ITの発展と共に人材不足が厳しい現代では、社内情報システムに関わる業務の属人化によって起こる、ひとり情シスやゼロ情シスが問題視されています。
情シスの業務負荷によるストレスや離職が深刻化しているなか、ITコンサルタントへの転職を考える人も。
しかし、情シスからITコンサルタントの転職に以下のような不安を感じる人も少なくありません。
「情シスとITコンサルタントの違いは?」
「ITコンサルタントの実態とは?」
今回は年間対応件数17万件超のサポート人員、情シス代行でお客様満足度98.2%の弊社が情シスとITコンサルタントの仕事内容や違いについて解説します。
本記事を読むことで、情シスとITコンサルタントの業務比較が可能です。
目次
1.転職の背景:ひとり情シス・ゼロ情シス問題とは?
ひとり情シスとは、情報システムを担当できる者が1人に限られている状態を指します。
また、情シスまで人員を割けず、情報システムの専任担当者が1人も存在しない「ゼロ情シス問題」を抱えている中小企業や零細企業も少なくありません。
ひとり情シスやゼロ情シス状態では、IT知識を持つ社員がメイン業務と兼任しているため、担当者への負担増加が懸念されています。
社員が数百名規模の会社でも情報システム簿の担当が1人しかいない状況は、長きに渡りITリソースを割いてこなかった多くの日本企業で見かけられるのも事実です。
なかには、ひとり情シスとして稼働できているからこそ、情シスの増員が後回しにされてしまい、結果として「ひとり情シス担当者」や「ゼロ情シスの兼任者」への負担が増えてしまうケースも。
また、「優秀なIT人材の確保ができない」「採用費をかけられない」などの理由により、情シスの増員を上手く進められない問題も転職理由のひとつに挙げられます。
ココがポイント
ひとり情シス・ゼロ情シスの状態では、担当者がメイン業務と兼任しているため、負担増加が懸念される。
2.ITコンサルタントとは
ITコンサルタントとは、クライアント企業のIT関連分野全般におけるアドバイス業務や、システム導入支援を行うコンサルタントを指します。
2-1.ITコンサルタントの仕事内容
問題解決を望むクライアントに対し、IT技術を通して「問題の分析、解決法の提案、実行支援(システム導入)や改善」などのサービスを提供します。
IT分野の問題解決を目的として、技術的な導入支援やIT関連のアドバイスが主な業務です。
3.ITコンサルタントに必要なスキル
ITコンサルタントに必要なスキル
- 他業種の知識
- 問題の解決能力
- 仮説思考
3-1.他業種の知識
IT技術を駆使して問題解決を考えているクライアント企業の職種はさまざまです。
そのため、問題の解決を図るにはITの知識だけではなく、サービス業、建築業、製造業、運送業、小売業などクライアントのさまざまな業種に関する知識が求められます。
コンサルティングの料金は高額になる場合も多く、「高い料金を支払うのだから専門分野の回答も即答できて当たり前」と考えるクライアントも存在します。
企業内の情シスに比べると、コンサル業務では信用を得るためにも各業種の知識が必要不可欠です。
3-2.問題の解決能力
IT技術を駆使した問題解決を図る前に、問題の根本を見極める原因分析能力が求められます。
クライアントに対する徹底したリサーチ・原因分析を行い、問題解決の提案に繋がる方法を見つけます。
最初のリサーチや分析をしっかり行わなければ、解決法を実施した跡に新しい課題が出現してしまうケースも。
コンサルは経営課題の改善が大前提にあるため、情シス業務に比べると高い問題解決能力が必要です。
ココがポイント
ITコンサルは経営課題の改善が大前提にあり、問題の根本を見極める高い問題解決能力が必要である。
3-3.仮説思考
仮説思考とは、情報が少ない段階から結論を導き出し、”仮の答え”を持つ思考方法を指します。
「もし、この解決方法を行うとどのような問題解決ができるか」「もし、この技術を取り入れると今までの作業にどのような影響がでるか」といった「もし、~」の想定から”仮の答え”を導き出す方法が仮説思考です。
情シスとは違い、コンサル業務では経営課題をどのように解決するのか提案力も問われます。
それらの過程を論理的に理解し、クライアントに説明するため、仮説思考の能力は必要不可欠です。
4.情シスとITコンサルタントの違い
情報システム部の業務は「システム導入・運用・保守」「ヘルプデスク(サービスデスク)」「社内のセキュリティ対策」などがメインです。
一方でITコンサルタントは、生産や物流、人事など企業内のあらゆる業務におけるIT企画の立案や、経営課題解決に向けた分析や改善策の提案などを委託されます。
ITシステムの導入・開発では、ITコンサルタントが要求分析や企画の立案を行った後に、情シスが具体化する流れが一般的です。
ココがポイント
ITコンサルタントは企業内のIT企画の立案や、経営課題解決に向けた改善策の提案などを委託される。
5.情シスからITコンサルタントへ!転職後の課題!
