「簡単な問い合わせながら数が多くヘルプデスク業務の負担がつらい」
「ヘルプデスク業務を効率化してリソースを最適化したい」
近年では、ITリソース不足によってヘルプデスクの業務をどのように効率化すべきか頭を悩ませている担当者の方も少なくありません。ノウハウが蓄積されなかったり、担当者の負担が大きくなってしまったりと課題がさまざまです。
この記事では、社内ヘルプデスク業務で頭を悩ませている方へ向けて、社内ヘルプデスクに起こりがちな課題から業務効率化の方法について徹底解説します。
ヘルプデスク業務を効率化するコツや、リソースを最適化する方法についても触れていますので、ヘルプデスク業務について関心のある方やすでにヘルプデスクを導入されている方は、ぜひご覧ください。
社内ヘルプデスクに起こりがちな課題とは

社内ヘルプデスクは企業のITサポートを担う重要な部門ですが、いくつかの課題や業務の妨げになる事象が存在します。特に、社内ヘルプデスク運用で課題になりがちな要素は以下の6点です。
- 問い合わせ内容に対するノウハウが蓄積されない
- 担当者の負担が大きくなりやすい
- 対応範囲が広く必要となる知識が多い
- 素早い対応ができない
- 成果基準が分かりづらくモチベーションが上がらない
- 属人化による不具合の発生
ここでは、社内ヘルプデスクの効率化前に起こりがちな課題について、具体例と影響を解説します。
問い合わせ内容に対するノウハウが蓄積されない
社内ヘルプデスクにおいて、一つひとつへの問い合わせ対応を効率化していく取り組みが重要です。しかし、ヘルプデスクには日々多くの問い合わせが寄せられるものの、その対応ノウハウが蓄積されていないケースも珍しくありません。
過去の対応履歴が残っていないと、同じ問題が発生したときにゼロから対応する必要があります。ケースを参照しながら効率的に対処できないため、作業効率の低下を招くのも事実です。
また、ノウハウの蓄積がないと新しい担当者へのスムーズな引き継ぎも難しくなり、対応品質が均一化されない・低下するリスクもあります。
担当者の負担が大きくなりやすい
社内ヘルプデスクの効率化が求められる背景のひとつに、担当者の負担増があげられます。特に、繁忙期やシステムトラブルが発生した際は、問い合わせ件数が急増し対応が追いつかなくなる事例もよく見られます。
その結果、ヘルプデスク担当者の負担やストレスが増大するだけでなく、対応品質の低下やユーザー満足度の低下を招くリスクも否定できません。最悪の場合は担当者の離職によってリソース不足が悪化するなど、悪循環に陥ってしまいます。
対応範囲が広く必要となる知識が多い
ヘルプデスクには、ハードウェアからソフトウェア、ネットワークまで幅広い知識が求められます。社内にあるシステムやツール、デバイスなどあらゆるIT関連の問い合わせに対応する必要があるものの、担当者がすべての分野に精通するのは難しいのも事実です。
さらに、日々の業務に追われているため知識を増やす取り組みも難しくなってしまいます。対応範囲が広い分、自身の専門知識を持たない分野での対応に時間がかかるのは避けられません。その結果、ヘルプデスク業務全体の効率が低下してしまいます。
素早い対応ができない
ヘルプデスクで起こりがちな課題のひとつに「素早い対応が難しい」点があげられます。社内のさまざまな部門から膨大な数の問い合わせが届くため、ヘルプデスク担当者の処理が追いつかないケースがあります。
特に、複雑な問題や緊急対応が求められる際は、迅速な対応と解決策の提示が重要です。しかし、業務が効率化できていないとリソース不足が避けられないため、長時間の対応を余儀なくされ、日常的な問い合わせまで対応が遅延してしまいます。
その結果、企業全体の業務効率が低下するだけでなく、ユーザーからの不満に繋がってしまうケースも珍しくありません。
成果基準が分かりづらくモチベーションが上がらない
ヘルプデスク業務を効率化しようとしても、成果が目に見えにくいことが多く、取り組みへのモチベーションが低下しやすい面があります。ヘルプデスク業務は直接的な利益を上げる部門では無いため、明確な評価基準やフィードバックがないと、やりがいを感じにくくなってしまうのも事実です
