長期的なIT人材不足や業務過多による懸念から、情報システムの導入を検討している企業が増えています。
しかし、情報システムの導入においては、以下のような悩みも。
「情報システム導入のコストを上回るメリットはあるのか」
「情報システムの導入で、どのような業務を効率化できるのか」
情報システム導入にはコストもかかるうえ、情報システム部門の人手不足などでセキュリティや管理が疎かになるのではとの懸念もあります。そのため、初めて情報システムを導入する際は、情報システムとはどのようなものかの概要を知り、情報システムにおける課題等も把握したうえ、慎重に検討すべきです。
そこで今回は、情シス代行で年間対応件数17万件超のサポート人員を誇る、お客さま満足度98.2%の弊社が、情報システムの概要を解説します。
目次
1.情報システムとは?
情報システムとは、業務の効率を上げるためのシステムで、日々の業務で必要な大量の情報データを記録・処理・伝達するための仕組みのことを指します。
情報システムは、「基幹系システム」と「情報系システム」の2つに分類されます。
情報システムを導入した場合、「情報システム部門」が管理を行っていくことになります。
1-1.基幹系システム
基幹系システムとは、主に毎日の業務で使用する機能を1つにまとめたもので、売り上げや在庫管理等さまざまなデータの処理や過去の履歴が記録されているシステムです。
1-2.情報系システム
情報系システムとは、個々のPCにインストールされているOutlookやG suiteなどのメールソフト、ワークフローやスケジュールなど複数の機能をまとめたグループウェアなどを指します。
1-3.情報システム部門
情報システム部門とは、情報システム内の情報の管理や運営を担う部門です。
主にSE(システムエンジニア)が担当者となり、管理を行います。「情シス」とは情報システム部の略称です。
情報システム部門では、情報システムの管理だけでなく、社内で扱うサーバーやPC等の機器管理や、社員からの問い合わせ対応(サービスデスク・ヘルプデスク業務)、トラブル時の対応などを行います。
2.情報システムの仕組みについて解説
情報システムは、以下3つから構成されています。
- アプリケーション
- プラットホーム
- インフラストラクチャー
それぞれ簡単にご紹介します。
2-1.アプリケーション
アプリケーションとはOS(オペレーションシステム)に対応するソフトウェアやプログラムのことです。
最近ではSNSやマップなど、個人のスマートフォンでも各種アプリケーションを利用する機会が増えたため、イメージしやすいと思います。
業務で使用するアプリケーションには、ExcelやWordなどのOffice製品や、給与計算・経費計算などを行うソフトなどが該当します。
ITの世界では、アプリケーションや基幹システムの登場により、業務効率が大幅に改善されました。
例えば、情報システムができる以前は注文書や伝票処理を手作業で行っていたため、時間がかかるうえ、人的ミスなどの問題がありました。そこへアプリケーションや基幹システムが登場したことにより、注文書や伝票などの処理をコンピューターで行えるようになりました。
これにより、人的ミスの削減と社内の在庫や売り上げなどの情報の反映がスムーズに行えるようになっています。
ココがポイント
ITの世界ではアプリケーションや基幹システムの登場により業務効率が大幅に改善された。
2-2.プラットホーム
プラットホームとは、アプリケーションを動かすための環境を指し、OSやミドルウェアなどが該当します。
OS(オペレーション・システム)とは、PCなどを動かすための基本となるソフトです。
キーボードやマウス操作で入力した情報をデータとして伝達したり、ソフトウェアとハードウェアを仲介したりする役割を担っています。
ココがポイント
プラットフォームとはOSやミドルウェアのことを指し、OSはPCなどを動かすための基本となるソフトである。
2-3.インフラストラクチャー
インフラストラクチャーとは、ITシステムの基盤となる設備や要素のこと。
インフラストラクチャーは、俗に言う「インフラ」の略語です。
ITにおけるインフラストラクチャーは、IT技術を活用するためのハードウェアとソフトウェアの両方を指します。
ハードウェアには、PCやサーバーなどのネットワーク機器が該当します。加えて、LANケーブル、電源装置(UPS)なども含まれます。
ソフトウェアにはPCを稼働させるためのOSやソフトウェア、アプリケーションなどが該当します。
ココがポイント
ITにおけるインストラクチャー(インフラ)はハードウェアとソフトウェアの両方を指す。
3.情報システムは2種類!基幹系システムと情報系システムの違い
次に、基幹系システムと情報系システムの違いをもう少し深堀してご紹介します。
