昨今の働き方改革やDXの加速、さらにはレガシーシステムのブラックボックス化など、情シスには課題が山積みしています。
人員不足や業務過多の影響で、ひとり情シスやゼロ情シスも増えているなか、情シスにおける経営課題の解消が急がれています。
本記事では、ひとり情シス増加に伴う課題を整理するとともに、課題解消のための対策を詳しく解説。
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目次
1.そもそもひとり情シスとは
ひとり情シスとは、企業内に情報システム担当者が1名、もしくは少人数しかいない状態のことをいいます。
スタートアップ企業や小規模の企業では組織人員が少ないため、ひとり情シスであることは珍しくありません。場合によっては従業員数が100名以上の中規模クラスの企業であっても、ひとりの情シス担当者がシステム全体を支えているケースもあります。
情シスの業務は膨大です。情報セキュリティや日常のインフラ運用業務に加えて、加速するクラウド移行やへの取り組みなどにも幅広く対応します。しかし、どれだけ優秀な社員でも、ひとりで社内すべてのPCやシステムの管理を行うのには限界があります。ひとり情シスの負担は大きく、無視できるものではありません。
ココがポイント
情シスの業務は膨大であり、ひとりですべての管理をするには限界がある。
2.なぜひとり情シスが増加しているのか
昨今、ひとり情シスは増加傾向にありますが、IT部門の慢性的な人手不足などから情シス担当者を増員ができない状況が続いています。
ひとりの担当者に業務が集中してしまうと、さまざまなリスクや課題が生じるため対策が必要です。
ではなぜ、ひとり情シスという体制が増加しているのでしょうか。ひとり情シスが増えている背景を解説します。
ひとり情シスが増加している理由
- 担当者の離職
- 人材の確保が困難
- 経営陣の理解不足
2-1.担当者の離職
近年、転職市場が活性化していることもあり、情シス担当者の離職率上昇傾向にあるといわれています。
具体的な数値でいうと、情シス担当者の離職率は21%と非常に高い数値です。
情シス部門に限ったことではありませんが、転職市場が活性化するほど、転職のアンマッチが生じやすくなります。
同じ情シスといっても、身に付けてきたスキルが転職先では全く必要とされず、求められることに対応できない場合もあります。
離職理由は人それぞれですが、業務負荷が高いことも理由のひとつです。実際の現場ではテレワーク導入やクラウドサービスへの移行、最新技術の知識の習得など、業務は多様化しています。
通常業務以外に対応しなければならないシーンが増えているため、情シス担当者は「割に合わない」「負荷がかかりすぎている」など、離職の原因になっていると考えられます。
ココに注意
情シス担当の離職率は非常に高く、業務負荷が高いことが原因と考えられる。
2-2.人材の確保が困難
離職者が増加し、情シス担当者が減ってしまった状況下ではどのような問題が起こっているのでしょうか。
まず、企業は情シス担当者の採用を試みますが、すぐに確保することは困難です。そもそもIT技術者の人材不足という事実もあり、新しい人員を採用したくてもできないという現状があります。
社内から情シス担当者を選定することもありますが、必ずしも専門的な知識を持った社員がいるとは限りません。また本来の業務と兼務になるため、業務効率が低下することが予測できます。
次の人員確保までに時間がかかると、その間は少人数で情シスを担当することになるでしょう。中にはひとりで対応するケースもあり、そのまま人員が増加されない状況が続けば、ひとり情シスになってしまうと考えられます。
ココに注意
IT技術者は人材不足であり、離職した場合人員増加が困難である。
2-3.経営陣の理解不足
現在、従業員100~500人規模の中堅企業のうち、33%の企業にひとり情シスが存在しています。
情報システム部門が創設される際は、「ITリテラシーの拡大」「IT導入によるコストカット」などの前向きな目的を掲げていたはずです。しかし実際は維持コストの高さなどから、経営陣の悩みの種になってしまいます。結果的に経営陣はコスト削減に目を向け始め、人員を補充しなくなるのです。