成果基準が分かりづらいと、担当者が自分の業務の重要性を実感できず、モチベーションの低下や離職につながるリスクがあります。
属人化による不具合の発生
より専門的な知識が必要な問い合わせ対応は、その分野に特化した担当者が集中的に対応を行うことが多くなります。その結果、特定の問題解決を一部の担当者に頼り切ってしまい、ノウハウやスキルが周囲に共有されない状態(属人化)を生み出しがちです。
特定の担当者が持つ知識や経験が共有されず、社内や後進の育成が思うように進まないケースもよく見られます。担当者の不在時や退職時には、その分野の対応が難しくなってしまうリスクを抱えており、早急に状況改善へ取り組む必要があります。
社内ヘルプデスクの課題解決と業務効率化の方法
社内ヘルプデスクの運用にはいくつか課題がついているものの、適切な取り組みを進めれば業務の効率化を図れます。社内ヘルプデスクの課題解決につながる業務効率化のコツは以下のとおりです。
- マニュアルの整備やナレッジの共有化
- 部門・担当者が対応する領域を明確化
- 評価制度の策定によるモチベーション向上
- 目標設定(KPI)と改善目標の設定
ここでは、社内ヘルプデスクの課題解決と業務効率化の方法について解説します。実践すれば社内ヘルプデスクの課題を解決し、業務の効率化を図ることができるため、企業のITサポート体制を強化し、ユーザー満足度を向上させるために、ぜひ取り入れてみてください。
マニュアルの整備やナレッジの共有化
社内ヘルプデスクの効率化には、マニュアルの整備やナレッジの共有化が不可欠です。問い合わせ対応のノウハウを蓄積し、共有することで、担当者が迅速かつ的確に対応できるようになります。
具体的な手段としては、「FAQの作成」や「ナレッジベースの構築」が有効です。マニュアルなどナレッジの共有を行えば、過去の対応履歴を参照しながら同様の問題に対して一貫したフォローアップを行えます。
また、定期的な情報共有会議を開催し、最新の対応方法やトラブルシューティングの知識を共有することも重要です。これにより、ヘルプデスク部門内の育成効率化や、全体の対応品質向上に繋がります。
部門・担当者が対応する領域を明確化
ヘルプデスクの業務効率化には、部門や担当者が対応する領域の明確化が重要です。専門分野ごとに担当者を配置し、チーム全体で協力して対応する体制を整えれば、迅速かつ的確な対応を実現できます。
たとえば、「ハードウェア担当」「ソフトウェア担当」「ネットワーク担当」など、分野に特化した担当者の配置が有効です。すべての分野に精通するのは難しいため、一人ひとりの対応する範囲が広すぎると、ヘルプデスク業務の効率化に失敗してしまう原因となります。
その際は、担当者のスキルアップを図るために定期的な研修や勉強会を実施して、専門知識を高められるようフォローアップを図る取り組みもおすすめです。
評価制度の策定によるモチベーション向上
ヘルプデスクの担当者のモチベーションを向上させるためには、明確な評価制度の策定も大切です。成果が目に見えにくいヘルプデスク業務では、担当者が自分の業務の重要性を実感しにくくなってしまいます。そこで、具体的な評価基準を設定し、
定期的なフィードバックでモチベーションの低下を防止する取り組みを行います。
たとえば、「対応件数」「チケット解決までの時間」「ユーザー満足度」などを評価基準として設け、達成度に応じた報酬やインセンティブを提供する手法があげられます。
独自の評価基準を設定すれば、ヘルプデスク担当者のモチベーションを高めて、業務の効率化を実現できるかもしれません。成果を共有する場を設け、チーム全体で達成感を感じられるような環境を整える取り組みも有効です。
目標設定(KPI)と改善目標の設定
ヘルプデスクの業務効率化には、明確な目標設定(KPI)と改善目標の設定が不可欠です。「KPI(Key Performance Indicators :重要業績評価指標)」とは、業務のパフォーマンスを測定するための指標です。具体的な目標(KPI)を設定すれば、担当者が何を達成すべきかを明確に理解できます。
