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社内唯一のひとり情シスが転職!?情シスが転職してしまう原因と対策とは

IT業界での転職市場が活性化し、流動によるIT人材不足が増加するとともに、ひとり情シスやゼロ情シス化が進行しています。

同時に、総務など他部署との「兼任型情シス」が増加しており、これまでとは違う新たな実態も見えてきました。

本記事では、社内唯一のひとり情シスが転職してしまう原因、そして万が一の転職に備えてどのような対策を講じればよいかを詳しく解説します。

ひとり情シス、ゼロ情シス問題を克服するための参考になれば幸いです。

1.ひとり情シスの現状について

1.ひとり情シスの現状について

最新の統計や調査をもとに、ひとり情シスやゼロ情シスの現状についてピックアップしましょう。

Dell株式会社が2019年2月19日に発表した「IT投資動向調査」によれば、中小企業の約38%が情報システム担当者1名以下のワンオペ体制です。これは前年の31%より7%も上昇していて、「ひとり情シス」は4.8%増、「ゼロ情シス」も1.8%増えそれぞれ18.8%となりました。

慢性的なIT人材の人手不足が目立つ一方で、転職市場は活況化しています。情報システム要員の21%が退職など離職率は非常に高いものの、その2倍近くの37%が外部から採用され流入している現状です。

このような状況により、所属部門がIT関係以外の「兼任型情シス」が増加傾向にあります。中小企業全体では約6割がこの「兼任型情シス」であり、そのために業務時間のうちIT関係が占める割合に減少傾向がみられるようになりました。

IT部門の人員減少により情シスの業務負担が増えた影響で、社内事業部門への対応に追い付かない事態も多くなってきています。IT部門を通さずに機器の導入やクラウドの利用がされると、セキュリティ事故にも繋がる恐れがあるため、注意喚起が必要でしょう。

参考:IT投資動向調査 |デル株式会社

ココがポイント


ひとり情シスは増加傾向にある一方で、担当者への業務内容が大きくなりつつある

2.ひとり情シスが転職してしまう原因とは

2.ひとり情シスが転職してしまう原因とは

先述したとおり、近年ではIT人材不足も相まって、年々と「ひとり情シス」「兼任型情シス」が増加傾向にあります。一方で情報システム要因の退職は21%と離職率も高く、社内唯一のひとり情シスが転職してしまう事例も少なくありません。

なぜひとり情シスが転職してしまうのか、以下のような原因が考えられます。

  • 業務過多による負担増
  • 求められる範囲が広すぎてスキル不足
  • 優秀な情シスは各企業から引く手あまた

2-1. 業務過多による負担増

情シス部門は業務の幅が広く、そのすべてを一人でこなす必要のあるひとり情シスにはかなりの重労働です。また近年はテレワーク導入などの影響もあり、社員のネット環境の整備やセキュリティ対策など新たな課題や対応すべき業務負担が増加しています。

ただですら忙しいひとり情シス業務が処理できないようになると、残業や休日出勤が増え、心身ともに耐えられず退職するケースが多くみられます。

2-2. 求められる範囲が広すぎてスキル不足

ヘルプデスク業務をはじめ、求められる範囲が広がりすぎた結果、「スキル不足を実感しつつも勉強時間を確保できない状況」もひとり情シスが退職する原因のひとつです。情報システム部では、社内ITサポートに加えて自社の業務効率の上昇やシステム環境の改善、セキュリティ対策など幅広い知識やスキルが要求されます。

なかには、情シス担当者を社内の何でも屋としてさまざまな対応を求める社員がいる事例も。

その結果ひとり情シスの担当者は目の前の業務で手いっぱいになり、業務の多さから自身の勉強時間を確保できず、徐々にスキル不足に陥る負のスパイラルに嵌ってしまうケースもみられます。

2-3. 優秀な情シスは各企業から引く手あまた

ひとり情シスのポジティブな退職理由に、「能力を買われて新しいキャリアの紹介」「ヘッドハンティングを受ける」などがあげられます。ひとり情シスでもうまくタスクをこなせる「スーパー情シス」タイプの方は、より好条件での誘いを受けるケースが多くなっています。

