に管理・運用する取り組みを指します。
IT資産管理は、効率的な運用によって「コストを削減する」「セキュリティリスクを低減する」「IT資産のライフサイクルを最適化する」を実現するために取り組むのが一般的です。
多くの企業では資産管理台帳などを用いて、IT資産の現状を可視化・把握しています。ここでは、具体的にIT資産管理の対象となる存在についてそれぞれ解説します。
1-1.IT資産管理対象となるハードウェア
IT資産管理におけるハードウェアとは、業務で使用しているパソコン(PC)やスマートフォン、タブレットをはじめとする、事業運営に欠かせない物理的なIT機器全般を指します。
ディスプレイやキーボードなど、さまざまな機器を総称してハードウェアと呼ばれます。各端末を適切に管理するため、多くの企業では型番や製造番号、リース契約に関する情報などをIT資産管理台帳に記録して一元的に管理しているのが一般的です。
IT資産管理において、対象となる主なハードウェアは以下の通りです。
- ・パソコン(デスクトップ、ノートブック)
- ・スマートフォン、タブレット端末
- ・サーバー機器
- ・ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、ハブなど)
- ・プリンター、複合機
- ・USBメモリ、外付けハードディスクなどの外部記憶媒体
- ・IoT機器
- ・デジタルカメラ、ビデオカメラ
- ・社内Wi-FiやLAN設備
- ・記録媒体(CD/DVDなど)
社内で扱われるIT機器の多くはIT資産管理の対象であり、主に情シスが管理・担当しています。
IT資産管理の対象となるハードウェアを管理できていないと、誰がどのデバイスを利用しているかわからず、不要なスマートフォンを追加で購入してしまったり、利用していない機器のリース契約を更新し続けてしまったりするリスクがあります。
1-2.IT資産管理対象となるソフトウェア
IT資産管理におけるソフトウェアとは、ハードウェアにインストールされているシステム・アプリケーションを指します。簡単にいうと、PCの中に当たり前に入っているWindowsやMacBookのmacOSもソフトウェア(OS)のひとつです。
ソフトウェアのバージョン情報や保有しているライセンス情報、どのハードウェアにインストールされているかといった状況を正確に記録・管理します。
IT資産管理において、対象となる主なソフトウェアは以下の通りです。
- ・オペレーティングシステム(Windows、macOS、Linuxなど)
- ・業務用アプリケーション(例:Microsoft Office、Adobeなど)
- ・セキュリティソフトウェア
- ・特定業務向けの専門的なソフトウェア(CAD、デザインソフトなど)
- ・会計ソフト(弥生会計、Freee会計、マネーフォワードなど)
- ・介護用ソフト(まもる君クラウド、ケア樹、カナミックの介護ソフト、Rehab Cloudなど)
ソフトウェアはバージョンアップやパッチ適用などが頻繁に行われ、状況が目まぐるしく変化します。なかには、WindowsなどのOSがバージョンアップしたことで、今まで使えていたアプリが急に使えなくなるケースも珍しくありません。
そのため、ハードウェアごとにインストールされているソフトウェアを詳細に管理し、業務がストップしてしまうようなトラブルを事前に防止する必要があります。
1-3.IT資産管理対象となるライセンス
IT資産管理におけるライセンスとは、各種ソフトウェアを利用する使用権のことです。ソフトウェアなどを利用する際は、そのソフトウェアがインストールされるハードウェアごとに適切なライセンスを適用する必要があります。
特に近年はSaaS(Software as a Service)などのサブスクリプション利用も多くなっており、ライセンス管理の重要性が増加傾向にあります。
IT資産管理において、対象となる主なライセンス情報は以下の通りです。
- ・各ソフトウェアライセンスの保有数と、実際に使用されている数
- ・ライセンスごとの使用許諾条件(例:商用利用の可否、教育機関限定ライセンスなど)
