COLUMNコラム

情報システム部

ひとり情シスとは?意味・現状・原因・解決策を徹底解説

「ひとり情シスという言葉を聞くけれど、具体的にどんな状態を指すのか分からない」
「ゼロ情シスや兼任情シスとは何が違うのか、整理して理解したい」

そんな疑問を抱える方は少なくありません。ひとり情シスは、情報システム部門の業務を社内の担当者ひとりで担っている状態を指す言葉で、近年は中堅中小企業を中心に深刻な経営課題となっています。一般社団法人ひとり情シス協会の調査では、従業員100名超の中堅企業の約3割でこの状態が生じているとされ、決して珍しい現象ではありません。

本記事では、ひとり情シスの意味・定義・類似用語との違い・現状データ・増加の背景・本人と企業の悩み・解決アプローチまでを、ハブ記事として網羅的に整理します。各論をさらに深く知りたい方は、本文中の関連記事リンクから掘り下げていただけます。

\94%のお客様がコストダウンを実感/

情シスの不満・お悩みを丸ごと外注してみる

たった1分でプロに相談

1.ひとり情シスとは?意味と定義

1.ひとり情シスとは?意味と定義

ひとり情シスという言葉は、近年のIT人材不足とともに広く使われるようになりました。まずは基本的な定義と、なぜ「ひとり」と呼ばれるのかを整理します。

1-1.ひとり情シスの定義

ひとり情シスとは、企業の情報システム部門の業務を社内のたったひとりの担当者が引き受けている状態を指します。表記には「ひとり情シス」「一人情シス」「1人情シス」の3パターンがあり、いずれも同じ意味で使われます。

情報システム部門の業務は、本来複数人で分担すべき広範囲にわたる仕事です。それを一人で担う体制が常態化している点が、ひとり情シスのもっとも大きな特徴です。

たとえば、社員50名の企業で、IT機器の選定からネットワーク管理、社員からの問い合わせ対応までを総務部の一人が兼務しているようなケースが該当します。専任とは限らず、他業務と掛け持ちで担っている実例も多く見られます。

呼称はひとつでも、実態はさまざまです。

1-2.なぜ「ひとり」と呼ばれるのか

厳密に1人体制でなくても、2〜3人程度の極端な少人数体制を含めて「ひとり情シス」と呼ぶ場合があります。これは、情報システム部門に求められる業務範囲の広さに対して、人数が圧倒的に足りていないことを表現する言葉として定着しているためです。

本来であれば、戦略担当・運用担当・サポート担当などに役割を分けて分担するのが理想です。しかし限られた人員で社内ITを支える状況では、誰もが全ての業務を抱えざるを得ません。

具体例として、従業員300名の企業で情シス担当者が2名いても、片方が退職や長期休暇に入ればもう片方が全業務をひとりで抱える状況になり、実質的にひとり情シスと変わらない負荷が生じます。

呼び名は人数ではなく、構造を表現していると言えます。

1-3.ひとり情シスが担う業務範囲

ひとり情シスの担当者は、本来であれば複数のチームで分担すべき広範な業務をひとりで引き受けている状態です。専門性の異なる仕事が同時並行で発生するため、知識の広さと深さが同時に要求されます。

主な業務範囲は以下のとおりです。

  • 社内ネットワーク・サーバーの構築と運用保守
  • 業務用パソコンやスマートフォンの調達・設定・管理
  • 業務システム・クラウドサービスの導入と運用
  • セキュリティ対策・脆弱性管理
  • 社員からの問い合わせ対応(社内ヘルプデスク)
  • 外部ベンダーや開発会社との折衝
  • IT戦略の立案・DX推進

業務量だけでなく、対応する分野の幅広さも、ひとり情シスの負担を大きくしている要因です。

2.ひとり情シス・ゼロ情シス・兼任情シスの違い

2.ひとり情シス・ゼロ情シス・兼任情シスの違い

ひとり情シスと混同されやすい用語に「ゼロ情シス」と「兼任情シス」があります。それぞれの違いを理解しておくと、自社の状況を正確に把握できます。3つの違いを比較表で整理した後、個別に解説します。

区分 専任者の有無 主な特徴 主なリスク
ひとり情シス あり(1名のみ) 専任者が単独で全業務を担う 業務集中による属人化と退職リスク
ゼロ情シス なし 専任者不在、外部委託や兼任で運用 緊急時に社内で即応できない
兼任情シス なし(他業務と掛け持ち) 総務・経理などの社員が片手間で担当 専門性不足によるセキュリティ穴

