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情シス業務の丸投げは危険!?上手にアウトソーシングを活用する方法

「煩雑な情シス業務を丸投げしたい!」
「他部署との兼業情シスでマルチタスクに追われている」
「情シス業務が幅広く負担が大きい」

幅広い業務を担う情シスでは、専門性のあるスキルが求められるなど、自社だけのリソースで補うのは大変だと頭を悩ませる方も多くなっています。そこで、情シス業務を外部のベンダーに丸投げしてしまうケースもあります。

しかし、情シス業務を丸投げできる企業があるとしても、すべてをアウトソーシングで外注すれば問題解決、という訳でもありません。楽を求めて情シス業務をベンダーに丸投げしてしまうと、後々大きなトラブルを招いてしまう可能性があるのも事実です。

この記事では、人手不足で情シス業務の丸投げを検討している方へ向けて、上手にアウトソーシングを活用するためのコツや、メリット・デメリットについて徹底解説します。

1.情シスの人手不足とアウトソーシングの現状

情シスの人手不足とアウトソーシングの現状

現在、お勤めの企業には情シス担当者(情シス業務専任)は何名いますか?

株式会社バッファローが実施した「情シス業務の外部委託に関する実態調査」によると、中小企業の71.2%が「専任情シス担当者が5名以下」だと回答しています。
さらに、情シス業務による悩み事では「技術的なスキル不足(51.4%)」「人材不足(32.4%)」と回答されており、44.1%が業務量に対して情シス担当者の人数が足りないと述べられています。

働き方改革による残業規制などで時間や人手が足りていない、人手不足により担当者の勉強をする時間を確保できないなどから、スキル不足に頭を悩ませている担当者も少なくないようです。

そこで、回答者のうち70.3%の中小企業は、すでに情シス業務のすべて、または一部をアウトソーシングしていると回答しています。

アウトソーシングを検討する理由や踏み切った理由として「専門的知識・スキルを持つ人材が社内にいない」「IT人材の採用コストを削減したい」「情シス担当者の負担を軽減したい」などが上位に挙げられており、さまざまな課題からアウトソーシングの利用者が多くなっているのが現状です。

2.情シス業務の丸投げが危険な理由

情シスの丸投げが危険な理由

情シス業務でさまざまな課題を抱えている企業が多いなか、「情シス業務そのものを丸投げする」といった判断を下すケースも少なくありません。「丸投げ」ができれば業務負担が減り、今よりも確実に「楽」になります。

しかし「丸投げ」すると言うと、どのようなイメージが湧きますか?ちょっと無責任なニュアンスに聞こえそうですね。後から問題が起きたときに、どこに責任があるのかが問われ、「誰がどのように対応するべきだったのか」と議論になることが予想できます。

このようなリスクを防ぐために「丸投げ」ではなく、適切な依頼と連携を実現するため依頼内容を明確にし、統制が取れた状態でアウトソーシングを利用するのがベストです。
ここでは、情シス業務を丸投げするリスクについて、危険視される理由を解説します。

2-1.社内でノウハウを蓄積できない

情シス業務を丸投げしてしまうと、「システムの運用方法」「トラブル時の対応」「管理状況」などのノウハウを蓄積できないのが課題です。仮に同じ問題が繰り返し発生しても、そのたびに解決策を探り、1つの作業に時間がかることで業務が効率的に行えない懸念があります。

また、新しいシステムを導入する際のノウハウも、自社で行う経験を通して得られるスキルのひとつです。情シス業務を外部に丸投げしていると、上記のノウハウを社内に蓄積できず、いざという時に対応できなくなるリスクがあります。

2-2.業務がブラックボックス化する

情シス業務を丸投げしていると、「社内で誰もアウトソーシングしている内容の詳細を知らない」「対応方法を知らない」といった状態になる恐れがあります。業務がブラックボックス化してしまうと、外部への丸投げから自社に戻す内製化がしづらくなってしまうのも事実です。

