「情シスの仕事は業務委託可能か?」このことについて、結論から言うと、情シスの仕事はアウトソーシング(外注・外部委託)が可能です。
実際に、ひとり情シスやゼロ情シスなど、情シスにおけるリソース不足が懸念されるなか、システム管理など業務の一部を外部へ委託する企業が増えています。
ほぼ全ての業務を委託している企業や、社内リソースを補う部分のみ委託する企業など、社内事情によってアウトソーシングサービスの利用方法はさまざまです。
本記事では、情シスの仕事を委託することのメリットとデメリットを解説したうえ、アウトソーシングの対応範囲や委託先の選び方についても詳しく解説します。
目次
1.情シスの仕事を業務委託する理由
情シス業務のアウトソーシング(外注・外部委託)を検討する場合、現状で社内情シス部のリソース不足に悩んでいる場合がほとんどでしょう。多くの企業では、主に以下の理由で業務委託を依頼しています。
- IT人材を補うため
- 採用費・人件費の抑制
- 情シス担当への負担軽減
- 「専門的な知識がない・管理できない」を解決
1-1.IT人材を補うため
業務の効率化を図るためには、情報システム部の強化はかかせません。実際、多くの企業にとって情シス部の強化は課題のひとつになっています。
優秀なIT人材は需要が高いため、求人サイトをみてみると月給50万~80万の高額な給与での求人広告を出している企業も多いです。しかし、情シス人員にそこまでのコストを割けない企業も多く、結果として優秀なIT人材の確保が難しくなります。
そこで、IT人材を“雇用”ではなく“業務委託”をすることにより、採用などの手間を省きつつコストを抑え、外部の優秀な人材によって社内の情シス強化を図ることができます。
ココがポイント
業務委託により採用の手間を省きつつ、コストを抑えてIT人材を補える
1-2.採用費・人件費の抑制
情シス担当者を各企業で採用する場合、かかる費用は毎月の給与だけではありません。採用・研修・給与のコストが必ずかかります。
もともと社内で雇用していた情シス担当が新任の研修にあたる場合、研修の期間は業務負担が増えるため残業時間の増加にもつながり、結果としてさらなるコストを生むことになります。
また業務に手いっぱいで研修がおざなりになってしまっては、せっかく採用しても、早期退職や研修期間が長くなるなど、さらなるコストがかかる場合も想定されます。
そのため、情シス人材は雇用よりも業務委託するほうが、結果的にコストを抑えることができるのです。
1-3.情シス担当の負担軽減
情シスの業務は多岐にわたりますが、売り上げに直結しない仕事が多いためコスト部門として見られがちです。そのため、コスト削減のために情シス人材を減らす企業も多く、担当者を1人しか置かない「ひとり情シス」や、他部署と兼任で行う「ゼロ情シス」で運用をしているパターンが多くみられます。
兼任やひとり情シスでは業務の消化が間に合わず、業務過多による残業時間の増加・オーバーワークなどが起きてしまうため、ブラック企業化や退職の問題へとつながることが懸念されます。
そこで、ヘルプデスク・サービスデスク業務など、一部業務のアウトソーシングなどの情シス代行を外部に委託することにより、情シス社員の負担が軽減できます。
サブ業務にかかっていた負担を減らすことができれば、本来のコア業務へ集中することができ、社内の業務効率化も進めやすくなります。
1-4.「専門的な知識がない・管理できない」を解決
一口に情シス担当と言っても、必ずしも専門知識のある人材が担当しているとは限りません。
経営者がITに疎い場合、PC操作が多少得意なだけで情シス担当を任されてしまうこともあります。そうした場合、PCトラブルは解決できても、ネットワーク障害、サーバー保守、セキュリティに関しては“からっきし”ということ少なくありません。
このような場合にも、情シスのアウトソーシングサービスは専門知識の乏しい担当者にとって有益となります。情シスのアウトソーシングサービスでは、電話やメールでの相談窓口も設置しているため、情シス関連の業務で不明点がでたときには即座に相談することが可能です。
情シス担当者が困ったときの相談窓口としてアウトソーシングサービスを利用すれば、安心して業務に取り掛かることができます。
2.情シスを業務委託するメリット
情シスを業務委託する際のメリットをまとめると、以下の3つがあげられます。
情シスを業務委託するメリット
- 社員の業務負担を軽減できる
- 業務のブラックボックス化・属人化を防ぐことができる
- コストを削減できる
2-1.社員の業務負担を軽減できる
社員の負担軽減は、アウトソーシングの一番のメリットといえます。
情シスのメイン業務は、業務効率化のための社内システムの構築です。そのために、社内で使用するための各種システムのインフラ・クラウドなどの導入・運用・保守を行います。さらに、情シスはサブ業務として端末の操作方法やアカウント確認などの、社員や顧客からの問い合わせに応えるヘルプデスク・サービスデスク業務なども行っています。