実際に経営陣が社内のひとり情シスの業務範囲や仕事量を把握していない、情シスを重要視していないケースは少なくなりません。
経営陣に重要性をしっかり理解してもらうことができれば、情シスの増員の必要性も明確になるでしょう。
3.ひとり情シス増加に伴う課題について
人手が足りないため情シスが存在しない、情報システム部門はあるが人数が足りないなど、企業の情シス部門ではさまざまな問題が見られます。
この現状をそのまま放置すれば、大きな問題に発展しかねません。ひとり情シス増加に伴う課題を見ていきます。
ひとり情シス増加に伴う課題
- 担当者の業務負荷
- セキュリティの脆弱
- 技術習得時間の不足
- 作業の属人化
3-1.担当者の業務負荷
企業のインフラの通常運用・監視に加え、システム導入の検討やベンダーとの打ち合わせ、実際の導入作業と導入後の社内サポートなど、情シスの業務範囲は幅広いです。何か問題が起こったときは復旧作業も行わなければなりません。
現在はコロナ禍にあり、テレワークを導入する企業も増えています。ひとり情シスであればさらに多忙を極めていることでしょう。通常業務にプラスして障害対応・社内の問い合わせ対応も必要になるため、かなりの重労働です。
このように、情シスをひとりで担うには負担がかなり大きいといえます。
ココがポイント
情シスの業務範囲は幅広く、ひとりで担うのは負担が大きい。
3-2.セキュリティの脆弱
業績が悪化すると、企業は人員削減で乗り切ろうとします。情シスの重要性を理解していない経営陣がいる企業では、まず情シス部門から人員削減を始めるケースが珍しくありません。
近年ではサイバー攻撃がますます高度化している一方で、個人情報やマイナンバーなど守るべき対象も拡大しています。しかし、管理する情シスがひとりでは、これらの脅威に対抗することは困難です。また、コロナ禍では在宅勤務が増加し、持ち出しPCの状況が把握しにくくなりました。
正確な状況が把握できなければ対策も打てません。日々の業務をこなしながらセキュリティ対策を運用していくのは非常に難しく、早めの対策が必要です。
ココに注意
情シス部門の人員不足はセキュリティ対策の運用に関わるため、早めの対策が必要である。
3-3.技術習得時間の不足
情報システム部門がある場合とはは異なり、ひとり情シスは業務に関わる技術を自分で学んで覚えなければなりません。しかし多忙であればあるほど、最新情報を得る時間もほとんどないといえるでしょう。
さらにひとり情シスの環境では、周囲に頼れる人がいません。困ったときに相談ができず、また指導してくれる上長もいないのです。
間違った判断をしてしまったときには問題対応に追われて通常業務が進まなくなり、時間が不足するといった負のループに陥ってしまいます。
ひとり情シスであったとしても、周囲の人材から孤立するような環境は避けるべきです。
セミナーに参加するなどの行動を起こし、自分に必要な情報を見極め、積極的にスキルを取得していく姿勢も重要になります。
3-4.作業の属人化
情シス担当者がひとりの場合、すべてをひとりで判断して作業します。もし担当者が退職や長期休暇で不在になった場合、引継ぎがきちんとされていないと、業務を運用・管理していくことが困難になってしまいます。
このリスクはコロナ禍でさらに高まりました。後任者はシステムの仕組みが分からないだけでなく、前任者がどのような理由で判断を下したのかさえも分かりません。場合によっては古いシステムを使わざるを得なくなり、セキュリティ面で不安が生じます。
このような作業の属人化は、セキュリティ低下や業務効率低下などのリスクを引き起こしかねません。
4.ひとり情シスの課題解決策について
多くの中小企業では、情報システム部門に人員を割けないのが現状です。しかし、現在のビジネス活動はITなくして成り立たないといっても過言ではありません。
情報システム部の力不足が会社経営のリスク要因にならないように、最大限の注意を払う必要があります。ひとり情シスの課題解決に向けて、具体的な対策を考えていきます。