以上で挙げた理由以外にも、「経営陣がITに疎く不当な扱いを受ける・評価されない」など、人間関係や周囲からの評価の低さも退職してしまう原因としてよくあるもののひとつです。

3.ひとり情シス転職後の問題点

3.ひとり情シス転職後の問題点

いざひとり情シスが退職してしまった場合、考えられる問題点を挙げてみましょう。

  • 情報がブラックボックス化してしまう
  • 後任をすぐに確保できない
  • 専門知識を持ち合わせていない総務が情シスを兼任
  • 突発的なトラブルに対応できない

3-1.情報がブラックボックス化してしまう

社内のネットワーク情報や機器管理などを情シス担当者が一人行っているため、属人化しやすいことがひとり情シスの問題点です。担当者が退職した際、ドキュメント化されていないなど引き継ぎがうまくいかないと、必要な情報がわからなくなってしまいます。

最悪の場合、今まで使用していたシステムが利用できなくなる、運用を変えざるを得なくなることもありえるでしょう。

3-2.後任をすぐに確保できない

そもそもひとり情シスに陥る原因のひとつとして人手不足を挙げたように、すぐに後任となる人材を確保できるとは限りません。新しいIT人材不足の昨今では、新しい人材を確保するのが難しいため、ひとり情シス担当者が退職後にもとの運用へ戻せるまで、時間が掛かってしまうケースがあります

それまでのつなぎに後述の「兼任情シス」を採用する場合も、別の問題が発生する可能性があるでしょう。

3-3.専門知識を持ち合わせていない総務が情シスを兼任

IT人材の確保ができなかったなど、さまざまな理由から専門知識を持ち合わせていない総務が情シスを兼任するケースも見られます。「兼任情シス」では、本来の業務と合わせて負担が倍増する点がネックです。

その結果、どちらかの業務が疎かになってしまい対応品質が低下してしまうのは避けられません。さらに、兼任情シスの担当者がITスキルに長けているとは限らず、セキュリティ周りを始めとしていくつかの問題が浮かび上がってしまいます。

3-4.突発的なトラブルに対応できない

ネットワークトラブルの対応には経験とノウハウ蓄積が重要ですが、情シス担当者がいなくなってしまうと解決までにかなりの時間や手間がかかります。必要に応じてアウトソーシングでネットワークトラブルの対応を外注するケースも見られますが、社内の簡単なヘルプデスク対応までしてくれる請負業者は多くありません。

重大なトラブルの場合は、業務進行にも影響が出てしまうでしょう。

ココがポイント


安定した企業運営には情シスに詳しい人材のサポートが欠かせない

4.ひとり情シスの問題を解決する3つの対策

4.ひとり情シスの問題を解決する3つの対策

さきほど紹介したひとり情シス転職後の問題、またはひとり情シスに現状生じている問題を解決する対策について紹介します。

  • ブラックボックス化の回避策をまとめる
  • ひとり情シスの負担軽減策をまとめる
  • 業務プロセスの自動化を促進する

4-1.ブラックボックス化の回避策をまとめる

ひとり情シスの担当者が転職・退職したあとのブラックボックス化を避けるため、担当者以外でも情報にアクセスできるようドキュメント化しておくのが大切です。社内の機器管理台帳を作成するなど、いつでも必要な情報を見返せる環境を作りましょう。

また、ブラックボックス化の回避策は定期的な更新が重要です。いざひとり情シスが退職・転職したときに内容を見てみると、情報が古くて参考にならない事例も少なくありません。「ブラックボックス化の回避策をテキスト化する」「定期的な更新を忘れない」といった対応を心がけましょう。

4-2.ひとり情シスの負担軽減策をまとめる

業務の負担集中を軽減するために、社内向けのマニュアルやFAQの整備も有効です。ほかの社員が問題やトラブルを自己解決できる手段が充実すれば、情シス担当者への不要な問い合わせを減らます。