ひとり情シスや兼任のゼロ情シスの場合、もともと多い情シス業務の消化ができず、業務過多に陥りやすくなります。そのため、担当者のモチベーションの低下につながりやすいほか、残業代などの人件費の増加の問題も発生します。
そうした現状の場合、情シス業務を外部に委託することで、情シス担当の負担を大幅に軽減できます。さらに、ヘルプデスク業務等の代行によってユーザーの問い合わせを即時に解決できることにより、社内全体の負担軽減、作業効率向上が見込めます。
2-2.業務のブラックボックス化・属人化を防ぐことができる
多くの企業では、情シス担当者にすべての管理を任せっきりにするなど、ブラックボックス化・属人化してしまっています。
そのような状態では、業務で負担がかかるだけではなく特定の担当者しか業務の進め方が分からず、担当者不在の際に対応ができなくなってしまいます。いざ担当者の欠勤、長期休暇、退職の問題が生じた際には対応ができず、一から手探りで対応していく必要が出てきてしまいます。
情シス代行(アウトソーシングサービス)を利用することにより、情シスの業務管理を外部に委託できるようになるため、ブラックボックス化・属人化を回避できます。 さらに、アウトソーシングサービスを利用していれば、1人の社内情シス担当者にいちいち確認をとる必要がなくなり、いつでも不明点を確認できる点もメリットです。
ココがポイント
外部委託により業務のブラックボックス化や属人化を防止できる
2-3.コストを削減できる
どの企業でも不要なコストの削減は大きな課題かと思います。そのなかで、売り上げに直結しない業務の多い情シスはコスト部門と思われ、削減対象にされてしまうこと多いです。しかし、情シス担当こそ社内のセキュリティやサーバー保守などの重要な役割を担うため、必須の人材であり、慎重な人選が必要です。
通常、情シス担当に限らず中途社員を1名増員する際にかかる採用コスト(採用単価)は63.6万~108.5万、平均コストは84.8万円※かかるといわれます。
さらに、採用した情報シス担当者の平均年収は497万円※とされているため、情シス担当者の増員後も給与に多くのコストがかかると想定されます。自社で情シス人材を採用する場合、上記の給与に加え、研修費等の必要費用が必ず発生します。
情シス代行サービスを利用すれば、これらのコストは一切かかりません。情シス代行サービスへの委託費用と比べても、企業にとってコスト面のメリットは大きいといえます。
アウトソーシングサービスの利用で、 年間での人件費の抑制できるほか、人件費の負担を「ゼロ」にすることも可能です。
※従業員規模別の平均中途採用コスト(出典:リクルート 就職みらい研究所「就職白書2019」)
※引用:求人ボックス.com「社内SEの年収・時給」調べ
3.情シスを業務委託するデメリット
情シスの業務委託は企業にとってメリットの多いサービスですが、もちろんデメリットもあります。
主なデメリットは以下の2つです。
情シスを業務委託するデメリット
- ノウハウが社内に残りにくい
- 導入後にギャップが起こる(場合がある)
3-1.ノウハウが社内に残りにくい
ヘルプデスク代行・情シス代行など、情シス業務の一部を委託する場合、基本的には分からないことを代行サービス業者に問い合わせて解決する流れになります。
電話誘導やリモートでの対応の場合は、どのように解決したのかをお客さまの方で控えることは少なく、社内にノウハウが残りにくくなります。社内に情シス担当者がいる場合、すでに社内マニュアルが作成されている場合が多いですが、発生した問題・不明点をマニュアルに残しにくい点はデメリットといえます。
ただし、社内で対策をとり、問い合わせごとにマニュアル作成・社内共有等の対応をとることで解決できます。
ココに注意
マニュアル作成や社内共有など、ノウハウを社内に残すための対応が必要
3-2.導入後にギャップが起こる(場合がある)
情シス代行サービスは、提供している企業により対応範囲や料金が異なります。情シス代行の表記だけ見比べて選ぶと、いざ利用してみると以下のようなギャップが起きる場合があります。
・「料金の安い企業と契約したら対応内容はヘルプデスクのみだった」
・「金額の高いサービスを選んだのに思っていたサービスとは違った」
契約する際には、まずはしっかりとサービス内容の確認をし、具体的に希望する内容がある場合は、対応できるのか事前に確認が必要です。確認さえ行っていれば、無くすことのできるデメリットになります。
4.情シス業務委託の対応範囲
情シス業務の代行サービス(アウトソーシングサービス)では、次のような業務が委託・対応可能です。
- PC管理・設定
- ヘルプデスク
- サーバー構築・保守
- ネットワーク保守
4-1.PC管理・設定
PC入れ替え時の端末の調達や端末の導入後、すぐにお使いいただけるようにキッティングなどを行います。
4-2.ヘルプデスク
PC・タブレット操作やソフトウェア、サーバー、プリンタ等ネットワークトラブルを、電話やリモートにて解決のお手伝いをいたします。