ライセンスのIT資産管理が行えていないと、利用していないソフトウェアのライセンスを更新・確保し続けてしまい、不要なコストが継続的に発生してしまいます。
逆に、利用者に比べてライセンスの確保数が不足していると、契約の規約違反となってしまい、企業として大きなトラブル事例に発展してしまうリスクも。事業の安定的な運営のためには、日々活用しているソフトウェアのライセンスを適切に管理する取り組みが重要です。
2. IT資産管理を行う必要性
IT資産管理を行う必要性には、コスト削減やセキュリティ強化、コンプライアンス遵守などさまざまな効果が挙げられます。IT資産を正確に把握して、適切に管理すれば、企業の情報漏洩のリスクや不正利用を防止して無駄なIT投資を抑えられます。
業務を効率化して企業としてのリソースを最適化するためにも、IT資産管理は重要です。いわば、企業の戦略的取り組みを支える基盤とも言えます。
ここでは、IT資産管理を行う必要性についてそれぞれ解説します。
- ・コスト削減を実現しやすい
- ・セキュリティを強化できる
- ・コンプライアンス遵守に貢献
- ・業務効率化を実現
- ・経営戦略へ貢献しやすい
2-1.コスト削減を実現しやすい
IT資産を正確に把握すれば、不要なハードウェアやソフトウェアの購入を防げるのは大きなメリットです。新入社員の入社などのタイミングで、不要なハードウェアの購入や使われていないソフトウェアのライセンス契約更新を防げます。
「退職者が出たらすぐに解約」するのではなく、その分を新入社員などに割り当てるケースもあります。IT資産管理が適切でないと、こういったタイミングで不要なライセンス契約が発生するのも珍しくありません。
そこで適切なIT資産管理を行えば、ライセンスの可視化によって、過剰にライセンスを購入してしまうコストや、未使用ライセンスに支払い続ける無駄な費用を削減できます。
2-2.セキュリティを強化できる
IT資産管理によって各ハードウェア等の状況を把握すれば、不正利用や脆弱性のあるデバイスを特定して、迅速に対応できるようになります。近年、個人情報流出などのニュースをよく耳にしますが、これらもセキュリティの脆弱性が要因のひとつです。
特に、パソコンのOSアップデートやセキュリティ管理を従業員に任せきりにしていると、後々大きなトラブルを招いてしまう事例も。企業としての信頼性にも大きく関わるため、IT資産管理を通してセキュリティを強化する取り組みは重要です。
ソフォス株式会社の年次調査レポート「ランサムウェアの現状 2024年版」によると、実に半数以上の企業がランサムウェアの攻撃にさらされています。ランサムウェア攻撃の根本原因上位は主に「脆弱性の悪用(32%)」「認証情報の侵害(29%)」「悪意のあるメール(23%)」が要因です。
特に、脆弱性の悪用や認証情報の侵害は、IT資産管理によってある程度防ぐ効果が期待できます。
ソフトウェアやOSのバージョン、セキュリティパッチの適用状況を一元管理して、常に最新状態を維持することで、情報漏洩やマルウェア感染リスクを軽減するものIT資産管理のひとつです。
2-3.コンプライアンス遵守に貢献
コンプライアンス遵守は、企業の信用を守り、安定的な成長を続けるために欠かせない要素です。
IT資産管理を行えばソフトウェアのライセンス契約条件や、関連する法規制の遵守が容易になります。ライセンス違反による不正利用が発覚した場合、企業は法的な責任を問われる可能性がありますが、適切なIT資産管理によってさまざまなリスクを回避できます。
2-4.業務効率化を実現
IT資産の利用状況を可視化すれば、「資産の過不足や偏りがないか」などを把握できます。その結果、より効率的な運用計画を立てて業務効率化に必要なリソース分を最適化することが可能です。
また、従来手作業で行っていた資産の棚卸しや情報更新といった管理プロセスをツールなどを用いて効率化すれば、担当者の作業負担を軽減し、より重要な業務に集中できるようになります。
なお、業務効率化では情シス代行サービスを利用するのもポイントです。IT資産管理はもちろん、情シスとしてヘルプデスク業務も担当できるなど、社内のリソースをコア業務に注力するためのサポートを実現できます。
