「ヘルプデスクを設置しているが多岐にわたる業務に圧迫されている」
「対応範囲が広くヘルプデスク全体がうまく機能していない」
ヘルプデスクを設置している中小企業にとって、上記の悩みは非常に多いもの。本記事ではこれらの悩みに対し、どのように課題を抽出し解決するのか、業務改善のためのポイントやツールをご紹介いたします。
また記事後半では、専門スタッフ167人体制で、解決率97%の知識と技術を保有したトラブル解決実績を持つトータルITヘルパーの「オンラインヘルプデスク」についてもお届け。
本記事をご覧になることで、ヘルプデスクに関する業務効率化のポイントが体系的に理解できます。
目次
ヘルプデスクとは
ヘルプデスクとは、企業や機関の製品・サービスに関連する情報とサポートを、顧客やエンドユーザーに提供するための業務、またはそれを実施する組織や部門のことを言います。
また業務内容は多岐にわたり、他部門の従業員から業務システムや社内のIT機器に関する質問や問い合わせ、要望、不具合などへの対応要請なども受けることがあります。
情報システムやソフトウェアの使い方、システム障害発生時の対処法などを電話やメール、チャットなどで答えるのが主な業務であり、コミュニケーション能力のみならず技術的な知識も必要です。
最近では、こうしたヘルプデスク業務の業務負担軽減が、多くの企業で課題となっています。情報システム部門の担当者が次々と寄せられる要望の対応に追われ、本来の業務を中断して自分の仕事が進まなくなるという弊害が増え、ヘルプデスク自体をアウトソーシングする企業も増えています。
この記事ではヘルプデスクの主な業務内容と魅力、そしてヘルプデスク業務の実態について解説します。
なお、ヘルプデスクの詳細についてはこちらの記事もご参照ください。
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【徹底解説】ヘルプデスクとは?サービス業務形態と価格を比較
ヘルプデスクサービスをアウトソーシングすると、情シスの業務効率を上げる以外にもメリットがたくさんあります。 従業員からのIT関連の問い合わせに応える業務をヘルプデスクと言います。多くの企業では、情報システム部門がこのヘルプデスクを担当しています。しか ...
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ヘルプデスクの業務内容について
次に、ヘルプデスク業務では実際にどのような仕事を行っているのか、社外ヘルプデスクと社内ヘルプデスク、監視オペレーターの3つに分けて、具体的な業務内容をみていきましょう。
1.社外ヘルプデスク
顧客をはじめとした社外からの製品・サービスに対する問い合わせや使い方のレクチャー、トラブルやクレームなど幅広いお問い合わせに対応します。
- 製品やサービスに関する悩みやトラブルの解決
- クレーム対応や具体的な解決策の提示
- 商品やサービスに関する意見や感想などの受付
- トラブルやクレームを解決するための社内調整
- さまざまな事案に関する情報の蓄積や共有
上記が主な社外ヘルプデスク業務の一部です。
特徴として、社外からの問い合わせ全般を担うことから、合計した問い合わせ件数はとても多くなることが挙げられます。そのため、社員だけで対応することが難しく、コールセンターを設置して社外ヘルプデスクの役割を外部に委託している企業もあります。
問い合わせに対しては、電話やメールで答える場合が多いですが、近年はチャットシステムを利用して顧客からの質問に答える体制を整えている企業が増えています。
2.社内ヘルプデスク
社内ヘルプデスクは自社のスタッフからの問い合わせに対して対応を行う仕事です。PC操作が分からない、画面が動かなくなってしまったなどの技術的な問い合わせから、人事総務関連の問い合わせまで幅広く対応します。
- 社員からのさまざまな質問、相談、悩みなどの問い合わせを受け、回答
- 総務・人事・経理などの専門部署へ問い合わせの確認や仲介
- PCや電話、ネットワーク、社内システムなどに関わる操作方法
- トラブルの問い合わせ受付・回答
上記が主な社内ヘルプデスク業務の一部です。
社内問い合わせ受付や専門部署へのつなぎ役、テクニカルサポートの2つの業務で構成されています。
日ごろからシステムの状態を確認し、アラートが出ていたら状況確認したり、原因調査をしたりしながら、快適な作業環境を維持しています。より良いシステムへと改善するために、社員からの意見を聞いて、ベンダーとの間に立って調整する役割を担うなど、社内SEとしての役割を担うこともあります。
