近年、インターネットの急速な普及に伴って、PCやサーバー、アプリケーションといったIT資産が必要不可欠な時代となりました。
こういったIT資産を安全かつ上手に活用するには、日々の資産管理が欠かせません。
IT資産には情報漏えいや不正利用などのリスクもあるので、IT資産の数や稼働状況などを適切に把握する必要があるでしょう。
しかしIT資産管理は、手作業で行うと膨大な時間がかかり、ミスが多発する可能性もあります。
そこで注目されているのが、IT資産管理ツールです。
IT資産ツールを利用すれば、IT資産台帳の作成や情報収集を自動化でき、作業効率の向上やセキュリティ対策の強化にもつながるでしょう。
そこで本記事では、IT資産管理ツールを活用するメリットやツールの選び方を解説します。
本記事の最後には、弊社が運営するIT資産管理代行サービス「トータルITヘルパー」も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.IT資産管理ツールとは?
IT資産管理ツールとは、企業が所持するIT資産(PC・ソフトウェア製品・ネットワーク機器等)の状況を可視化できるツールです。
IT資産管理ツールを利用すれば、コスト状況・ライセンス情報などの管理を効率よく安全に行えるメリットがあります。
なかには、「社内にあるPCの操作ログ」「サーバーに対しての接続監査に利用」「許可されてないデバイスがネットワーク内に接続した際の検知・遮断」などさまざまなセキュリティ機能が統合されているIT資産管理ツールも多く存在します。
ココがポイント
IT資産管理ツールを利用することで、IT資産の管理を効率よく安全に行える。
2.IT資産管理ツールを導入するメリット
近年では、生産性の向上・企業コンプライアンスの順守・個人情報保護の観点から、多くの企業でIT資産管理ツールの導入が進められています。
作業の効率化&ミスの削減に役立つため、情報資産・ライセンスなどの管理を担当する方や、ITの運用管理を担当する情報システム部門の方におすすめです。
IT資産管理ツールを導入する3つのメリットをご紹介します。
2-1.セキュリティの強化
業務軽減やコスト削減など、IT資産管理ツールにはさまざまなメリットがあります。なかでも、ネットワークのセキュリティ対策機能を備えたIT資産管理ツールは必見です。
企業にとって、個人情報や機密情報の漏洩・流出対策が必要不可欠です。
「1.IT資産管理ツールとは?」で簡単に説明しましたが、一般的なIT資産管理ツールならPCで実行された「サーバーへの接続・ファイル操作・起動状況等、ログを記録し管理をする機能」などを行えるメリットがあります。
ほかにも、社内のネットワークの接続状況を監査し、管理対象外の機器(個人所有のUSB、ハードディスク)接続を検知し、情報漏洩を防ぐデバイス制御もします。
PCごとに、「バージョン管理」「ウイルスソフトの管理」「不要なソフトウェアがインストールされてないか」など細かなチェックも行えるので、セキュリティ対策を効率よく管理できます。
とくに、社内のネットワーク機器が多いにもかかわらず、情報システム部門の人手が足りない”ひとり情シス”状態では、セキュリティ対策に漏れがあったり、対応が後手に回ってしまったりと脆弱性が出てくるのも事実です。
IT資産管理ツールを利用すれば、サーバーの状態(設定や資産情報)などを自動で収集管理を行ってくれるので、ひとり情シス状態でも満足の行くセキュリティ強化を図りやすいメリットがあります。
情シスの業務を軽減させると共に、適正かつ効率的な社内のネットワーク管理が可能です。
2-2.IT資産管理業務を自動化
社内のネットワーク情報を把握するには、相当な時間と労力がかかり、管理しなくてはならない情報も見落としたり、そのままにしてしまったりするケースも少なからず存在します。
そのような管理業務が抱える問題も、IT資産管理ツールを利用すれば解決できる点がメリットです。
IT資産管理ツールを使えば、「社内にどれだけのデバイス機器、ソフトウェア製品のライセンス等、現在どのデバイスが使用されていて、どのPCにライセンスが付与されているのか、また不足している物はあるのか」などの細かい情報を可視化できます。
可視化した情報をもとに適切なタイミングで買え替えたり、ソフトウェアライセンスの棚卸しや、ライセンスを見直したりできます。
また、前もって在庫・契約状況が把握できるので必要以上の投資を防げるのもメリットのひとつです。
「このPCのセキュリティライセンスはいつまでか」「このPCは自社購入なのかリースなのか」など、毎回書類など確認して手作業でシートに編集更新するのは、それだけで情シス担当者に大きな負担がかかってしまいます。