トータルITヘルパーでは、IT資産管理はもちろん、情シス代行サービスも実施しております。業務のアウトソーシングにご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2-5.経営戦略へ貢献しやすい
資産利用状況を可視化すれば、経営戦略と一致したIT投資計画を立案できます。効率的なIT運用によってコスト削減と業務効率化を実現し、企業としての市場競争力を高められるのが魅力です。
IT資産管理は、IT資産管理は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やテレワーク環境の整備といった、現代企業における戦略的な取り組みを支える重要な基盤であると言えるでしょう。
3.IT資産管理ツールとは?主な機能を解説
IT資産管理ツールとは、企業が保有するハードウェア・ソフトウェア・ライセンス・クラウドサービスなどのIT資産を、効率的に管理するためのソフトウェアです。
専用ツールには、IT資産管理にまつわるさまざまな業務を効率化するために、豊富な機能を取り揃えています。
IT資産管理ツールで利用できる代表的な機能は以下の通りです。
- ・台帳管理:社内で使用しているハードウェアやソフトウェアを一元的に登録・管理します。
- ・インベントリ収集:各端末の構成情報(メモリ容量、ストレージ空き容量、IPアドレスなど)を自動で取得します。
- ・統合運用管理:パソコン、サーバー、ネットワーク機器などの状態や構成情報を統合して管理します。
- ・ライセンス管理:ソフトウェアのライセンス利用状況を把握し、未使用ライセンスの特定や使用過不足の管理を行います。
- ・セキュリティ管理:ウイルス対策ソフトの適用状況や不正利用の監視を行い、セキュリティを強化します
上記の機能を活用することで、以下のような機能としての効果も期待できます。
3-1.脆弱性対策とソフトウェア管理の強化
OSやアプリケーションのセキュリティ脆弱性を解消するためには最新パッチを迅速に配布し、IT資産の安定運用を図る必要があります。IT資産管理ツールならセキュリティパッチなどを迅速に適用できるため、既知の脆弱性を解消し、サイバー攻撃のリスクを低減させられます。
また、定期的なパッチ適用により、システムの安定性を維持して業務の継続性を確保できるのも魅力です。業務に必要なソフトウェアやファイルを社内ネットワーク経由でスムーズに配信し、手動でのインストール作業の手間を省き、効率化を図ります。
社内にファイルサーバーを設置し、アクセス権限を設定することで、セキュリティを確保しながら効率的にファイルを共有していく運用も一つの方法だと思われます。
3-2.資産管理の効率化と最適化
パッケージ版(買い切り)が主流だった一昔前と違って、昨今ではサブスク(毎月定額)が一般的です。
そこで、リース契約やレンタル契約で利用しているハードウェアの契約情報を一元管理し、契約期間や更新時期を把握しやすくすれば、更新漏れによる利用不可期間の発生や、不要な契約の自動更新による無駄なコスト発生を抑制します。
また、ソフトウェアライセンスの保有数や割り当て状況を正確に把握し、実際の利用状況を可視化することで、ライセンス違反のリスクや、ライセンスの過不足による無駄を防止できるのも魅力です。
3-3.リモートサポートとセキュリティ強化
ネットワークに接続されている社内のデバイスに対して、管理者が遠隔地からのリモートアクセスを可能にします。これにより、従業員から問い合わせがあった際のトラブルシューティングや設定変更などを、迅速に行えるのがメリットです。
特に、テレワーク中の社員が利用するPCでトラブルが発生した場合でも、遠隔からサポートを提供できるため、業務のダウンタイムを最小限に抑えられます。
さらに、ファイル共有ソフトのようにセキュリティリスクが高いとされるソフトウェアの起動を制御したり、USBメモリなどの外部デバイスの使用を制限したりすることで、機密情報の不正なコピーや持ち出しを防ぎ、情報漏洩のリスクを低減します。
PCでの業務中、「急にExcelが立ち上がらない」「画面がクルクルと回り固まってしまった」「PCの動作が重たい」などといった経験をされた方は多いのではないでしょうか?