3.監視オペレーター
稼働中のサーバーやネットワーク機器(スイッチングハブやファイヤウォールルーターなど)を監視し、異常を検知したら社内・社外のユーザーに知らせる仕事です。一般のヘルプデスクとは異なり、オペレーターからユーザー側へ最初のコンタクトを行う点が大きな特徴です。
- サーバーバッチ処理
- アラート対応
- サーバーのランプ状況確認
- バックアップテープの交換・バックアップ
- システム検証作業
- データセンター入館者申請・アテンド
上記が監視オペレーターの主な仕事内容の一部です。
企業内で使われているファイルサーバーやグループウェアは、いつでも問題なく利用できることが当たり前になっています。しかし、システムは開発された後、継続的に利用される際に大なり小なり障害が発生し、オペレーターはこのシステム障害にいち早く気付いて対処し、サービス提供再開までの時間短縮を行います。
システムの障害対応の他に「快適にサービスが利用できるか」といった性能の監視も重要になります。システムの利用状況や性能評価を的確に行い、利用状況の変化に合わせた性能の維持向上を行っていきます。
ヘルプデスク業務の主な課題について
ヘルプデスクは社内で発生する大小さまざまな困りごとについて相談できる窓口としての機能を期待されているため、幅広い豊富な知識と、相談者の意図を汲み取り分かりやすく説明するスキルが求められます。
問い合わせ内容の確認や回答には想像以上に時間がかかり、苦戦を強いられる現場が多いのが実態です。そのため、ヘルプデスクの業務量は膨大となり、運用の負担が大きくなりがちです。具体的には以下のような課題が挙げられます。
1.時間が足りない
特に小規模の会社の場合、少人数のヘルプデスク担当が多くの問い合わせを対応します。そのため、1人あたりの業務量は大きくなり、時間に追われがちになります。また、ヘルプデスクに寄せられる問い合わせは、業務上、致命的な問題である点が特徴です。
特に、インターネットにつながらない、PCが動かない、電話がつながらないなどといった急を要するIT関連トラブルは企業に深刻な損害を与える可能性があるため、至急対応が求められます。
2.対応範囲が広い
ヘルプデスクには一般の問い合わせから、社内システムの操作方法・トラブルシューティングまで、多種多様な質問が寄せられます。社内システムも勤怠管理、経費精算、販売管理、営業支援、電子商取引、顧客管理といった業務系システム、グループウェアや情報共有のような業務支援系システムというように、用途ごとにさまざまなシステムがあり、それぞれのお問い合わせに対してスムーズに回答するには幅広い業務知識が必要です。
そのため、それぞれのシステムについて寄せられる、あらゆる質問に迅速に答えられるように、常に最新の知識を習得し勉強しておく必要があります。また、社内業務のIT化や新技術・システムの導入なども適宜行われています。ヘルプデスク担当は常に業務知識・スキルアップしていくことが重要です。
3.説明が難しい
問い合わせをしてくる相手は、IT知識がほとんど無い場合もあり、IT技術への理解度はさまざまです。PCやインターネットが当たり前の時代に生まれた「デジタルネイティブ世代」である若手層と、ITに苦手意識をもつ年配層とでは、対応の仕方が異なります。
ヘルプデスク担当者はまず、相手が何を解決したくて問い合わせてきているのかを汲み取る力が必要となります。その上、相手のI Tリテラシーに応じて、分かりやすく説明する能力が求められます。
つまり、ITリテラシーの相手に手取り足取り回答をしていては、時間の無駄になります。逆に、ITリテラシーの低い相手に専門用語をそのまま伝えるだけでは理解してもらえず、時間がかかるようになります。
そのため、問い合わせ対応は依頼者がどこまで理解をしているのかの汲み取りから始まります。そして、専門用語だけではなく相手に対してどのように伝えたら理解をしてくれるのか、かみ砕いた表現などを使い、それぞれの理解度に合わせて分かりやすく正確に伝えることが重要となります。
また、リモートデスクトップ機能に対応していないPCやインターネットがつながっていないPCなどで画面共有ができない場合、電話音声のみで作業方法や手順などを説明することはとても困難です。