その結果、ひとり情シスの業務負担を大幅に削減できるのがメリットです。また、同時に社内のITリテラシー向上が見込めるのもひとつのポイント。自己解決スキルも身につくため、不要なやり取りを減らして業務の効率化も見込めます

4-3.業務プロセスの自動化を促進する

「ひとり情シス」など情報システム部の人数が少ないからこそ、スピーディな対応が必要です。そのためには業務を効率化できる便利なツールを利用し、業務プロセスの自動化を促進するのがベストです。

近年では、業務の効率化を実現するツールとして、電話ではなくチャットツールを利用する企業も増加しています。問い合わせの多い内容を網羅したFAQサービスも効率化に貢献する手法のひとつです。

なかには、定型業務を自動化するRPAツールの活用や、一部のサービスデスク業務の代行業者へアウトソーシングする事例も。ほかにも、社内の機器管理をIT資産管理ツールで行うなど、業務プロセスの効率化によってひとり情シスの負担を軽減する仕組みは多数存在します。

5.ひとり情シスの転職問題を解決する情シス代行サービス

5.ひとり情シスの転職問題を解決する情シス代行サービス

「ひとり情シス」を取り巻く問題に、限界を感じている企業は多いのではないでしょうか。解決策のひとつとして最近注目されているのが、システムの運用を簡易化・アウトソーシングできる情シス代行サービスです。

情報システム部門といっても会社の規模や業種によって抱える課題は異なり、会社内部で解決しようと思ってもなかなかできずに改革できないケースも少なくありません。

弊社の「トータルITヘルパー」情シス代行サービスは、企業の情報システム部の業務をサポート、もしくは丸ごと引継ぎするサポートです。IT機器のトラブル解決や操作方法などの社内ヘルプデスク対応から、システム構築など技術を要する作業まで対応しています。

ヘルプデスクなどを外注するだけでも、ひとり情シスの負担を軽減できます。また、ひとり情シスの転職や退職に対するサポートも可能です。さまざまな保守にも対応していますので、貴社ごとのニーズに合わせて幅広い対応を行います。

  • 高品質で低価格だから導入しやすい
  • 社員の入退社によるPC設定も全てお任せ
  • もしもの時の訪問対応

5-1.高品質で低価格だから導入しやすい

専門知識を持つスタッフがお客様のネットワーク問題、アカウント情報を共有し迅速に問題解決します。また、PC1台3,000円からIT資産管理を代行可能です。たとえば50台申し込み頂いたとしても、年額180万円。IT人材を新規に1人雇用する費用に比べて、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。

5-2.社員の入退社によるPC設定も全てお任せ

社員の新入社や定期的なPCの入れ替えなど、PCのキッティング設定・社内ネットワーク構築、VPN構築、サーバー環境の構築からライセンスやアカウント情報の管理等幅広く保守対応させていただきます。

5-3.もしもの時の訪問対応

お電話や遠隔操作だけでは解決できない事例でも、保守規定内であれば技術者の訪問対応が可能です。

日本各地の支店やグループ企業とも連携をとれるため、各地方都市でもお伺いします。

「トータルITヘルパー」は、グループ1200名を超えるIT総合商社の基盤がもたらす幅広い対応可能範囲、100万件以上の対応で培った解決力に特化したノウハウ、驚異的なコストパフォーマンスで貴社の情報システム管理の課題を解決します。そのうえヘルプデスクでは、PC操作やネットワーク不調、office365などのクラウドサービスの保守まで幅広く対応します。

当社の情シス代行サービスを利用した人の94%が、業務効率化とコストダウンに成功した実績を持つ「トータルITヘルパー」。情シスの効率化や外注が気になる方はぜひ一度お気軽にご相談ください。

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  • この記事を書いた人

中野翔太

船橋事業所の課長を勤めています。2人の子供と遊ぶ時間を大切にしながら、日々仕事に邁進しています。私の知識や経験が、皆様のお役に立てば嬉しいです! 保有資格:MOSExcel2013 Expert、MOSWord2013、MOSAccess2013、MOS2013Master、.COMMaster Advance★★、基本情報技術者、FP3級

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