たとえば、対応時間の短縮やユーザー満足度の向上など、具体的な目標設定とその達成度を定期的に評価することで業務の改善点を明確にできます。改善目標を設定し、達成に向けたアクションプランを策定して継続的な業務改善を図ることが、業務効率と品質向上に効果的です。
ヘルプデスク業務の効率化にはツールの利用もおすすめ

ヘルプデスク業務を効率化するには、環境の整備にあわせて「専用のツール」を導入するのもおすすめです。ナレッジ共有からよくある質問をまとめるカスタマーサクセスツールなど、ヘルプデスク業務を効率化できるツールには多種多様な種類が登場しています。
ここでは、ヘルプデスク業務の効率化におすすめのツールについて、種類別に違いを解説します。
ナレッジを部門内で共有するツール
ヘルプデスク業務の効率化には、ナレッジを部門内で共有するツールの利用が非常に有効です。ナレッジ共有ツールとは、設計書・仕様書、業務マニュアルなどさまざまなノウハウを一元管理できるツールで、社内Wikiのように運用できる製品も登場しています。
検索機能によって検索性が上がり、常に最新の情報を参照しやすいほか、アウトプットのハードルを引き下げてナレッジを共有しやすくなるのも魅力です。問い合わせ対応のノウハウやトラブルシューティングの手順を一元管理し、担当者全員がアクセスできることで、迅速かつ一貫した対応を可能にします。
たとえば、Microsoft社のSharePoinではドキュメントやガイドラインの簡単共有や、最新情報への更新が可能です。これにより、新しい担当者がスムーズに業務を引き継ぎ、既存の担当者も過去の対応履歴を参照しながら効率的に対応できます。
定期的な情報更新やレビューを行えば、常に最新の情報が維持され、業務の品質向上にも効果的です。
よくある質問や事例をまとめるFAQシステム
よくある質問や事例をまとめるFAQシステムを設ければ、ヘルプデスク業務を大きく効率化できます。FAQシステムとは、ユーザーが簡単にアクセスできるオンラインヘルプセンターを構築し、問題の自己解決(カスタマーサクセス)を促すツールです。
単純な問い合わせ・疑問をユーザー自身で解決できるようになるため、ヘルプデスクへの問い合わせ件数を削減する効果も期待できます。FAQシステムは問い合わせ内容を分析し、よくある質問を自動的に更新する機能を備えているため、常に最新の情報を提供できるのも魅力です。
ユーザーは自分のペースで問題を解決でき、ヘルプデスク担当者はより複雑な問題に取り組めるため、ヘルプデスクの業務効率を高められます。
DAPの活用
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は、ヘルプデスク業務の効率化において非常に有効なツールです。DAPとは、ユーザーが新しいソフトウェアやシステムを迅速に習得できるよう支援するツールで、対話型のガイドやチュートリアルを提供します。
DAPの導入により、ユーザーがシステムの使い方を学ぶサポートを自動化できるため、ヘルプデスクへの問い合わせ件数を減少させる効果が期待できます。その結果、より緊急性の高いヘルプデスク業務に注力しやすくなり、担当者の負担を軽減・効率化できるのが魅力です。
リソースが不足している企業はアウトソーシングが最適
社内ヘルプデスクの効率化を考えていても、「実際にかけられるリソースや導入コストが不足している」などのトラブルは珍しくありません。ヘルプデスクの課題解決や効率化への取り組みが難しい場合は、外部に委託する(アウトソーシング)のも選択肢のひとつです。
ここでは、ヘルプデスクの運用を外部に委託するメリットと、費用相場について解説します。
アウトソーシングのメリット
- コスト削減:社内ヘルプデスクを運用するための人件費や設備費よりもコストを抑えられる可能性がある
- 専門知識の活用:初めから豊富な経験やノウハウ、専門知識を持った人材の高品質なサポートが受けられる
- スケーラビリティ:企業の成長に応じ、サポートの規模を柔軟に調整可能
- コア業務への集中:企業の主要業務にリソースを集中させることにより生産性の向上につながる