2-1.ゼロ情シスとの違い

ゼロ情シスとは、社内に情報システム部門の担当者がまったく存在しない状態を指します。社内システムの運用を外部ベンダーやクラウドサービスに任せきりにしているケースが典型例です。

ひとり情シスでは「ひとりでも社内に専門人材がいる」のに対し、ゼロ情シスでは「社内に判断できる人材すらいない」点が決定的な違いです。緊急対応や経営判断の場面で、外部依存度がきわめて高くなります。

たとえば、サーバートラブルが発生したときに、社内で一次切り分けができず外部ベンダーの到着を待つしかない、新規システム導入の検討段階で要件定義ができないなどの状況が起きやすくなります。

●関連記事:ゼロ情シスとは?社内にIT担当者がいない状態のリスクと解決策 →

2-2.兼任情シスとの違い

兼任情シスとは、他部門の社員が本来業務の片手間で情報システム業務を引き受けている状態を指します。総務・経理・営業など、ITに少し詳しい社員が頼られて担当しているケースがほとんどです。

ひとり情シスとの違いは、専任かどうかにあります。ひとり情シスは曲がりなりにも情報システム業務に時間を割いて専門性を高めていきますが、兼任情シスは本業を優先せざるを得ないため、ITへの注力度合いがどうしても下がります。

具体例として、経理担当者が決算期はITトラブルへの対応が遅れがちになる、営業担当者が客先訪問中は社内の問い合わせを受けられないという状況は、兼任情シス特有の課題です。

専門性の蓄積という観点では、もっとも脆弱な体制と言えます。

3.ひとり情シスの現状と実態データ

3.ひとり情シスの現状と実態データ

ひとり情シスの広がりは、統計データで客観的に把握できる段階に来ています。代表的な3つのデータから現状を整理します。

3-1.中堅企業の約3割で発生

一般社団法人ひとり情シス協会が実施した実態調査では、従業員数が50〜500名の国内中堅中小企業の約3割でひとり情シスが発生しているとされています。中堅企業層に深く浸透している実態が見て取れます。

この割合は、コロナ禍を経たリモートワークの定着やDX推進が進むなかでも大きく改善していません。情報システム部門の重要性が増しても、人員配置がそれに追いついていない構造的な問題があります。

3割という数字は「ごく一部の例外的な現象」ではなく、「多くの中堅企業に共通する経営課題」であることを物語っています。

3-2.100〜300人企業の38%で1名以下体制

2018年に出版された清水博氏の書籍『ひとり情シス』(東洋経済新報社)の調査によると、従業員100〜300名規模の企業のおよそ38%で情報システム担当者が1名以下とされていました。これは数年前の調査結果ですが、その後も大きな改善は見られていません。

規模100〜300名の中堅企業は、もっともシステム化の需要が高まる一方で、専任の情シスチームを抱える予算余力が乏しい層です。この階層で人員配置が追いつかない状況が長く続いてきました。

従業員規模で言えば、ちょうど「足りない」と「足りる」の境目に位置する企業層に集中していると言えます。

3-3.規模別の発生傾向

ひとり情シスは、企業規模や業種によって発生のしやすさが変わります。中小企業や成長期のベンチャー企業で起きやすく、特に次のような条件が重なると顕在化します。

  1. 従業員50〜300名の中堅中小企業
  2. 急成長で社員数や拠点が短期間に増えた
  3. 製造業・物流業・サービス業など業務システム依存度が高い
  4. IT予算・人材確保への投資が後回しになりがち

これらの条件は、規模拡大期にどの企業も直面しやすい状況です。気づいたときには「うちはひとり情シスだった」となるケースが多いのが現実です。

4.ひとり情シスが増えている4つの背景・原因

4.ひとり情シスが増えている4つの背景・原因

ひとり情シスが減らない背景には、企業努力だけでは解消しきれない構造的な要因がいくつも積み重なっています。代表的な4つの背景を整理します。

4-1.IT人材の慢性的な不足

もっとも根本的な背景は、日本全体でIT人材が長期にわたって不足していることです。経済産業省「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会 最終取りまとめ(2025年5月)」によると、国内のサイバーセキュリティ人材は約11万人不足と推計されています。

情シスにはセキュリティ対策も求められるため、IT人材全般の不足は、情シス担当者の採用難に直結します。求人を出しても応募が集まらず、応募があっても他社との待遇競争で大手に流れていきます。