情報システムの管理は社内の情報システム部門が担いますが、「基幹系システム」と「情報系システム」では、それぞれ管理の仕方が異なります。
3-1.基幹系システム
基幹系システムは業務内容に直結するシステムのため、障害やトラブルが出ないように日々の監視や定期的な調整が必要です。
- 売上管理
- 顧客管理
- 在庫管理
- 勤怠管理
- 経費計算
- 給与計算
基幹系システムには日々の業務で利用する機能が詰まっています。そのため、通信障害やシステムダウンで基幹系システムが停止すれば、業務も停止してしまいます。そうなると、取引先へ迷惑がかかるなどビジネス機会の損失にもつながりかねません。
システム障害に対策するためには、定期的な確認の他にもセキュリティ対策等が必要になります。
しかし、基幹系システムに組み込まれた業務は停止してしまうと簡単には代用できないため、長期的な運用では老朽化の問題が生じる可能性もあります。
基幹系システムではスムーズな入れ替えや機能の再構築が難しいため、多くの企業で基幹システムの老朽化(レガシーシステム化)が問題となっています。
ココがポイント
基幹系システムはスムーズな入れ替えや機能の再構築が難しいため、多くの企業で老朽化が問題となっている。
3-2.情報系システム
主に取引先や社内のコミュニケーションツールとして使用される情報系システム。代用可能な機能も多いため、基幹システムと比べると管理も容易です。
- Outlook
- メッセンジャーツール
- ファイルを共有するためのサーバー
- 掲示板機能
- 共有スケジュール管理ができるグループウェア
システム障害の際も一時的に別の方法で凌ぐこともできるものが多く、入れ替え作業も基幹系システムと比較してスムーズに行えます。
ココがポイント
情報系システムは代用可能な機能が多いため、基幹系システムと比べると管理が容易である。
4.情報システムに関する職種
実際に情報システムを導入する場合、IT分野の専門家に依頼する機会もあるかと思います。
ITエンジニアにはさまざまな職種がありますが、その中でも情報システム構築に関わる業種として以下の3つをご紹介します。
- アプリケーションエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
4-1.アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアはシステム開発の作業を担当します。
情報システムにおける設計、プログラムの開発、開発したシステムの動作テストなどを担うエンジニアです。
必要なシステムの選定を行い、仕様を設計書にとりまとめ、設計書をもとにプログラムの作成、場合によってはテストを行うこともあります。
4-2.ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、サーバーやPCを専用機器に接続し、ネットワークを設計、構築、運用するエンジニアです。
企業の情報システムを運用するにあたり、ネットワークは不可欠です。
ネットワーク技術のみならず、各メーカーのOSや機器に対して幅広い理解や知識が必要になる職種です。
4-3.データベースエンジニア
データベースエンジニアは、商品情報や顧客情報などを格納するためのデータベースを構築・管理・運用をするエンジニアです。
データベースエンジニアでは効率的な運用を見据えた設計、開発が求められておりネットワーク技術、企業の重要な情報を守るためのセキュリティ技術など幅広い知識と技術も重要となります。
5.情報システム部門の課題
情報システム導入前には、今後どう情報システムを管理していくかも考える必要があります。
基本的には社内に情報システム部門を設け、専門知識のあるSEを雇用するかたちになります。しかし、実際のシステム運用には問題もさまざまあります。
情報システム部門の主な問題は、以下の3つです。
- 情報システム部(情シス)の人材不足
- 情報漏洩のリスク
- 基幹システムの老朽化
それぞれご紹介します。
5-1.情報システム部門(情シス)の人材不足
情報システム管理に関わるSEは、人材不足が問題となっています。
そのため、情報システム部門の人材不足により、中小企業の多くが担当者1人で稼働する「ひとり情シス」や他部署との兼任で行う「兼任情シス」での運用を行っています。
ひとり情シスの運用を続けてしまうと、担当者が不在の際に他の社員では対応ができず、障害の復旧に時間がかかる場合があります。
このような運用だと、1人の担当者が業務を抱え込み属人化、ブラックボックス化してしまうなどのリスクが高まります。
ITの人材不足といわれる中、優秀な人材の確保はどの企業でも重要なため、情報システム部の強化のために求人をだしても応募がなかなか集まらないなどの懸念があります。
ココがポイント
