新型コロナウイルス感染症の流行に伴う働き方改革、DX化の加速、さらにはレガシーシステムのブラックボックス化など、情シスを取り巻く課題は大きな変化期を迎えています。
情シスにおける課題を解決するため、社内SEの転職市場も活発。やゼロ情シス問題と裏腹に、引く手数多という状況で、システムエンジニア職の平均賃金は年々上昇傾向にあります。
本記事では、情シスの給料や年収相場を詳しくご紹介します。
優秀な情シスが大手企業から引き抜かれるなか、中小企業はどのように社内SEを獲得すればよいのでしょうか。
記事後半では、トータルITヘルパーの情シス代行サービスもご紹介します。
目次
1.情シス(社内SE)の給料や年収相場について
近年、よく耳にする「社内SE」という仕事。SEのなかでも人気が高い職で、社内SEへの転職を希望する人が増えてきています。注目を集めている社内SEですが、給料や年収などはどのような形になっているのでしょうか?
社内SEの平均年収は、約500万円といわれています。これは日本の平均年収と比較すると高い傾向にあり、さらに社内SEの年収は年々上昇しているようです。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2015年から2019年までのシステムエンジニア職の年間給料平均額は以下のようになっていました。
・2015年:592.3万円
・2016年:547.1万円
・2017年:550.8万円
・2018年:551.2万円
・2019年:568.9万円
2015年から2016年にかけては減少していますが、上記のように給料自体は上昇傾向にあります。
男女別で見た場合、男性が534万円、女性420万円となっています。年齢別に見てみると、20台の平均年収は360~410万円程です。30代の平均年収は490~540万円、40代になると平均年収は630~680万円程と徐々に上がっていきます。
このようにシステムエンジニア職の給料は、年齢を重ねるごとに順調に上がっていく傾向にあり、金額も他の職種と比べて悪くありません。
地域別で比較した場合最も平均年収が高い地方は関東で、そのなかでも東京が548万円と高い水準になっています。一方、最も給与水準が低い都道府県は390万円の山形県になります。
東京との差は158万円にのぼります。このように社内SEは勤務先や経験・求められるスキルによって大きな差が生まれることが見受けられます。
ココがポイント
社内SEは勤務先、経験・スキルにより給与水準に差が生まれている
2.情シス(社内SE)の転職市場が活発化している理由
社内SEは年々給料が上昇しており、転職市場も活発です。
業績のよい企業では「IT活用に関して知見のある人材」を自社で抱えて、独自のノウハウを蓄積していきたいという傾向が強まっています。しかし人材不足もあって、優秀な人材を数少ない企業が奪い合っている様相も否めません。
なぜここまで社内SEに関する転職が活発なのか、その理由について詳しくご説明します。
社内SEの転職市場が活発化している理由
- SEの業務内容が多様化している
- 5G時代を見据えた取り組み
- RPAやDXが加速しているため専門人材が必要
- テレワークの本格化
2-1.SEの業務内容が多様化している
社内SEの業務は、会社によって全く違うものです。
部署業務におけるIT関連の小さな困りごとから、会社の経営戦略を左右するようなシステムの刷新まで、さまざまな規模の仕事に携わります。
開発のディレクションや社内の部門間調整に徹し、実際の開発は外部のITベンダーやSI企業に委託する会社も珍しくありません。逆に自ら企画・開発をする場合は、社内システムやアプリケーションのも兼ねるケースが多いようです。
また近年の時流から、「全社的なITリテラシーの強化」「セキュリティの高度化」「顧客対応を行う社員へのレクチャー」なども、企業にとってマスト業務となっています。
これらを取りまとめる役割も、社内SEの管轄業務となり得るでしょう。
2-2.5G時代を見据えた取り組み
第5世代移動通信システム(5G)は従来の人々の生活を刷新するものとして注目を集めています。特に5Gの普及によって「デジタルトランスフォーメーション(DX)は加速する」と予測されているため、企業における5G時代を見据えた取り組みに関心を持つ担当者も増えているかもしれません。
一般企業での5G導入が進んでいない今のうちに、まずは既存のアナログ業務のフローを可視化しておきましょう。さらに、RPAによって自動化・デジタル化できる業務を選定しておくと安心です。