結果として、増員したくてもできない企業が大多数を占めることになります。

4-2.経営層のIT理解不足

情報システム部門の業務は、直接的な売上には結びつきにくく、経営層から見えにくい側面があります。IT知識が浅い経営者ほど「情シスは1人で足りる」と判断しやすく、人員増強の優先度が下がりがちです。

また、情シスの仕事は「何もトラブルが起きていない平常時」が当たり前と見なされやすく、未然防止の努力が評価されにくい構造があります。経営層への可視化が進まない限り、ひとり情シスからの脱却は難しくなります。

経営判断の優先順位が、ひとり情シスを生み出していると言えます。

4-3.クラウドサービスの浸透

近年はクラウドサービスの普及により、自社でサーバーを抱える企業が大きく減少しました。クラウド利用が広がれば情シス業務が減ると考えられがちで、結果として人員削減の判断につながるケースがあります。

しかし実態として、クラウド時代でも情シスの業務量は減っていません。サービス間の連携設定、アクセス権限の管理、シャドーITの把握など、新しいタイプの業務が次々と発生しています。クラウド導入と人員削減が同時進行すると、ひとり情シスに業務が集中します。

クラウド化が、皮肉にも一人体制を強める要因になっています。

4-4.リモートワーク・DX推進による負荷増

コロナ禍を経てリモートワークが定着し、社内ITの守備範囲が大きく広がりました。VPN環境の整備、端末の遠隔管理、ゼロトラスト型セキュリティの導入など、新たな対応が情シスに集中して降りかかっています。

加えてDX推進の旗振り役としても情シスが期待され、戦略策定から現場導入まで一人で抱えるケースが増えました。本来の運用保守業務に加えて、改善・刷新まで含めて担うのは、現実的に困難です。

働き方とビジネス環境の変化が、ひとり情シスの負荷をさらに押し上げています。

5.ひとり情シスが招く悩み・リスク

5.ひとり情シスが招く悩み・リスク

ひとり情シスの状態は、担当者本人にも企業にも、両面から負の影響をもたらします。本記事では概要を押さえて、詳細は関連記事に譲ります。

5-1.担当者本人が抱える悩み

ひとり情シスの担当者は、業務過多・属人化・孤立感・キャリア不安といった悩みを抱えやすい立場にあります。誰にも相談できず、判断と責任を全て一人で背負う精神的な重圧は想像以上です。

残業や休日対応が常態化し、家族との時間や自己研鑽の機会が削られると、モチベーションも下がっていきます。やがて「このままで良いのか」というキャリア不安にもつながります。

担当者本人の辛さや転職を考えるに至る背景については、別記事で詳しく整理しています。

●関連記事:ひとり情シスはなぜ辛い?担当者本人が感じる7つの理由と今日からできる対策 →

●関連記事:社内唯一のひとり情シスが転職!?情シスが転職してしまう原因と対策とは →

5-2.企業が直面するリスク

企業側にとってひとり情シスは、退職時の業務停止・属人化による引き継ぎ困難・後任採用難・セキュリティ事故といったリスクを抱える経営課題です。たった一人の不在で、社内ITが機能不全に陥る可能性があります。

とくに退職リスクは深刻で、属人化した業務をすべて言語化する時間が確保できないまま離職を迎えれば、後任者は手探りで業務を引き継ぐことになります。事業継続性に直結する重大な問題です。

企業視点での課題と退職問題の詳細は、関連記事で個別に解説しています。

●関連記事:【最新】ひとり情シス増加に伴う課題とは?課題解消の対策を解説 →

●関連記事:ひとり情シスの退職問題を解決!原因・リスク・対策をまとめて解説 →

6.ひとり情シスを解決する3つのアプローチ

6.ひとり情シスを解決する3つのアプローチ

ひとり情シスの解決には、社内体制・外部コミュニティ・外部委託という3つのアプローチがあります。それぞれの特徴を押さえて、自社に合った組み合わせを選びましょう。

6-1.社内体制の見直し

最初に取り組めるのは、社内の業務整理と仕組みづくりです。担当者が抱える業務を可視化し、マニュアル・FAQの整備、自動化ツールの導入、社員のITリテラシー向上などを進めれば、業務量そのものを減らせます。

加えて、評価制度を見直して情シス業務を正当に評価できる仕組みを整えることで、担当者のモチベーション維持と離職予防につなげられます。社内でできる対策を積み上げることが、解決の出発点です。

たとえば、よくある問い合わせをFAQ化して情シスへの問い合わせ件数を半減させる、IT資産管理ツールを導入して棚卸し業務を自動化するなど、現場の負荷を直接下げる施策が考えられます。