弊社でサポートしている業務の中にはネットワークに接続されたデバイスへのリモートアクセスを可能にしており、トラブル発生時の迅速な対応や、遠隔地からのサポートをしております。
弊社の情シス代行サービスをご利用いただければ、リモート接続にて、お客様のPC画面に入り設定の見直しなどを行います。メールが届かないといった障害が発生すれば、音とワークやメール設定、ファイル容量などさまざまな要因・原因究明までスムーズに対応できるのがトータルITヘルパーならではの強みです。
3-4.操作ログ管理による監査と追跡
PC上で行われたファイル操作(作成、コピー、削除、持ち出しなど)や、アプリケーションの起動・終了といった操作履歴を詳細に記録します。これにより、「いつ、誰が、どのデバイスで、どのような操作を行ったか」を正確に追跡できます。
操作ログ内部統制の強化やコンプライアンス遵守のための監査証跡として活用できるほか、セキュリティインシデントが発生した際の状況把握や原因究明にも役立ちます。
4.IT資産管理ツールの課題とは?
従来、IT資産管理ツールは、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして利用する「オンプレミス型」で導入・運用されることが一般的でした。しかし、近年、テレワークの普及や海外拠点の増加などにより、従業員が社内ネットワーク(LAN)に常時接続しない働き方が増えています。
このような環境下において、社内LANへの接続を前提としたオンプレミス型のツールでは、管理が行き届かなくなる課題が生じています。
具体的には、社内LANに接続されていないリモート環境の端末に対して、最新のセキュリティパッチをタイムリーに適用することが難しくなったり、ソフトウェアの利用状況を正確に把握できなかったりするため、セキュリティリスクの増大やソフトウェア管理の漏れが発生してしまうケースが見られます。
そのため、近年ではインターネット経由で利用できる「クラウドサービス型」のIT資産管理ツールが人気を集めています。クラウド型ツールは、場所を選ばずに複数の拠点やデバイスを一元的に管理できる利点があります。
ただし、クラウドサービス型のIT資産管理ツールも、サービスによって操作ログの保存期間に制限があったり、オンプレミス型ほど柔軟なカスタマイズができなかったりするケースも。IT資産管理ツールの導入前には、機能や仕様をよく比較検討することが大切です。
5.導入するIT資産管理ツールの選び方
IT資産管理ツールの選び方は、企業により重視すべきポイントが異なります。使いやすさはもちろんのこと、予算も含めて総合的に判断しなければなりません。
ここでは、IT資産管理ツールの種類や見ておくべきポイントについて解説します。
- ・クラウド型かオンプレミス型か
- ・価格設定が合っているか
- ・使用感に優れているか
- ・自社のIT資産とマッチするか
- ・セキュリティ対策が万全か
5-1.クラウド型かオンプレミス型か
IT資産管理ツールには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つの提供形態があります。
オンプレミス型とは
- ・自社内にサーバーを構築して運用
- ・サーバーの管理や保守・運用は自社で行う必要がある
- ・情報収集の頻度やログの保存期間などを、比較的柔軟に設定できる
- ・機能のカスタマイズや開発の自由度が高い傾向がある
- ・主に社内ネットワーク環境での利用が中心となる
- ・社内IT担当の負担が増える
- ・外部からの利用ができない(VPN接続等を除く)
クラウド型とは
- ・ベンダー提供のクラウドサーバーを利用
- ・自社でサーバーを構築・管理する必要がない
- ・インターネット接続があればどこからでも利用可能
- ・社内LANに接続されていない社外の端末も管理対象に含められる
- ・サブスクリプション契約が中心でオンプレミスに比べて導入が容易
- ・サービスによっては、ログの保存期間や情報収集の頻度に制限がある場合も
- ・開発の柔軟性や機能が豊富にあるわけではない
- ・自社ならでは設定や使用方法はできない