ITコンサルタントへ転職後の課題
- 激務で身体をこわした
- 学習の時間がない
- 事務業務が多い
- スキル不足
5-1.激務で身体をこわした
情シスからITコンサルタントに転職し、「心機一転頑張ろう」と思っても激務で身体を壊してしまう人もいます。
激務になりやすい人にはいくつかの共通点があり、「仮説思考ができない」「知識不足」「顧客に振り回される」などの傾向がある人は注意が必要です。
業務をこなすのに時間がかかり、ほかのITコンサルタントに比べて激務を抱えやすくなっています。
5-2.学習の時間がない
ひとたびITコンサルタントを始めると、さまざまな業務に時間を割く必要があるため、必要な勉強時間が確保できない可能性があります。
とはいえ、情シスからITコンサルタントへ転職を考えている際も、人材不足の激務から新しい資格や知識の獲得が難しい人がいるのも事実です。
学習時間を確保するため、ITコンサルタントにはスケジュール管理等の工夫が求められます。
5-3.事務業務が多い
情シスではヘルプデスクやキッティング、サーバーの保守、運用などさまざまな業務を行います。
ITコンサルタントではクライアント企業へのヒアリングや提案もありますが、クライアントとのやり取りや契約関係の処理など、情シス業務よりも事務業務が増える場合が多いです。
事務業務があまり得意ではないとその分時間がかかり、業務が滞ってしまうなどの懸念が残ります。
5-4.スキル不足
現在情シスとして働いている方の中には、勉強をして情シス担当としてのノウハウをしっかりと積み重ねている人もいます。
一方で、「社内でPC操作に詳しいから」「ほかの社員よりも知識があるから」などの理由だけで情シスを任されている人がいるのも事実です。
このような場合、情シスからITコンサルタントへ転職しても「知識不足で周りの会話についていけない」「知識を補うために勉強をしたいが時間が取れない」などの理由により、早期退職や大変な思いをする可能性があります。
ココに注意
情シスからITコンサルタントへ転職しても、スキル不足により早期退職などの可能性がある。
6.転職で失敗しないための対策
・資格を取得する
・転職エージェントを利用する
6-1.資格を取得する
IT関連の資格はたくさんありますが、「ITコンサルタントを名乗るために必ず取得しなければならない資格」はありません。
ですが、適切な判断や提案を行うためにITの知識を持ち合わせて必要があります。
ITコンサルタントで役立つ、転職で有利になる資格は「ITコーディネーター」「プロジェクトマネージャー(PM)試験」「中小企業診断士」などの資格があげられます。
6-2.転職エージェントを利用する
転職先を自分で探すことも大切ですが、転職のプロに相談するのもポイントです。
自分のスキルや雰囲気にあった企業を見学したり、実際に社員の方に話を聞いたりすれば、入社後の相違による退職が起こりにくくなります。
また、実際の社内の雰囲気を掴めば、自分が成長できる環境かどうかの判断もしやすくなります。
7.情シスの業務負荷を減らすなら情シス代行サービスを
「スキルアップがしたい」「経営方針と意見が合わない」「違う環境で働きたい」など、転職を考える理由は人によってさまざまです。
なかでも、「ひとり情シスの負担が大きい」と転職を考えている場合は、情シス業務のアウトソーシングを検討してみましょう。
情シス業務のアウトソーシングを利用すれば、ひとり情シスやゼロ情シスにおける担当者の負担を大幅に軽減できます。
- IT機器の導入からセットアップまでおまかせ
- ヘルプデスク代行
- 情シスの相談窓口として
【IT機器の導入からセットアップまでおまかせ】
社員の入退社による各PCへの共有設定やメール設定など、新しく使用するPCでの設定はたくさんあります。
トータルITヘルパーなら、複数名のPCに対する初期設定から複雑な設定、機材のアップデートなどさまざまなセットアップ業務まで対応いたします。
【ヘルプデスク代行】
「ネットに繋がらない」「メールが使えない」など、いつ起きるか分からないトラブルの問い合わせをアウトソーシングすれば、情シス担当者は業務の時間配分やタスク管理がしやすくなります。
トータルITヘルパーでは、過去100万件のお客様対応で培ったノウハウを活かし、専門のオペレーターによりお客様の課題を迅速かつ確実に解決いたします。
【情シスの相談窓口として】
ひとり情シスで稼働しているとひとりではどうしても解決できないトラブルもあります。
そのようなとき、「コミュニティやセミナーを活用して周囲との相談を図りたい」と考える人も少なくありません。
一方で、時間が取れない、上司から許可が降りないなどの理由により、相談先をなかなか見つけられない人もいます。
そのような場合でも、情シス担当者が困ったときの相談窓口として、ITヘルパーをご活用いただけます。
トータルITヘルパーなら、低価格で高品質なサービスで情シスの負担軽減や、情シス業務を丸ごと代行できるサービスもございます。
もし、お困りごとやご不明な点がありましたら、お気軽に問い合わせください。