さらに、業務の監視や統制が難しくなり、セキュリティや品質管理の面で問題が発生するリスクも高くなります。そのような状態にしないためにも、ベンダーと密にコミュニケーションをとり、都度フィードバックを受けるなどベンダー側が行った対応を知っておく必要があります。

2-3.外部のベンダーに依存してしまう

情シス業務を丸投げすると、アウトソーシング先に依存してしまいベンダーとの関係が対等ではなくなるのも危険な理由のひとつです。

ベンダーが事業を終了したり、契約を解消したりする際、後任の企業へ引き継ぎをスムーズに行えなくなる可能性があります。また、ベンダーへの依存が高まると価格交渉等において不利な立場に置かれる可能性があるのも課題です。

自社でシステムやIT環境を理解できないため、ベンダーの言いなりになってしまい、「不必要なコストの発生」や「最適なシステムの導入ができない」といったリスクがあります。

3.情シス業務を適切にアウトソーシングした場合のメリット

情シス業務を適切にアウトソーシングした場合のメリット

情シス業務を丸投げするのにはいくつかのリスクがある一方で、自社が統制を取った適切なアウトソーシングであれば、問題なく業務を効率化できるメリットがあります。
情シス業務を適切にアウトソーシングした場合のメリットは以下のとおりです。ここでは、各メリットについてそれぞれ解説します。

  • 簡単にリソースを確保できる
  • コア業務に専念できる
  • 専門性の高いプロに任せられる

3-1.簡単にリソースを確保できる

情シスを丸投げせず適切にアウトソーシングすれば、簡単にITリソースを確保できるのは大きなメリットです。IT人材は需要が高く、自社で情シス担当者を増やすには場合〈求人を掲載する〉〈面接・採用を行う〉〈入社準備〉〈育成〉など時間やコストがかかります。

また、優秀なIT人材を確保するためにはよりコストをかけて求人をしなければなりません。ですが、情シス業務をアウトソーシングする場合は、ご契約後すぐに業務を依頼できるため、自社で採用を進めるよりもスピーディかつ低コストで始められます

3-2.コア業務に専念できる

情シスで生産性の低い業務を丸投げすれば、担当者が本来のコア業務に専念しやすくなるのも大きなメリットです。本来、情シス担当の業務はIT戦略の立案やセキュリティ対策などがコア業務です。

しかし、キッティング作業やヘルプデスク対応など、作業的な業務の負担が大きくなりコア業務まで注力できない事例も珍しくありません。

特に、ヘルプデスク対応は「いつ問い合わせが来るか分からない」「問い合わせが重なってしまうと対応が回らない」「社内全体の業務効率に影響が出る」といったリスクがあり、早急に対応する必要があります。

そのような単純作業・スポット的にリソースが必要な情シス業務も、アウトソーシングに一部分を丸投げすることで突発的な問い合わせに対しても対応できるようになります
情シス担当者はスケジュールを組みやすく、コア業務や社内システムに関する業務など外部に依頼が難しい業務を効率的に行えるのがメリットです。

3-3.専門性の高いプロに任せられる

情シス専門業者へのアウトソーシングは、専門性の高いプロを即日採用できるメリットにも繋がります。自社で採用・育成を行って一人前の情シス担当を育てるにはさまざまな時間が掛かるのも事実です。

そこで、情シスを専門家に丸投げすれば、「育成の時間」「教育担当社員の負担」「業務品質のばらつき」といったコストやトラブルを最小限に抑えられます。現場のIT担当者に掛かる負担を抑えられるため、退職リスクを低減できるのもメリットです。