ひとり情シスの課題解決策
- アウトソーシングの活用
- クラウドによるシステム運用
- 情シスの業務効率化を促進
- ノウハウを共有する
4-1.アウトソーシングの活用
IT業務をアウトソーシングすることで、企業は情シスの人員確保の手間が減り、コストダウンも期待できます。
情シス担当者は本来のコア業務に専念できるため、少人数の情シスでも負担の少ない一元管理ができる、運用コストを削減できるといったメリットがあります。
IT戦略立案やIT企画といった工程までも、丸ごとアウトソーシングする企業もありますが、業務の一部のみアウトソーシングすることも可能です。
業務システムの実態や課題を把握しておくと、アウトソーシングの活用がしやすくなります。
ココがポイント
アウトソーシングの活用により、人員確保の手間が減り、コストダウンにもつながる。
4-2.クラウドによるシステム運用
社内でセキュリティ対策を行う場合、そのための管理サーバーが必要です。
社内システムをクラウド化すると管理サーバーのメンテナンスが不要になり、セキュリティ対策にかかる手間や人員を減らすことができます。
クラウド型セキュリティサービスでは、複数のセキュリティ製品を導入する必要がありません。
ウィルス対策、不正サイト接続ブロック、URLフィルタリングなどの各種対策がワンストップで提供されます。またバージョンアップも自動的に行われるため、情シス担当者の負担は確実に低減されるでしょう。
ココがポイント
社内システムのクラウド化により、情シス担当者の負担が低減される。
4-3.情シスの業務効率化を促進
情シス担当者の業務を圧迫する要因のひとつが、社内ヘルプデスクの業務です。
突発的に発生するノンコア業務を減らすために、社員がなるべくひとりで解決できるようマニュアルやFAQを整備しておくとよいでしょう。
トラブル時の対応方法など、よくある問い合わせをまとめ社員に公開することで、情シスへの質問を減らすことが期待できます。また、社内ヘルプデスク業務を削減する対策として、チャットボットを導入する方法もあります。
チャットボットは、ユーザーが入力した質問内容に対してシステムが自動的に回答してくれる仕組みです。
チャットボットを使ったヘルプデスクを設置することで情シス担当者が返答する手間を省け本来の業務に集中できるようになります。引いては業務効率のアップにもつながる方法です。
4-4.ノウハウを共有する
業務内で起こるミスや作業遅延は、情報共有不足が原因かもしれません。業務を円滑に進めるためにも情報共有は重要です。
社内の情報共有を活性化させるためには、情報共有の目的をしっかり認識した上で、社員全員に積極的に発信してもらうことが大切です。
個人の体験や有益な知識を共有することで、他の社員はそれを参考にブラッシュアップできます。普段関わりのあるメンバーだけでなく、他のチームや他部署の情報も参考にできるよいでしょう。
今までノンコア業務に当てていた時間とリソースを削減でき余裕が生まれるので、生産性アップにもつながります。
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5-1. 多忙な情シス業務を丸ごとお任せ
トータルITヘルパーの情シス代行サービスは、情報システム部門に関わる業務の一部をサポート、もしくは丸ごと引継ぎをするサービスです。
お客様専門の情報システム部門を配置しますので、ご担当者様の一部業務のサポートや、急な退職などにも対応可能です。
5-2. IT機器のトラブルも迅速に解決
トータルITヘルパーではネットワーク、サーバー、複合機、ビジネスフォンなどのさまざまな機器を取り扱っています。
これらの知識や技術はもちろん、新情報やノウハウの共有もグループ全体で密に行っており、ヘルプデスクの迅速な対応と幅広い対応可能範囲を実現しています。
5-3.急なトラブルも167人の専門人材がサポート
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