そもそも何が問題なのか相手方の画面を見てみないと正確に原因究明できないため、状況を把握するだけでも時間がかかってしまうことも多々あります。把握できたとしても、PCによって表示方法などもさまざまなため、そこからまた時間がかかることもあります。
ヘルプデスクは業務の幅が広く時間を要する作業が多いため、時間が不足しやすい
ヘルプデスクへの問い合わせ件数を減らす、また問い合わせ対応の効率化をするためには、どのような対策が有効なのでしょうか? ここでは、具体的な対策内容を紹介しながら、効率化するためのポイントを解説します。
1.対応範囲の明確化
ヘルプデスク業務は相談窓口として業務系システムや業務支援系システムなど幅広く対応していく必要がありますが、全ての範囲を引き受けるのは禁物です。結果的にヘルプデスクの業務負荷が高くなり、問い合わせ回答の業務が回らなくなる可能性があるからです。
そのため、あらかじめ対応範囲や業務内容、業務時間を明確化し、余裕を持って問い合わせ業務にあたれる体制作りが肝心です。対応範囲を明確にすることによって、業務の標準化ができるため、担当者の属人化や固定化を防ぐ効果もあります。
2.対応状況の共有・可視化
個人がそれぞれ別業務を担当するのではなく、複数の担当者がチームを組み、分担して業務にあたるようにしましょう。それぞれの分野で業務情報を可視化し共有することにより、担当者不在時に別の担当者が代わりに対応する際や退職時などの、スムーズな引継ぎが可能となります。
業務状況の「見える化」は業務負荷を分散・平準化や、属人化を防ぐ効果もあります。一部の社員に業務が集中したり、1つの業務を特定の担当者に固定化したりすることのないように、担当者のスキルや経験をみながら業務を振り分けることが重要です。スキルが把握できることにより、ステップアップも行いやすい環境になります。
3.進捗状況の管理で効率化
複数人でヘルプデスクを運営している場合、毎回同じ担当者が対応できるとは限りません。問い合わせ対応を属人化させず、誰でも同じような対応ができるように「誰が、いつ、どんな内容で」対応したのかを一元管理し、共有できる仕組みを整えておきます。そうすることにより、前回対応内容などを改めてお伺いするなどの無駄なやり取りの過程がなくなり、対応時間短縮につながります。
また、問い合わせ内容やトラブルをインシデントとして登録し、対応した内容と併せて管理しておくことで、同様のトラブルが発生した際、過去の履歴を参考に効率的な対応が可能となり、クレームなども少なくなります。
4.FAQの整備
問い合わせ内容がある程度蓄積できたら、FAQとして公開しましょう。
FAQを参考に自力で解決できるようになると、ヘルプデスクへの問い合わせ数削減が可能です。解決ができない場合でも、一緒にFAQを見ながら案内ができるため、より分かりやすい説明が可能になり、対応時間が短縮化されます。
また、FAQを運用するにあたり対応していく中で、お問い合わせが増えてきた項目などは新しく追加をする、質問の多い項目のFAQは定期的に見直し改善する、変更があった場合には直ちに反映するなど、常にバージョンアップできる仕組み作りが必要です。
FAQを作成する際は、利用者目線で分かりやすいサイトにすることが大切です。シンプルで分かりやすい画面構成とITリテラシーに関わらず理解できる簡潔な文章を心掛けるようにしましょう。またキーワード検索を簡単に行えるようにしたり、図表や動画などの解説を掲載したりなど、効率性を追及しましょう。FAQ利用率が上がるほど、ヘルプデスク業務の負荷は下がります。
ヘルプデスク業務を効率化するおすすめツール
ヘルプデスク業務を効率化するためには、システムツールを活用するのも解決策の1つになります。ここからは業務改善に有効なシステムツールをご紹介します。
1.お問い合わせ管理ツール
問い合わせ管理ツールとは、問い合わせ内容や回答状況などを一元管理するためのシステムです。メール・電話・対面での質問などをまとめて管理・共有できるので、対応漏れやミスの抑止、ヘルプデスク内での業務効率化に役立ちます。
問い合わせ管理システムを導入することで、問い合わせ内容が担当者にすぐに割り振られるようになり、スムーズな対応が実現できるため、顧客満足度も向上します。
問い合わせ管理ツールである「Re:lation」は、株式会社インテージの提供するツールです。電話対応、チャット、メールの他にもLINE、Twitterなどさまざまな形でのお問い合わせを一括管理します。