どちらを選ぶかは自社の環境や業務内容、要件によって異なりますので、一概にどちらが良いとは断定はできません。
5-2.価格設定が合っているか
IT資産管理ツールの導入・運用にはコストがかかります。ツールによって価格体系は異なり、主に初期費用(導入支援費用、ライセンス購入費用など)と運用費用(月額/年額利用料、保守サポート費用など)が発生します。
初期費用だけでなく、長期的な運用コストを考慮することが大切です。
先ほど説明したクラウド型は、管理対象のデバイス数や利用する機能に応じて月額料金が変動する料金体系を設定されていることがほとんどです。一方、オンプレミス型の場合は、ソフトウェアライセンス費用に加えて、サーバーの購入費用や維持管理費、専任の運用担当者の人件費なども考慮に入れる必要があります。
自社の予算規模やコスト構造に合わせて、最適な価格設定のツールを選定しましょう。
5-3.使用感に優れているか
IT資産管理ツールは、情報システム部門の担当者などが日常的に利用するツールのため、使いやすさ(ユーザビリティ)が非常に重要な選定ポイントです。
管理画面が見づらかったり、操作が複雑でわかりにくかったりすると、ツールの利用頻度が低下し、せっかく導入しても十分に活用されずに結局は使い慣れたExcelでの管理に戻ってしまうといったケースも少なくありません。
また、セキュリティパッチの自動配布機能や、複数のデバイスに対する設定の一括変更機能など、管理業務を効率化するための自動化機能が充実しているかどうかも確認すべき点です。
可能であれば、無料トライアルやデモンストレーション版などを利用して、実際にツールを操作し、管理画面の見やすさや操作性の確認をおすすめします。さらに、導入後のサポート体制も重要な要素です。
導入して最初に躓くポイントは操作方法だと思います。操作方法がわからずマニュアルを何回も繰り返し読み返すといったことが皆様も一度は経験したことがございませんか?
繰り返し読んで見たがどうしたら良いのか、わからずサポート窓口の連絡先を探すという経験は誰もが経験したことはあるのではないでしょうか。「問い合わせに対する回答が遅い」「サポート担当者の対応が親身でない」といった場合、ツールの利用継続意欲が削がれてしまう可能性があります。
使用感を確認する際には、以下の点を特にチェックしましょう。
- ・管理画面の使いやすさ(情報の見やすさ、直感的な操作が可能か)
- ・サポート体制(問い合わせ窓口の対応時間、回答の質、サポートの丁寧さ)
IT資産管理ツールは毎日使うシステムだからこそ、ストレスなく利用できる環境を選ぶことが大切です。
5-4.自社のIT資産とマッチするのか
IT資産管理ツールを検討するときは、自社で利用しているIT環境や管理対象となる資産に対応しているかを確認する必要があります。具体的には、社内で使用しているOS(Windows、Mac、Linuxなど)の種類やバージョン、管理対象としたいデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)に対応しているかを確認します。
たとえば、macOSでしか動かないソフトウェアを利用するとき、社内がWindowsPCをメインにしていると、業務が滞ってしまう場合があります。そのようなトラブルがないよう、既存のIT資産との相性は非常に大切です。
また、自社のITインフラがクラウド中心なのか、オンプレミス環境が主体なのかといった点も考慮し、ツールがその環境に適合しているかを確認しましょう。
特にテレワークを導入している企業では、社内外に管理対象となるIT資産が分散し、その種類も多岐にわたるため、さまざまなOSやデバイスに対応できる「マルチデバイス対応」のツールであるかどうかは非常に重要なポイントとなります。
5-5.セキュリティ対策が万全か
IT資産管理ツールは、企業の重要なIT資産に関する情報や、場合によっては機密情報を含む操作ログなどを扱います。そのため、ツール自体のセキュリティ対策が十分かどうかは非常に重要です。