また、手間がかかってしまうため、作業時間が膨大になるのも事実です。
IT資産管理ツールを使えば、情シスがIT資産管理を自動化し、業務の効率化を図れるメリットがあります。
管理基準、設定から外れているモノについては、レポート出力等、自動でログが取れるため、一目で情報が分かり安心です。
ココがポイント
IT資産管理ツールを使えば、IT資産管理を自動化し業務の効率化を図れる。
2-3.更新時期の通知や一括アップデートが可能
ソフトウェア製品のアップデートの更新時期が近づくと、アラート通知が来るので管理が楽です。
また、更新が遅れている・できていないPCもIT資産管理ツールで簡単に把握できるメリットがあります。
3.IT資産管理ツールの選び方
IT資産をツールで管理するにしても、IT資産管理ツールにはいくつかの種類があり、企業ごとに使用用途も変わります。
ここでは資産管理ツールの選び方についてご説明します。
3-1.自社の規模や状況で選ぶ
IT資産管理ツールの適用形態として、「オンプレミス型」と「クラウド型」があります。
この2種類について説明します。
3-1-1.オンプレミス型
- 自社でサーバーを用意して運用。
- 好みにカスタマイズ可能。
- バージョンアップのタイミングを自分で決められる。
- 導入にコストが大きくかかり、管理する人間が必要。
3-1-2.クラウド型
- サービスを提供している会社のサーバーを利用。
- 社内でも、社外でもネットワーク環境があれば利用可能。
- サービスにもよるが、スマホ・タブレットからも利用可能。
- 導入コストが安い。
- 共有環境なのでバージョンアップのタイミングを自社担当者で決められない。
IT資産管理ツールのオンプレミス型・クラウド型はそれぞれメリット、デメリットがあるので、企業の体制によって契約形式を選択しましょう。
3-2.導入目的に適している機能で選ぶ
IT資産管理ツールにはさまざまな種類があり、導入時はどの機能が必要で、どの機能が不必要か自社にマッチした製品を選ぶ必要があります。
企業によって導入目的はさまざまですので、導入する目的・機能を明確化すれば、ツール選定時に無駄なコストを抑えて適正な運用をしやすくなります。
3-3.セキュリティ体制で選ぶ
IT資産管理ツールのセキュリティ機能は種類も多く、できる事が豊富です。
なかでも、もっとも気を付けなければならないのは、社内の重要なデータ・機密情報の漏洩です。
セキュリティ対策に関して説明します。
- ログ管理:ネットワーク通信に対する各PCで実行されたさまざまなログを記録し、管理します。
- アカウント管理:各PCのアプリケーション・ライセンスを把握し、管理します。
- 操作制限:ファイルデータのアップロード・ダウンロード、印刷出力、メール操作等をPC単位、ユーザー単位で設定できます。
- アラート機能:規定に反する行為があった不正PCに対し、そのユーザーにメッセージを送信して警告します。
- ログレポート:先程のログ管理から、アクセス状況やさまざまな履歴をレポートで出力します。
このように多種多様なセキュリティ機能が搭載されているので、IT資産管理ツールなら安心してセキュリティ対策・管理を行えます。
ココがポイント
IT資産管理ツールには多様なセキュリティ機能があり、安心してセキュリティ対策・管理が行える。
3-4.サポート体制で選ぶ
IT資産管理ツールは多機能な一方で必要な設定も多いため、はじめから上手く使いこなすのは困難かもしれません。
すべてを業者が管理する訳ではなく、少なからず自分たちでも管理する必要があります。
せっかくシステムを導入しても、正しく運用できなければ採用コストがムダになってしまうケースも。
そうならないために、電話対応・リモート対応など手厚いサポート体制があるサービス提供会社をおすすめします。
3-5.よくある失敗・注意点
IT資産管理ツールを選ぶときは、よくある失敗や注意点を押さえておきましょう。代表的な失敗例は主に以下の3つです。
- IT資産管理ツールを正しく運用できていない
- 古いバージョンのまま更新していない
- デバイス数の増加による管理漏れ
①IT資産管理ツールを導入したものの、使用してない。上手く利用してない。
IT資産管理ツールの導入失敗理由で多いのは、担当者が使い方をいまいち理解できず放置しているケースです。
情シスなど、そもそもの担当者がIT資産管理ツールのノウハウを身に付ける必要があるものの、別の業務で忙しかったり、担当の知識自体が疎かったりなどを理由に、時間を掛けた取り組みが難しい事例もあります。
そのため、多機能さに長けるIT資産管理ツールをうまく運用できず、ログの管理やデバイス管理情報といった簡単なツールしか使用できていない状態に陥ってしまうケースも。