中小企業の多くが一人の担当者が業務を抱え込み、属人化・ブラックボックス化のリスクを抱えている。
5-2.情報漏えいのリスク
新型コロナウイルス対策の一環としてテレワークを導入した企業が増え、それに伴い情報漏えいの事故も増えています。
東京商工リサーチが行った「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)によると、2020年に上場企業とその子会社で、個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは88社、事故件数は103件、情報漏えいした個人情報は2515万47人分に達しています。
不正アクセスやサイバー攻撃による事故は、近年で増加の一途を辿っておりクレジットカード情報の流出や不正決済、不正出金に至るケースもあるため、巧妙化かつ高度化するサイバー犯罪に対するセキュリティ対策の重要性が、改めて問われています。
このように、外部からの攻撃へ対してのセキュリティ対策はもちろん行わなければなりませんが、情報漏えいの10%程度は内部不正によるものです。
テレワークの普及により個人端末の使用や許可されていないクラウドサービスへの機密情報のコピーや、外部への機密情報の提供などがあげられます。
カフェなどで仕事をするケースも増えていますが、トイレに立ったタイミングで端末の紛失や盗難が起こるのも、よく生じるケースです。そのため、情報システム部門は社外でのトラブル等も踏まえてセキュリティ対策を考えなければならず、リスク管理は情報システム部門の課題となっています。
ココがポイント
セキュリティ対策などのリスク管理は情報システム部門の課題となっている。
5-3.基幹システムの老朽化
多くの企業で課題になっているのが、基幹システムのレガシーシステム化(老朽化)です。
システムを長く運用していると、担当者が変わっていくケースも多くなります。そうした場合、老朽化によりシステム上の問題が発生しても、現在の担当者では対応できないケースも多いのです。このようなトラブルを防ぐためには新システムを導入するなど対策をとる必要がありますが、業務の中心になる基幹システムでは、簡単に入れ替えや再構築ができません。
日々の業務に欠かせない機能を多く搭載しているため、入れ替えの際に全体的に業務が停止してしまうリスクがあるのです。また、残すべき機能や新しく必要な機能の判断が難しく、新システムの導入に踏み切ることができない企業も多く存在します。
6.トータルITヘルパーなら情報システム部門の課題を解決
情報システム部門の運用に不安を感じる場合、情報システム部門をアウトソーシング(外注・外部委託)する方法もあります。
アウトソーシングを行えば、管理するSEの人材不足に頭を悩ます必要もなく、人件費等のコストも抑えられます。業務の属人化を回避することで、さまざまなリスクを回避できます。
情報システム部門のアウトソーシング先としておすすめしたいのが、弊社サービスの「トータルITヘルパー」です。
トータルITヘルパーに情シス業務をアウトソーシングするメリットは、以下の3つです。
- 設定や機器のアップデートもおまかせ
- 退職リスクをゼロに
- 緊急のシステム障害も即時対応
それぞれご紹介します。
6-1.設定や機器のアップデートもおまかせ
社員の入退社による各PCへの共有設定やメール設定など、新しく使用するPCでの設定はたくさんあります。
複数名のPC設定になるとより時間がかかってしまいますが、トータルITヘルパーなら煩雑な設定や、機器のアップデートまで対応いたします。
6-2.退職リスクをゼロに
ITの人材不足により情報システム部門の担当者の採用が難しい傾向があり、雇用できたとしても今度は退職等のリスクが考えられます。
既存の社員も、定年での退職や急な長期休暇などにより担当者が不在になってしまうケースはよくあります。
ITヘルパーに日常業務を委託しておけば、リスクを全て回避できます。
6-3.緊急のシステム障害も即時対応
定期的な運用業務でシステムの正常性を把握しアップデートなどを行っていても、急なシステムトラブルを100%回避することはできません。
「PCがフリーズして動かなくなってしまった」
「ネットがつながらなくなってしまった」
「電話がつながらない」
「メールの送受信ができない」
など、トラブルはさまざまです。
ITヘルパーなら、相談のお電話をいただければ即時に対応いたします。
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ITヘルパーは、グループ1,500名を超えるIT総合商社の基盤があるからこその、年間対応件数17万件越えのサポート人員を誇ります。
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