具体的には、「アクセス権限を詳細に設定できる機能」「管理するデータの暗号化機能」「不正アクセスや操作を監視するためのログ管理機能」などが搭載されているかを確認しましょう。
また、ツール提供ベンダーがセキュリティ脆弱性にどのように対応しているか、情報公開やパッチ提供の迅速性などや、第三者機関によるセキュリティ認証を取得しているかなどもツールの信頼性を判断するうえで参考にすべきポイントです。
情報漏洩などのセキュリティリスクを最小限に抑える取り組みは、IT資産管理を成功させるための大前提と言えます。
6.【厳選】IT資産管理におすすめツール5選
ここからは、さまざまなポイントからIT資産管理におすすめの専用ツールについてご紹介します。
6-1.SKYSEA Client View(Sky株式会社)
・使いやすさに定評があるIT資産管理ツール。ハードウェアやソフトウェアの一元管理が可能で、情報漏洩対策や端末管理機能を搭載。オンプレミス版とクラウド版の選択が可能。
・特徴:資産情報の自動収集、直感的なインターフェース、他社製品との連携。
・適用環境:中小企業から大規模企業まで対応
6-2.LanScope Cat(エムオーテックス株式会社)
・統合型IT資産管理ツールで、ハードウェア・ソフトウェアの登録情報を毎日更新。外部脅威対策やモバイル端末管理も可能。
・特徴:専任スタッフによるサポート、主要クラウドサービスとの連携、自動テスト機能。
・適用環境:幅広い業種や規模の企業に対応
6-3.MaLionCloud(株式会社インターコム)
・クラウド型IT資産管理ツール。ライセンスやソフトウェアのライフサイクル管理、情報漏洩対策、働き方の見える化をサポート。
・特徴:OS混在環境での一元管理、辞書機能による効率化、ライセンス使用状況の可視化。
・適用環境:中小企業から大規模企業まで対応
6-4.System Support best1(株式会社ディー・オー・エス)
・Excelライクな操作性を持つIT資産管理ツール。初めて導入する企業にも使いやすく、基本機能をベースに必要なオプションを追加可能。
・特徴:ライセンス有効期限やハードウェア台数管理、コストパフォーマンスに優れた設計。
・適用環境:初心者から上級者まで幅広く対応
6-5.Assetment Neo(株式会社アセットメント)
・資産管理に特化したツールで、IT資産以外にも什器や備品なども対象。リース契約や貸出状況なども管理可能。
・特徴:バーコード・RFID活用による持出・返却管理、固定資産システムとの連携。
・適用環境: 建設現場や撮影現場など特定用途でも活躍
まとめ
IT資産管理はコスト削減やセキュリティ強化を実現するために、現代の企業にとって非常に重要な取り組みです。Excelなどを用いて手作業で管理を行っている企業も少なくありませんが、管理対象の増加や複雑化に伴い、将来的には管理漏れや担当者の負担増大といったリスクが高まります。
そのため、効率性と正確性を高めるにも、IT資産管理ツールの利用がおすすめです。しかし、どれだけ優れたツールを導入したとしても、日々の運用や管理業務は情報システム部門の担当者に一定の負担がかかることは避けられません。
そこで、IT資産管理を含む情報システム部門の業務負担軽減策として、「トータルITヘルパー」の活用をご検討ください。
トータルITヘルパーは、IT資産管理のサポートはもちろんのこと、各種ソフトウェアライセンスの発行代理店管理、PCの初期設定(キッティング)作業をはじめ、情報システム部門が担うさまざまな業務を幅広くサポートするサービスです。
社員からの問い合わせに対応するヘルプデスク業務や、ネットワークの構築・運用保守などにも対応しており、お客様のニーズに合わせて業務の一部サポートから、情報システム部門業務全体の引き継ぎ・運営まで柔軟に対応いたします。
IT資産管理ツールを活用しても、管理漏れやセキュリティ対策の遅れなどが発生してしまうケースは珍しくありません。弊社にお任せいただければ、167名のプロが徹底的にサポートするため、貴社のIT資産を適切に管理させていただきます。
IT資産の管理でお悩みの方は、なにかお困り事があれば、ぜひお気軽にトータルITヘルパーまでお問い合わせください。