届いたメッセージは「未対応・保留・対応完了・対応不要」4つのステータスで管理しているため、対応状況や対応者がひと目で分かるようになっており、対応漏れなど防止できます。
また、またラベル機能を活用することで、問い合わせの種類を細かく設定し、契約に関する問い合わせなのか機能に対する問い合わせなのかといったことを集計し、改善に活かすこともできるようになります。
このようなお問い合わせ管理ツール導入により、別担当が対応中に気づかず対応してしまう「二重対応」や、問合せメールの「対応漏れ」などのオペレーションミスをシステム的に防止できます。お問い合わせツールでは明確に対応状況が分かるため、チームでの作業がしやすくなり、対応速度の向上が見込めます。
出典:Re:lation
2.マニュアル作成ツール
マニュアル作成ツールは、業務マニュアル作成をサポートするツールです。マニュアル作成を手助けする機能を備えたソフトウェアのことであり、これを駆使すれば、作成手順の簡便化を図ったり、高品質な編集を誰でも手軽に行ったりすることができます。
マニュアル作成ツールを使用し作成することにより、マニュアルの品質向上につながり、より分かりやすいマニュアル作成が可能になります。
マニュアル作成ツールである「Dojo」は、株式会社テンダが開発したツールです。マニュアル用のテンプレートが豊富に揃えられているため、初めての方でも簡単にマニュアル作成ができるのが特徴です。アプリケーションの操作方法も簡単なので、凝ったマニュアルも手軽に作成できます。
また、画面キャプチャ取得や操作説明の追記が可能になります。多くのテンプレートがあるので、誰が作っても分かりやすく統一感のあるマニュアル作成ができるのもメリットです。
出典:Dojo
3.マニュアル検索(FAQ)ツール
マニュアル検索ツールとは、作成されたマニュアルを効率よく検索するためのツールです。「よくある質問」に関し、あらかじめ回答を用意することで、自己解決できるようにするための仕組みです。探しやすさを優先して作られたFAQツールのクラウドサービスを利用することで、より効率的にFAQを運用できます。
マニュアル検索ツールである「OKBIZ. for FAQ」は、株式会社OKWAVE(オウケイウェイヴ)が提供するツールです。日本初・最大級のQ&AサイトであるOKWAVEを運営する会社が開発したツールで、9年連続で国内シェアNo.1を記録しています。FAQシステム導入で対応件数30%削減も可能になります。
ココがポイント
ツール導入で、ある程度の業務効率化が見込めるが、効率化にはアウトソーシングも!
トータルITヘルパーのオンラインヘルプデスクとは
ヘルプデスク業務の課題解決の方法として、アウトソーシングサービスの利用も選択肢の1つです。業務効率化のポイントは、いかにヘルプデスク業務の負担を軽くできるか。アウトソーシングなら、「手間なく」「低コストで」業務負担軽減が実現できます。
トータルITヘルパーが提供する「オンラインヘルプデスク」は、ネットワークの障害対応や社内ネットワーク保守、PC操作サポートやPCの設定など、さまざまな分野に対応しております。
弊社に寄せられるお問い合わせ内容は、「ネットがつながらない」、「共有が開けなくなってしまった」、「Microsoft Officeが起動しない」、「PCが立ち上がらない」など、PC操作から共有フォルダ関係、ネットワークなど幅広い内容があります。
こうしたお問い合わせに対し、それぞれの分野にて複数の担当者でチームを組み、分担して業務にあたっているため、迅速かつ丁寧な対応が可能になります。必要に応じて遠隔操作でお客さまのPCをお借りして設定などの確認を取ることもございます。
お電話やリモートでの対応は30分以内の解決を心掛けており、場合によっては現地に訪問し確認を取らせていただくこともございます。
また、「誰が、いつ、どんな内容で」対応したのかを明確に記録しているため、担当が空いていない場合も別担当が即時に対応いたします。各分野に特化しているオペレーターが培った豊富なノウハウを駆使し、解決率は97%にもなります。
お問い合わせいただいた企業さまからも、以下のようなお言葉を数多くいただいております。
「画面を共有しながら解決してくれるリモート対応が分かりやすい」
「複合機のスキャナー設定で困っている際に、すぐに連絡が入りリモートにて迅速に解決してもらえた」
「インターネットがつながらなかったときにすぐ訪問してくれて復旧してくれた」
お困りごとがございましたら、ぜひ一度トータルITヘルパーにご相談ください。