RPAの導入を機に、社内のさまざまな業務がデジタル化していきます。その後はAIとの提携によって、部署間のデータを横断して使うためのプロセスが必要となってきます。
時代を見据え、これに対応できる人材を探している企業は増加傾向にあるといえるでしょう。
ココがポイント
5G時代を見据え、IT人材を探している企業が増加傾向にある
2-3.RPAやDXが加速しているため専門人材が必要
新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年から仕事の中身や働き方が大きく変化しています。特に、各社でDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する緊急度が上がってきており、それに伴いDX人材の採用強化に動く企業が増加。コロナ禍においてもデジタル人材の採用競争は激化しました。
既存事業からの脱却・効率化を目指して、近年では多くの企業がDX推進部署を立ち上げ、ITを活用した未来のビジネスモデルを創造しています。その重要ポストに、IT業界から人材登用するケースも珍しくありません。
さらにRPAやタブレット・スマートフォンといったデジタル端末の導入、つまりデジタライゼーションが進んでいます。ここでも、DXに関わってきた専門人材が必要となります。まだDX推進を始めたばかりの企業が多いので、まずは全体像を描ける人材の確保が急務です。
今後も、DX推進企画・戦略から実装までを行える人材は重宝されるでしょう。
ココがポイント
DX、RPAの導入には、全体像が描ける専門人材の確保が必要
2-4.テレワークの本格化
新型コロナウイルスの流行と緊急事態宣言が発令されたことをきっかけに、テレワークをする人が劇的に増加しました。企業の事業活動や働く人のライフスタイルに影響を与えたテレワークですが、ITリテラシーにも大きな変化がありました。
その最たるものが、コミュニケーションツールの利用です。Web会議やビジネスチャットなどを頻繁に使うことで社内全体のITのハードルが下がり、幅広い年齢層の利用者がIT系のツールを使いこなせるようになりました。また業務フロー上では捺印や紙文書の印刷がテレワークを阻害していると広く認識され、ワークフローのオンライン化が一気に進みました。
企業がIT革新に取り組むなかで、デジタル化が進むのはとても喜ばしいことです。一方であまりに急激に変化したため、インフラを支える情報システム部門には大きな負担がかかっています。さらにセキュリティ対策も必須であり、本格的なテレワーク基盤を構築するまでには大きな手間と時間がかかるはずです。
その大部分を情報システム部門が担うことになりますので、このような場面にでも対応できる人材が必要となります。
3.情シス(社内SE)の給料上昇とともに懸念される問題
人材価値や必要性が高まり、給料が上昇し注目を浴びている情シスのお仕事ですが、人手不足も相まって、今後懸念される問題があります。
ここでは問題について詳しくご説明していきたいと思います。
社内SEの給料上昇とともに懸念される問題
- 中小企業における情シスの確保が難しい
- 大手企業優遇で給与格差が一層広まる
3-1.中小企業における情シスの確保が難しい
「ITシステムには運用コストがかかる」という事実を経営層が理解していない場合、専任をおかず、今いる人材で運用をまかなおうとする傾向があります。現状でどうにか仕事が回せていると、人材の補充に至らないケースも出てくるでしょう。
ITシステムに関する「専門的な知識」を持つ人材は限られています。その限られた人材への負荷が大きくなると、業務過多から離職に繋りかねません。
このような「経営視点と現場視点」の認識乖離が、中小企業での情シス人材の確保を困難にしています。
ココに注意
経営層と現場との認識乖離により、中小企業では情シス人材の確保が難しい
3-2.大手企業優遇で給与格差が一層広まる
企業の人手不足が叫ばれる昨今、特にITエンジニアは需要に対する絶対数が足りていません。高い給料を提示できなければ「エンジニアが他社に流れてしまう状況」に、多くの企業が頭を抱えています。
社内SEの平均賃金は、一般的な会社員よりもやや高いといわれているため、企業によっては他の従業員を雇うよりもコストが高くなることがあります。ハイスキルな人材であればなおさらです。特に採用担当者にITの見識がない場合は、人材の見極めが難しく採用費用が高くなることも多いでしょう。
IT活用に知見のある人材を自社で抱えることで、「独自のノウハウを蓄積していきたい」という会社が増えています。大手企業では優秀な人材を確保するために待遇を上げているケースが多く、中小企業との格差は広まる一方です。
ココに注意