- リスクヘッジ:退職リスクや後任採用のリスク、情報のブラックボックス化を回避する
アウトソーシングにかかる費用相場
ヘルプデスクのアウトソーシングにかかる費用は、サービス内容や契約形態によって異なります。アウトソーシングサービスには、「問い合わせ件数に応じた従量課金制」「固定料金制」などさまざまな料金体系があります。
そのため、企業のニーズに合わせて最適なプランを選択することが重要です。参考までに、一般的な費用相場を以下に紹介します。
業務内容 | 相場(月) | 補足 |
---|---|---|
一次対応(100~1,000件) | 10~100万円 | 電話相談を受け、内容に応じた部署に繋ぐ窓口 |
テクニカルサポート(100~1,000件) | 10~150万円 | 電話相談の内容に応じたサポート対応専門知識を必要とする業務の内容によっては、月額料金が大きく上がる場合がある |
365日24時間(10~100件) | 20~50万円 | 夜間対応や土日祝営業の対応が可能だが、その分価格が大きく跳ね上がる内容(一次受付orテクニカルサポート)により、さらに価格が変動 |
ヘルプデスクの効率化を検討している場合は、アウトソーシングの活用によって、社内リソースを効率的に活用しつつコストを抑えながら高品質なサポートを利用できます。
企業のITサポート体制を強化したいと検討されている方は、ぜひヘルプデスク対応を効率化できるアウトソーシングの導入を検討してみてください。
圧倒的な安価で利用できるヘルプデスクパートナーがおすすめ
ヘルプデスク業務が抱えがちな課題の解決方法や、業務の効率化に有効な方法を解説しました。
最後にヘルプデスク業務のアウトソーシングサービスとしてヘルプデスクパートナーをご紹介します。
PC1台2,000円から利用できる安さが魅力
ヘルプデスクパートナーでは、PC1台につき月額2,000円のプランでサポートを提供しています。固定型料金でありながら、問い合わせ件数に制限がなく、どんな些細な内容であってもお気軽にお問い合わせいただけるのが特長です。
ヘルプデスクパートナーにご相談いただければ、年間コストの大幅な削減と、サポートの充実を実現できます。現在、ヘルプデスクの平均年収は396万円。日本の平均年収と比較して低い傾向にあります。
(引用元:https://求人ボックス.com/ヘルプデスクの年収・時給)
しかしヘルプデスクの設備や機器なども含め、導入や運用にかかるコストは決して低くありません。
ヘルプデスクパートナーであれば、事務所にあるパソコンを50台と仮定した場合でも、社内ヘルプデスクの平均年収と比較して70%のコストダウンが実現可能です。

電話以外の訪問対応も可能(地方都市◎)
日本各地の支店やグループ企業との連携によって、お電話だけで解決できない事例の緊急訪問対応、また保守などの定期訪問対応も可能です。現地でのサポートが必要な場合もスピーディに対応できるため、より柔軟で高品質なサービスを提供できます。プロが現地で対応いたしますので、「電話口での口頭説明だけでは困る」といったご心配には及びません。
100万件以上の対応実績で解決力が高い
ヘルプデスクパートナーには、100万件を超える豊富な対応実績があります。グループ従業員は1200名を超えるIT総合商社がリップルの基盤となっていますので、
年間対応件数17万件以上、これまで100万件以上の対応で培った解決力に特化したノウハウがあります。ネットワークやサーバー、複合機やビジネスフォンなど、特定の部門だけに限らず、多様な問題や困りごとへのサポートが可能です。
「パソコンがインターネットに繋がらなくなった」
「メールが受信できなくなった」
「パソコンの操作を教えてほしい」など、よくあるITトラブルのお困りごとに、専門知識と技術を持ったスタッフが迅速に対応いたします。
ヘルプデスク業務のアウトソーシングサービス「ヘルプデスクパートナー」について、興味をお持ちいただけた方、詳しく知りたいとご関心をお寄せいただいた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。