4-3.サーバー構築・保守
Webページの情報、ファイルの保存、メールなどのインターネット回線を用いたサービスの構築や、トラブルが起きた場合の復旧作業や故障の修理対応などを行います。
4-4.ネットワーク保守
社内のネットワーク機器のメンテナンスやアップデート、トラブルのサポートをチャット、電話、リモート、訪問などで解決します。
4-5.訪問・出張サポート
情シス代行のサービスでは常駐、定期訪問、緊急トラブル時の訪問など種類があります。
日本各地の支店やグループ企業との連携をとり、お電話だけでは解決できない事例の訪問対応、保守などでの定期訪問対応も可能です。
5.情シスにおける業務委託先の選び方
実際に情シス業務をアウトソーシングサービスに委託する場合は、注意すべきポイントがいくつかあります。
ここでは、次の3つのポイントについて、どう選べばよいかを解説します。
- 対応範囲
- 料金
- 実績
5-1. 選び方① 対応範囲
「情シス代行として業務のほとんどを対応してほしい」
「ヘルプデスクの作業に追われるため、ヘルプデスクの業務代行のみ利用したい」
など、企業によっても要望はそれぞれです。
業務委託できる範囲は提供企業によってさまざまなため、契約する前に必ずどこまで対応できるのか、訪問はできるのかなどの重要ポイントは確認しておく必要があります。
まずは、自社情シスにどの程度の業務委託が必要なのかを現状から考えておきましょう。
ココがポイント
まずは自社の情シスに必要な業務委託範囲を考えることが必要
5-2. 選び方② 料金
情シス代行サービスにかかる料金は、企業や対応範囲により異なります。そのため、情シス代行を依頼する前には、使用できる予算や希望の対応範囲を確認しておく必要があります。
また、万が一の緊急訪問など、追加料金がかかる項目があるかどうかも確認しておきましょう。
5-3. 選び方③ 実績
情シス代行サービスを提供している企業の実績も、重要な判断材料になります。
ホームページを確認すると、企業によっては何社と契約があり問い合わせが年間どのくらいあるのか、トラブル解決率はどのくらいなのかなど、「実績」が記載されています。
料金や対応可能範囲が同程度の企業と迷ったときには、実績がある企業を選択したほうが、安心して導入できます。
6.トータルITヘルパーの情シス代行サービス
トータルITヘルパーの情報代行サービスとは、情報システム部の業務をサポート、もしくは丸ごと引継ぎするサポートです。
IT機器のトラブル解決や操作方法などの社内ヘルプデスク対応から、システム構築などの技術を要する作業まで幅広く対応しています。
トータルITヘルパーの強みは、以下の5つ。
トータルITヘルパーの強み
- 情シス業務を丸ごと引継ぎ
- IT機器のトラブル解決
- ヘルプデスク対応
- システム構築もお任せ
- PC1台3,000円の安心の料金設定
6-1.情シス業務を丸ごと引継ぎ
トータルITヘルパーなら、情シスが行っている業務を丸ごと引継ぎが可能です。
ひとり情シスや他部署の兼任によるゼロ情シス運用をしている場合、丸ごとお任せいただければ、情シスのリソース不足に悩むこともありません。
社内の情シス管理は弊社が引継ぎますので、本来の業務に注力いただけます。
6-2.IT機器のトラブル解決
PCや無線ルーターの使用時には、フリーズや機器アップデートによる緊急トラブルがたびたび起こります。
そんなときに、トータルITヘルパーの即時トラブルの解決サポートでは、電話やリモートでの即時対応を行います。もしも電話口での解決が難しい場合には、訪問サービスにて解決も可能です。
6-3.167人の専門スタッフによるサポート
トータルITヘルパーでは、専門的な教育を受けた167人のスタッフが随時待機、問題解決に尽力します。
100万件以上のお問い合わせで培ったノウハウと高い技術力を有しているため、迅速にトラブルを解決いたします。
6-4.システム構築もお任せ
情報システムを構成するソフトウェアや機器、資材などを組み合わせて、高い技術・知識を有したスタッフがお客さまにあったシステムの導入や構成を行います。
6-5.PC1台3,000円と安心の料金設定
「アウトソーシングの予算が少ない」
「ひとり情シスで業務に追われている」
などの問題を、情シス担当を増員するより安価・低リスクで導入できるのが、トータルITヘルパーの情シス代行サービスです。そのため、コスト面でも安心して継続利用いただけます。
私たちの会社ではネットワーク、サーバー、複合機、ビジネスフォンなどグループ全体でさまざまな機器を扱っているため、お問い合わせ内容に対しての柔軟な対応が可能です。
グループ1,200名を超えるIT総合商社の基盤があるからこその、驚異的なコストパフォーマンスを実現しております。
情報システム部門のアウトソーシング先として、これまで30,000社以上との取引実績がございます。もし、お困りごとやご不明な点がありましたら、お気軽に問い合わせください。