社内で完結する対策には、即効性と継続性の両方が期待できます。

6-2.コミュニティ参加で孤独感を解消

ひとり情シスの大きな悩みである孤立感は、社外のコミュニティに参加することで大きく軽減できます。同じ境遇の担当者と情報交換できれば、技術的な相談や悩みの共有が可能になり、精神的な負担が和らぎます。

勉強会、オンラインコミュニティ、業界団体のイベントなど、参加機会は年々増えています。知識の更新と人脈形成を同時に進められるため、長期的なキャリア形成にも役立ちます。

●関連記事:ひとり情シスが集まるコミュニティとは?活用するメリットと事例を紹介 →

6-3.業務をアウトソーシング

もっとも即効性のある解決策は、業務の一部または全部を外部に委託することです。ヘルプデスク対応・サーバー運用・セキュリティ監視など、定型化しやすい業務を外注すれば、担当者は戦略業務やDX推進に集中できます。

採用と異なり、契約から数週間で稼働を開始できる点も魅力です。月額制のサービスを活用すれば、人件費を増やさずに専門人材の力を借りられます。

●関連記事:ひとり情シスの課題を解決するアウトソーシングについて!選び方や導入のメリットも解説 →

7.ひとり情シス解決にはトータルITヘルパーの情シス代行サービス

7.ひとり情シス解決にはトータルITヘルパーの情シス代行サービス

ひとり情シスから抜け出す現実的な選択肢として、情シス代行サービスの活用を検討する企業が増えています。社内の負荷軽減と退職リスク低減を同時に実現できる手段として注目されています。

7-1.提供できる業務範囲・実績

トータルITヘルパーの情シス代行サービスは、企業の情報システム部門の業務をサポート、もしくは丸ごと引き継ぎするサービスです。IT機器のトラブル解決や操作方法の社内ヘルプデスク対応から、システム構築など技術を要する作業まで幅広く対応します。

167人体制で年間17万件・累計100万件超の対応実績、解決率97%、お客様満足度98.2%という運用品質で、ひとり情シスの業務を組織的に引き受けます。担当者一人の知識・経験に依存しない体制が、属人化リスクを抜本的に解消します。

主なサポート内容は以下のとおりです。

  • 情シス業務のサポート・代行
  • IT機器のトラブル解決
  • 社内ヘルプデスク対応
  • システム構築・運用
  • キッティング・PC設定
  • セキュリティ対策

7-2.利用料金プラン

トータルITヘルパーは企業規模・業務範囲に応じて選べる柔軟な料金体系を用意しています。ヘルプデスク中心の運用から、情シス業務全般の代行、キッティングを含むプレミアムプランまで対応可能です。

  1. ヘルプデスクプラン:PC1台あたり月額2,000円〜
  2. 情シス代行プラン:PC1台あたり月額3,000円〜
  3. プレミアムプラン(キッティング含む):PC1台あたり月額5,000円〜
  4. カスタマイズプラン:業務範囲に応じて見積もり

システム専任スタッフを新規雇用する場合と比較して、コスト・採用工数を大幅に削減できます。社内SE一人分の人件費よりも安価に、組織的な情シス機能を確保できるのが大きな利点です。

7-3.ひとり情シスから抜け出すなら早めの相談を

もっとも理想的なのは、担当者が限界を迎える前に外部パートナーと連携体制を整えることです。現職の担当者がいるうちに業務の棚卸しや引継ぎを進めておけば、退職リスクを未然に下げられます。

担当者の負荷軽減によってモチベーションを回復させ、戦略業務やDX推進に注力できる環境を整えることが、結果として企業のIT競争力を高める近道です。

もし、お困りごとやご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

\94%のお客様がコストダウンを実感/

情シスの不満・お悩みを丸ごと外注してみる

たった1分でプロに相談

  • この記事を書いた人

中野翔太

船橋事業所の課長を勤めています。2人の子供と遊ぶ時間を大切にしながら、日々仕事に邁進しています。私の知識や経験が、皆様のお役に立てば嬉しいです! 保有資格:MOSExcel2013 Expert、MOSWord2013、MOSAccess2013、MOS2013Master、.COMMaster Advance★★、基本情報技術者、FP3級

-情報システム部

Copyright © RIPPLE Co., Ltd. All rights reserved.

© 2026 情報システム部の業務の代行・委託・アウトソーシング丨トータルITヘルパー Powered by AFFINGER5