アウトソーシングを活用して専門性の高いプロに任せれば、得意分野などのばらつきもなく、安心して業務を外注できます。

4.情シスのアウトソーシングを成功させるポイント5つ

情シスのアウトソーシングを成功させるポイント5つ

情シス業務をアウトソーシングすればさまざまなメリットを得られるものの、完全に丸投げ状態ではいくつかの課題が残されているのも事実です。

ここでは、情シスのアウトソーシングを成功させるポイントについてそれぞれ解説します。

4-1.情シス業務を丸投げするリスクを理解しておく

前述した通り、情シス業務を丸投げしてしまうと「ベンダーへの依存」「ブラックボックス化」「ノウハウが蓄積されなくなる」などのリスクが発生します。

そのため、リスクを最小限に抑えるために適切な運用体制を構築し、ベンダーと密なコミュニケーションを図ることが重要です。「都度フィードバックを受ける」「マニュアルを共有する」など、ベンダーとの連携力を高めて丸投げのリスクを減らしましょう。

4-2.業務を棚卸して、アウトソーシングする範囲を決める

アウトソーシングに情シス業務全体を丸投げするのではなく、棚卸をして、ある程度の外注範囲を定めることがもっとも理想的な利用方法です。

思いつきで「あれも、これも」とアウトソーシングしてしまうと、管理や統制が取れなくなってしまい、業務のブラックボックス化につながります。

何を(どんな作業を)依頼し、どの程度の権限を渡し、どの程度の品質を求めるかを明確にして依頼を行えば、情シスのアウトソーシングを成功させやすくなります。

4-3.双方の責任範囲を明確にする

アウトソーシング契約を締結する前に、企業とベンダーそれぞれの責任範囲を明確に定義しておくことが重要です。トラブル発生時の責任所在を明確にして、スムーズな問題解決を実現できるようになります。

「どこまで対応をする」「特定の対応を行う時には〇〇さんへ確認を取ってから」「ベンダーが触れる権限を制限する」など責任の範囲は、大きなトラブルの元です。

どこまでの対応をどの程度誰が行うかを明確にしておかないと、実際に問題が起きたときには責任の押し付け合いやトラブルの原因となる懸念があります。あらかじめ責任の範囲を明確にしておけば、安心してアウトソーシングを活用できます。

4-4.管理・監督を怠らない

アウトソーシング後も、ベンダーの業務状況を定期的に確認し、適切な管理・監督を行う必要があります。丸投げで任せっぱなしにするのではなく、常に状況を把握して必要があれば改善指示を出すなど、主体的に関与していくことが重要です。

そのためには、定期的な報告会や進捗確認を実施して、ベンダーとの情報共有や意見交換を積極的に行う必要があります。また、KPIを設定し、ベンダーのパフォーマンスを定量的に評価することも重要です。

4-5.信頼できる業者を選ぶ

信頼できる業者選びは、アウトソーシングを成功させる鍵と言えます。実績や評判、技術力などを考慮し、自社に最適な業者を選びましょう。安さだけで判断すると、サービス品質が低かったり、セキュリティリスクが高まったりするリスクがあります

いい加減な業者にアウトソーシングしてしまうと、問題が生じてより対応が大変になってしまう懸念が想定されるのも事実です。

もちろん、金額だけでアウトソーシング先を選んでしまうのも危険です。また、金額の安さを重視してしまうと、サービスの範囲が狭かったり、希望の対応をしてもらうのにオプションの追加料金が掛かってしまったりと、総合的なコストが膨らむ事例も珍しくありません。

アウトソーシング業者を選ぶときには、実績が豊富で柔軟に対応ができる企業なのかを事前に確認し選定を進めることをおすすめします。また、口コミをチェックして公式サイト以外での情報収集も有効です。

まとめ

まとめ

情シス業務のアウトソーシングには多くのメリットがある一方で、完全に丸投げする際はいくつかの注意点があります。しかし、リスクをしっかり理解し対策を行っていれば、情シス業務のアウトソーシングで大幅な業務効率化を見込めるのも事実です。

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ヘルプデスク対応においては通常の電話対応・リモート対応に加え、もしもの時の訪問対応なども対応しているのが特徴です。

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  • この記事を書いた人

MD_Miura

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