近年、情報システム部門(情シス)における「ひとり情シス」の体制が問題視されています。
ひとり情シスの体制では「業務量が多すぎて対応しきれない」「トラブルの際に迅速な対応が難しい」など、さまざまな問題が発生します。そんな中、「辛い」と感じる情シス担当者はとても多いです。
情シス担当者が1人の場合、パソコンやサーバー、ソウフトウエアの導入、保守、運用などを全て1人で行わなければならず、常態的にオーバーワークになるリスクも。
本記事では、ひとり情シスが起きてしまう原因と実態、問題解決の方法をご紹介します。
また、ひとり情シスの課題解決をサポートする情シス代行サービスについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.ひとり情シスについて
情報システム部門の担う役割は多岐にわたります。下記のようなあらゆる業務を1人の担当者で対応していることを《ひとり情シス》と呼びます。
- 社内システムの開発・運用・管理
- サーバー、ソウフトウエア、PCの導入・保守・運用
- ヘルプデスク(社員からの問い合わせ)
- 機器メンテナンス、セキュリティ対策
ただし、情報システム部門が請け負う業務は企業ごとに違い、ひとり情シスがどこまでの業務を担うのかは、それぞれの企業で異なります。
ヘルプデスク・サービスデスクがメイン業務の企業もありますが、ヘルプデスクはアウトソーシングを利用しておりシステム管理がメインの企業もあります。
請け負う業務の量が多いほど、ひとり情シスの負担は増加するといえます。
ひとり情シスにはITリテラシーの点で「新技術研究タイプ」と「現行踏襲タイプ」が存在し、二極化しているといわれています。現在ではひとり情シスの半数以上が仮想化(サーバーなどのハードウェアリソースを抽象化し、ソウフトウエア的に統合・分割できるようにする技術)していない「現行踏襲タイプ」であるとされます。
しかし、IT化が進む現代では、仮想化への移行は必須といえます。そのため、ひとり情シスが「現行踏襲タイプ」の企業はITリテラシーの高い企業と比較して、会社業績が低迷している実態があるようです。
また、ひとり情シス以外にも、他部署と兼任で情シス作業をこなす《兼任情シス》や特定の担当がいない《ゼロ情シス》企業も増えています。業務負担の多さから、情シス部門では離職率が20%程度と高い水準のため、IT業界での人材不足が深刻化しています。
2.ひとり情シスの辛い実態とは
ひとり情シスには、次のような辛い業務実態があります。
ひとり情シスの辛い実態
- 地道な業務、担当者の苦悩への理解が乏しい
- 相談相手がいない、ノウハウが残らない
- 給与や休日など待遇面の不満
- 中小・零細企業では情報システムへの資金や人材の確保が難しい
【地道な業務、担当者の苦悩への理解が乏しい】
情報システム部の業務内容は、機器の導入・保守・運用、ヘルプデスクなど多岐にわたります。しかし、情シスが行う業務を正しく理解できている社員はどのくらいいるでしょうか。
情シスの行う業務は地道な作業が多いため、周りからは何をしているのかが分かりにくい特徴があります。
機器やシステムのアップデートは時間がかかることも多く、そのせいで社員への対応が遅れることも。情シス業務への理解が乏しいことから、辛い実態に理解を示してもらえず、周囲からの誤解を招きやすいといえます。
さらに、情シス業務への理解が乏しい企業ほど、社員は情報システム部門を「便利屋」扱いする傾向があります。
「このエクセルの操作方法は?」といった初歩的なレベルの問い合わせで情報シス担当を呼び出す社員もいるのです。そのため、こうした企業でひとり情シスになれば、担当者の負担が大きくなることは目に見えて分かります。
ココがポイント
情シスへの理解が乏しい企業ほど、情シス担当者の負担は大きい。
【相談相手がいない、ノウハウが残らない】
ひとり情シスの場合、担当者が困ったときの相談相手がいないため、全て1人で判断しなければなりません。もし、判断を誤ってしまった場合、修復の対応に追われて通常業務への支障が起きてしまう可能性もあります。
また、ひとり情シスであれば一人で業務を行うため、マニュアルの作成等をする必要がなく、業務内容が他の社員へ共有されることもありません。このような環境から、業務の属人化(=担当者しか業務や方法が分からない状態)が起きてしまいます。業務の属人化が特に問題になるのは、情シス担当の不在時です。
情シス担当者の急な休暇や離職の際は、他の社員では作業が分からないなどのトラブルが生じ、ブラックボックス化につながるリスクが高まります。
【給与や休日など待遇面の不満】
ひとり情シスの情報システム部は、他の部署と比較して休日出勤や残業が多くなる傾向があります。