IT資産管理ツールを正しく運用できなければ宝の持ち腐れになってしまうため、導入の前に自社に必要な機能やスペックを算出し、ストレス無く運用できるかを細かく整理することが重要です。
また、サポートが柔軟なIT資産管理ツールを導入し、運用支援のサポートを受ける体制を整えておくのもポイントです。
ココがポイント
IT資産管理ツールの正しい運用のためには、運用サポートを受ける体制を整えておくのも重要である。
②更新せず古いバージョンのまま運用している
IT資産管理ツールはバージョンアップの更新があり、常に最新版にしておくことが推奨されています。
とはいえ、更新作業には手間がかかってしまうため、担当者が時間を割けず古いバージョンのまま運用 使用している企業もあります。
古いバージョンを使用し続けると、新機能を使用できなかったり、サービス提供業者のサポート範囲を過ぎてしまったりと、さまざまな弊害が起きてしまいます。
場合によっては、トラブルにすぐ対応できず、復旧に遅れてしまうなど、業務に支障をきたしてしまう恐れも。
そのようなトラブルを避けるためにも、自動で更新作業ができるIT資産管理ツールか、もしくは更新が不要なクラウド型のサービスを利用するなどを検討しましょう。
③PC端末が増えてきたことによる、管理漏れ
近年は働き方が変わり、働く場所も多様化しています。その結果、自宅や別場所(社外)でお仕事をする機会が増え、社内ネットワークに接続しないPC端末も増えています。
この際、「3-1-1.オンプレミス型」で説明した、社内で管理するオンプレミス型のIT資産管理ツールを導入していた場合、社内ネットワークに属さない端末の情報収集やセキュリティ状態の把握が難しくなってしまいます。
管理外の対象端末が1台でもあると、セキュリティ対策に抜けが発生します。マルウェア(ウイルス)は、脆弱性がある端末に対して攻撃を仕掛けるので、その端末が対象になる危険性が高いです。
これを避ける為には、端末が社外ネットワークでお仕事していてもインターネット接続ができる環境にあれば管理対象に加えられる”クラウド型IT資産管理ツール“の導入の検討をおすすめします。
IT資産管理ツールは非常に便利な反面、導入前の綿密な確認も必要です。
企業ごとに適性のツールを把握、修正しなければいけない問題点、担当者がしっかり管理できる範囲のサービスを導入しましょう。
4.IT資産管理をプロが代行する「トータルITヘルパー」
多くの企業で、ネットワーク専任担当者(SE)が1人~2人程の体制で会社を支えている現状があります。従業員が少なければSEが1人~2人でも間に合いますが、これが何十人規模になるとどうでしょう。
管理しなくてはならない項目が増え、障害も少なからず増えてしまいます。1人~2人では手に負えなくなり、修正してもまた障害が出てしまういたちごっこも少なくありません。
またその専任担当が退職されてしまった場合、作業内容が属人化しているので、社内のネットワーク業務が停止してしまう恐れもあります。
そのような事態を防ぐために、情シス代行サービスに資産管理を委託しましょう。
さまざまな情シス代行があるなかでも、弊社「トータルITヘルパー」にお任せ下さい。
4-1.167人の専門人材がサポート
専門知識を持つ167人がお客様のネットワーク問題、アカウント情報を共有し迅速に問題を解決します。
年間17万件、過去100万件の事例解決の実績もございますので、細かな質問でもしっかり対応させていただきます。
4-2.PC1台3,000円からIT資産管理を代行
低価格ながらも、高品質でサービスを提供します。
お客様のご要望をお伺いさせていただき、それぞれに合ったプランの中から、現在お抱えの問題にマッチした解決策やサービスをご提供いたします。
ひとり情シスでお困りのお客様や、社内ネットワークの情報を整理整頓したいなど、ITに関するご質問でしたら幅広くお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
4-3主なサポート内容
弊社では、貴社のネットワーク共有からの業務効率やリスク回避について考慮したサポートも行っています。
PCのキッティングサービスや社内ネットワーク構築、VPN構築、サーバー環境の構築。ライセンスやアカウント情報の管理などなど。
貴社担当情シスが不在の場合でも、弊社にご連絡いただければ代行による保守対応も可能です。
また、規定内であれば技術担当による訪問サポートもご提供しております。
保守サービスも幅広いシーンに対応しておりますので、貴社のニーズに合わせた対応が可能です。
ほかにも、ネットワークに関するお問い合わせならいつでも対応させていただきます。