大手企業は待遇向上により人材を確保しており、中小企業との格差が広がっている
4.情シスに今後期待される役割
RPAやDXなど新たな時代に突入し、情シスに求められる業務内容も多様化しています。
今後期待される役割についても確認しておきましょう。
情シスに今後期待される役割
- DX推進で会社全体の業務効率化
- 業務のアウトソーシング
4-1.DX推進で会社全体の業務効率化
企業における情報システム部門は、業務システムの運用・保守や利用部門のサポートに、大きな負担を日常的に抱えているといわれています。また、これら負担軽減に向けたIT人材の確保や、要員スキル向上、ビジネス部門と連携したデジタル変革のための要求事項の整理など、来るDXに向けた組織体制面での強化も、同時に進める必要があります。
今後の情報システム部門に求められるのは、業務の効率化・軽減です。企画業務等の戦略的な活動へのシフト、高度なITシステムの構築・維持、それら実践のための必要スキル習得など、業務改革のための計画を立案することが重要です。
実施にあたっては情報システム部門の現状業務を可視化し、標準化・効率化ポイントを明確にする必要があります。また、併せて社内外リソースの配置についても検討しましょう。
その上で情報システム部門の必要スキルを整理し、スキル強化領域の明確化とスキル強化計画を策定します。そうすることで、情報システム業務の改革がより具体的になるはずです。
4-2.業務のアウトソーシング
他業務と兼任している場合、DX推進がなかなかできない場合もあります。そんな時は情シス業務のアウトソーシングを行うのも一つの手です。
ITアウトソーシングには、すべてを任せるフルアウトソーシング、インフラの運用のみ行うアウトソーシング、手間のかかるヘルプデスクのみの依頼、繁忙期のみのエンジニア派遣などがあります。これらを上手に使うことで、情報システム部の担当者が本来の業務に専念することができ、個人への負担を大きく減らせるかもしれません。
また、外部の新しい知見を吸収し、空いたリソースを上手に使うことで、社内のIT戦略や経営企画に時間を割けるようになります。社内で話し合いをしてまとまらない場合は、アウトソーシングも検討してみるとよいでしょう。
ココがポイント
ITアウトソーシングにより、情シス担当者が本来業務に専念できる
5.トータルITヘルパーの情シス代行サービス
近年情シスは給料が上昇しており、転職市場も活発になり始めましたが、中小企業においてはますます人材確保が難しくなりました。そこで期待できるのが情シス代行サービスです。
情シス代行サービスを利用した人の94%が、業務効率化とコストダウンに成功しました。
ここでは情シス代行サービスの魅力についてご説明します。
トータルITヘルパーの情シス代行サービスでできること
- 情シス業務を丸ごと引継ぎ
- システム構築もお任せ
- IT機器のトラブル解決
- 167人の専門人材がサポート
- PC1台3,000円と安心の料金設定
5-1.情シス業務を丸ごと引継ぎ
情シス代行サービスは、企業の情報システム部の業務をサポートもしくは、丸ごと引継ぎするサービスです。
貴社情報システム部へのアドバイスやサポートから、ネットワーク構築・サーバ運用・キッティング等さまざまなお困りごとにお応えします。
ITスキルの充実したスタッフ達が、お客様の課題解決に尽力し、情報システム部業務のアウトソーシングを強力にバックアップいたします。
5-2.システム構築もお任せ
社内共有フォルダやネットワークなどのシステム構築・保守を実施します。また、テレワーク時代に適合した貴社サーバ環境の構築・保守を実施します。VPN構築などもご相談していただければと思います。
5-3.IT機器のトラブル解決
ネットが繋がらない際の現状確認・復帰のサポートもお任せください。
PCが立ち上がらないなどの機器トラブルや、社員の入退社によるパソコン設定などを代行いたします。情報システム部が携わる業務も、サポートが可能です。
5-4.PC1台3,000円と安心の料金設定
高い解決力で効率的な業務フローを生み出し、お客様に低価格かつ高品質なサービス提供を実現しています。
スケールメリットとノウハウによる迅速な解決力で、弊社内の業務効率を最大化し、他社が真似できない価格とクオリティを実現します。
5-5.167人の専門人材がサポート
オンラインヘルプデスクにて専門的な教育を受けた167人のスタッフが随時待機し、皆様の問題解決に尽力いたします。
100万件以上のお問い合わせに対応してきた実績と、培った解決率97%の知識・技術とノウハウ、高い技術力で迅速にトラブルを解決いたします。