緊急のシステムトラブルが休日に起こってしまうと休日出勤をしなければなりませんし、システム機器のアップデートの際には他の社員の通常業務が停止しないように、業務時間外での処理を行うなどの処置が必要です。
休日もゆっくり休めないような辛い残業過多の状態になれば、ひとり情シスの担当者にとって、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
業務に対して見合うだけの給与がでればいいのですが、情シスは業務実態を把握しにくいことから、評価されにくい実情にあります。休みもなく、さらに給与面の待遇が悪ければ、不満につながり離職の原因となります。
【中小・零細企業では情報システムへの資金や人材の確保が難しい】
情シスの業務内容や大変さを経営層や周りの社員が理解していて、情シス担当を増やしたい場合でも、中小・零細企業では資金を確保することが難しい実態があります。
中途社員を1名採用するにも、採用コスト(採用単価)は平均約85万円もかかるといわれています。情シス担当の平均年収は約500万円になるため、情シス担当者採用後も給与に多くのコストがかかります。そのため、人員を増やしたいと考えた場合もコストが大きいために、すぐに募集や採用に踏み切れずに現状維持している企業も多いです。
また、求人を出しても大手企業の条件には及ばず、優秀な人材は大手に流れてしまいます。そのため、中小企業ではいくら求人を出しても、優秀な情シス担当の採用自体が難しい現状があるのです。
このような状況を踏まえると、企業の規模が小さいほど情シス担当やシステムへの人材・資金確保が難しい現実があります。ひとり情シスの体制を改善したくとも新たな人材を確保できない現実は、辛い実態といえます。
ココがポイント
中小企業は大手企業の条件に及ばないため、優秀な情シス担当の採用が難しい。
3.ひとり情シスが生じる原因
企業には、ひとり情シスにならざるを得ない原因がさまざまあります。
ひとり情シスが生じる主な原因は、以下の3つです。
ひとり情シスが生じる原因
- 人件費削減などによる人材確保が難しい
- ITリテラシーの欠如により本来の役割が認知されていない
- 零細企業から中小企業へ社員の増加
【人件費削減などによる人材確保が難しい】
情報システム部の業務はノンコア業務(直接売り上げにつながらない業務)が多く、《コスト部門》と思われてしまうことも少なくありません。そのため、情報システム部門は会社からコストを充ててもらいにくく、人材確保が難しい現状があります。
企業としても、売り上げに直結する営業部や、総務・経理部(ノンコア業務がメインでも業務内容が明確な部署)の採用がメインになりやすく、直接売り上げにつながらない情報システム部門の人材確保は後回しになってしまうのです。
ココがポイント
情報システム部は業務実態を把握しづらく、人材確保は後回しにされてしまう。
【ITリテラシーの欠如により本来の役割が認知されていない】
ITリテラシーとは、簡単にいうと「どれだけIT知識をもっているか」を表す言葉です。
主に、情報を探す・使うなどの《情報基礎リテラシー》パソコン操作の《コンピューターリテラシー》インターネット上でのモラルに関わる《ネットワークリテラシー》の3つの能力で構成されます。企業に所属する人員にITリテラシーが欠けていると、ITの重要性・有用性を理解できず、情報システム部門の必要性も認知されにくくなります。
本来の情シス業務は機器やシステムの導入・運用・保守、社内システムの開発、ヘルプデスクなどの業務がありますが、ITリテラシーが欠如している経営者や社員にとっては、その重要性を理解できません。
情シス担当が何をしているのか分からず、役割が認知されず、結果として余計な人材は不要と判断されます。それによって、ひとり情シスの状態を招いてしまうのです。
また、業務や役割が認知されていないことで、本来は情シスの業務ではない仕事を任されることもあります。社内の何でも屋になってしまい、本来の業務に時間がかけられない状態に陥ります。
このような企業では情報システム部門はコストの削減対象でしかなく、その結果として「ひとり情シス」になってしまうのです。システムのスリム化やアウトソーシングメニューの拡大によって、少人数での運用が可能となるものの、ひとり情シスの体制では日々の業務に追われ、新たな施策を取り入れられません。
アウトソーシングで業務が楽になる可能性があっても、企業のITリテラシーが低ければ、それすら不要と判断されかねないのです。
ココがポイント
社内のITリテラシー欠如している場合、情報システム部門の必要性も認知されづらい。
【零細企業から中小企業へ社員の増加】
情シスを始めたときには社員数が少なく1人でも十分手が回っていたが、社員数が増えるにつれてヘルプデスク業務で手一杯になってしまう……このようなケースは多いです。零細企業から中小企業へ成長することは望ましいことですが、その裏で情シスの負担が増加している場合も多いのです。
新しい人員を採用しようにも「情シス経験者の絶対数が少ない」「情シス担当の流動性が低い」などの理由から応募が集まらず、採用ができず増員が先延ばしになっているケースも多々あります。
企業の成長によって業務負担が増加する中、人員の確保が難しいことで、ひとり情シス担当者は辛い業務実態を強いられているといえるのです。
4.情シス代行サービスでひとり情シスの負担を軽減
情シスの辛い実態を解消する解決策として、情シス業務のアウトソーシング(業務委託)があります。
アウトソーシングを利用し情シス業務を委託することで、新たな人材を確保するよりも安価に、かつ低リスクで社内システムの運用が可能になります。
弊社が運営する情シス代行サービス「トータルITヘルパー」では、情報システム部の業務を一部、または全て委託が可能です。
弊社サービス「トータルITヘルパー」を導入するメリットは、以下の5つ。
- 高品質かつ低価格な料金設定
- ひとり情シスの退職リスクを回避できる
- 社員の入退社によるPCの設定も全ておまかせ
- ブラックボックス化を避けられる
- 緊急のシステム障害も即時対応
以下に詳しくご紹介します。
【高品質かつ低価格な料金設定】
トータルITヘルパーには、ネットワーク・サーバー・複合機・ビジネスフォンなどさまざまな機器を扱っているIT総合商社としての基盤があります。そのため、高品質なサービスを提供できるうえ、幅広く柔軟な対応が可能です。
料金はPC1台3,000円~と低価格な設定のため、ご予算の少ない方でも安心してご継続いただけます。
トータルITヘルパーなら、「アウトソーシングの予算が少ない」「ひとり情シスで業務に追われている」などの問題をすぐに解決できます。
【退職リスクを回避できる】
ひとり情シスの大きな問題は、退職リスクです。情シス担当を採用する場合『人』が対応するため常に退職や急病のリスクは0ではありません。
業務の辛さから、たった1人の担当者が退職してしまうと、社内の業務は一気に停止してしまいます。さらに、新たな情シス担当を採用するとなると、求人費・研修費・給与などのコストが必ず発生してしまいます。
多大なコストと時間を要するため、大きなデメリットとなります。その点、情シス代行サービスであれば、退職の心配もなく、より安価で確実に社内システムを運用できます。
アウトソーシングサービスを利用することで、退職リスクや後任採用のリスクを完全に回避可能です。
【社員の入退社によるPC設定も全ておまかせ】
社員の入退社の際は、複合機設定、共有設定、メール設定など行う設定がたくさんありますが、こうした設定は、情シスが担当することがほとんどです。
複数名の入退社があった際には、設定に時間がかかる、残業になってしまうなどの懸念があり、情シスの負担になってしまいます。
トータルITヘルパーなら、こうしたPCの初期設定作業も対応が可能です。また、昨今のテレワーク需要により、在宅でお仕事をされるケースも増えていますが、その際の設定も対応できます。
【ブラックボックス化を避けられる】
ひとり情シスの体制では、業務がブラックボックス化しがちです。業務が不透明なまま運用を続けていくと、担当者が急にいなくなった際に、他の社員ではシステムを維持できなくなってしまいます。
現在はひとり情シスの体制でどうにか業務が回っていたとしても、不測の事態が起きてからでは手遅れです。
情シス代行サービスを利用すれば、ひとり情シス担当者の抱え込みによる業務の属人化、情報のブラックボックス化を避け、運用の透明性と情報共有を実現できます。
【緊急のシステム障害も即時対応】
急なシステムトラブルはどうしても0%にはできません。
「PCがフリーズして動かなくなってしまった」
「ネットがつながらなくなってしまった」
「電話がつながらない」
「メールの送受信ができない」
など、トラブルはさまざまです。
トータルITヘルパーでは、相談のお電話をいただいてから即時に対応可能です。お電話での誘導やリモート対応はもちろん、もしもの時は訪問対応も可能です。
トータルITヘルパーは、グループ1,200名を超えるIT総合商社の基盤があるからこその、低料金・対応力が自慢です。
年間対応件数17万件越えのサポート実績と驚異的なコストパフォーマンスの情シス代行で、お客さま満足度98.2%と、高いリピート率を誇ります。
情報システム部門のアウトソーシング先として、これまで30,000社以上との取引実績がございます。
もし、お困りごとやご不明な点がございましたら、お気軽に問い合わせください。